熊本地震について解説【風化させない大地震の記憶】
地震被害から時が経つにつれ、人の記憶や心からその恐怖は段々薄れてしまうものです。
復興の側面から見れば乗り越えつつあるからとも言えるのかも知れません。
しかし地震の多い国で生きる私たちには「覚えておかなければいけないもの」もあるのも事実です。
地震対策を行う上で必要なことは、「地震を正しく恐れること」です。
過去の地震から地震の特性を知り、それに対する正しい対処を住宅に施すことが大切です。
今回は過去の地震の中から「熊本地震」にクローズアップし、日頃の地震対策に活かしていきましょう。
いつ発生するか分からないからこそ、日頃の備えが必要となります。
これから家づくりを考えている人にはもちろん、家づくりをアドバイスする方であれば「お客様の目線に立ったアドバイス」をするために知っておきたい情報です。
地震に対する情報を知ることは、地震対策にもつながっているのです。
目次
熊本地震とは
2016年(平成28年)に発生した熊本地震。
一連の地震活動において、現在の気象庁震度階級が制定されてから初めて震度7が2回観測された地震となります。
そのため地震の揺れによる被害も大きくなり、たくさんの方から日常を奪っていきました。
前震<2016年4月14日(木)午後9時26分>
熊本地震の中でも前震とされるのが、4月14日に発生した地震です。
- 震源地:熊本県熊本地方(北緯32度44.5分、東経130度48.5分)深さ11㎞
- マグニチュード:6.5
- 震度7:益城町
- 震度6弱:熊本市、玉名市、宇城市、西原村、嘉島町
など多くの市町村に大きな揺れをあたえました。
本震<2016年4月16日(土)午前1時25分>
前震というには大規模だった地震から約28時間後、前震の規模よりも大きな本震が同様の地区を襲いました。
- 震源地: 熊本県熊本地方(北緯32度45.2分、東経130度45.7分)深さ12㎞
- マグニチュード:7.3
- 震度7:益城町、西原村
- 震度6強:熊本市、菊池市、宇土市、宇城市、合志市、大津町、南阿蘇村、嘉島町
と益城町では前震と本震の2回において震度7の大きな揺れが襲いました。
出典:熊本県ウェブサイト
上の図のように<前震><本震>の発生後も、熊本地震ではたくさんの地震が発生しました。
2016年4月16日だけでも1日で1,233回を記録し、地震発生5日目には2,000回に達しています。
出典:熊本県ウェブサイト
内陸及び沿岸で発生した主な地震の地震回数を比較(マグニチュード3.5以上)してみると、熊本地震の回数の多さは段違いです。
「いつ、この地震はおさまるのか」など被災者の心中は計り知れないほどの恐怖を感じていたでしょう。
以前のコラム「震度7の地震はどのくらいなのか?震度の段階とマグニチュードの関係性について解説」では、揺れによってどのようなことが起こるのかなどを解説しています。
大きな地震が2度襲った被害の現状
日本でもかつてない震度7が2度も襲った熊本地震。
被害状況も深刻で、
- 死者:50人
- 震災関連死:218人
- 大雨による二次災害死:5人
- 負傷者:2,738人
- 建物:198,632棟
(2021年3月12日現在)
多くの尊い命が失われ、建物などにも被害が発生しました。
東日本大震災が津波での被害が想定外の規模を実感したように、熊本では大きな揺れが2度も発生したことで、地震の直接的な被害も甚大なものでした。
熊本地震での想定外な建物被害とは
地震の被害では、揺れにより建物の損壊や倒壊も発生します。
現在の日本の住宅は、
- 1981年5月以前に建てられた「旧耐震基準」の建物
- 1981年6月より建てられた「新耐震基準」の建物
- 2000年6月より建てられた「現行耐震基準」の建物
の3つに分けることができます。
この違いにより、地震の揺れに対する建物の強さが大きく変わるのです。
例えば震度5程度の地震が起こった場合を想定してみましょう。
「旧耐震基準」で建てられた建物では、「倒壊、あるいは崩壊しなければよい」という基準でした。
「新耐震基準」で建てられた建物の場合、「 震度5程度の地震に対しては構造躯体に損傷を生じず、震度6強から震度7程度の地震に対しては倒壊しない 」と定められています。
また現在住宅を建てる場合に適用される「新耐震基準」では、「震度6~7程度の大規模地震レベルの地震を受けても倒壊、あるいは崩壊しないという条件」が定められています。
熊本地震の想定外といわれる部分は、「 新耐震基準 」で建てられた建物にも倒壊などの多くの被害が発生してしまったからです。
地震のパワーは私たちの想定を軽々と超えていくのです。
住宅の被害を左右した分かれ目とは
熊本地震では大丈夫であろうとされる建物にも被害が発生しました。
上は熊本城の被災状況の写真です。
地震などの揺れにもビクともしなそうな城であっても、壊してしまう。
地震のパワーのすごさと脅威を感じます。
住宅がいつ建てられたのかも大きな要因となりますが、住宅の強さを高める方法はまだまだ存在します。
パッと見ただけでは同じように見える住宅でも、建物の構造などによっても違いがあります。
実際に建てられている建物には、耐震等級が定められています。
住宅の耐震等級は、耐震等級1~3に分かれており、耐震等級3が最高等級となります。
一言で表すと「地震に対する強さを分かりやすく区別」しているのです。
- 耐震等級1:現在の建築基準法と同等で、最低限の耐震性能が備わった建物です。
百年に一度来ると言われている震度6強~7クラスの地震がきても建物が倒壊、
大破しない程度の強さです。
- 耐震等級2:耐震等級1の1.25倍の強さがある建物です。
災害時に避難所となる学校や病院などの公共施設は、必ず耐震等級2以上
にすることが決められています。
- 耐震等級3:耐震等級1の1.5倍の強さがある建物です。
主に災害時に拠点になる消防署や警察署はこの耐震等級3で建てられています。
上のように住宅の強さに「差」が生まれます。
地震に強い家にするために、どのようなことが住宅に施されているのかということなのです。
耐震等級と合わせてより強い住宅にする方法
住宅に対して様々な地震対策がありますが、トキワシステムの制震ダンパー「αダンパーExⅡ」もそのひとつです。
筋交いや構造用合板などの耐震工法に「αダンパーExⅡ」をプラスすることで、地震による建物の変位を約半分にし、損傷を抑えることができます。
設置したお客様からも、「設置した後、大きな地震が発生しましたが、外壁の塗り壁にもヒビもなく、性能面でも信頼度が高まりました。」など「ダンパーを入れているから大丈夫」という安心感が心強いという感想をいただいております。
制震ダンパー「αダンパーExⅡ」は、新築住宅はもちろん、既存の住宅にも設置できる地震対策です。
これから家づくりを考えている方も、家づくりをアドバイスしている工務店の方も、ぜひ一度制震ダンパーを検討してみませんか。
大切なあなたの家族を守りたい ―KEEP YOUR SMILE―
地震大国と呼ばれる日本では、
繰り返される大規模地震や余震への対策が大きな課題とされています。
制震装置を導入することにより、建物の揺れをしっかり抑え、ダメージを減らし建物を守ります。
「αダンパーExⅡ」を導入した場合、最大55%の地震の揺れを吸収します。
繰り返しの地震にも強く、小さな揺れからもその効果を発揮することが特徴です。
13,000棟以上の供給実績、東海地区No.1の採用数で培った知識やノウハウが活きてくるのです。
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