注意が必要!リフォームで壁を撤去する|耐力壁の配置が住宅の強さを左右する
住宅と言えば今までは、「新築こそがステータス」と思われている部分が強くありました。
現在は、新しい魅力と価値を見いだすリフォームやリノベーションの人気などもあり「古き良き物を、長く活かす」暮らしに注目が集まっています。
そして業者に依頼するのではなく自分で家づくりをするDIYを楽しむ方もいらっしゃいます。
しかし住宅には、「壊してもいい壁」と「決して壊してはいけない壁」があるのです。
「この壁がなければ、もっと広々使えるのに」という思いとは裏腹、「壁を撤去することで、安全性を失ってしまう可能性」があるのです。
今回は「リフォームでの壁の撤去と住宅の強さ」についてクローズアップしてみましょう。
・住宅には決して壊してはいけない「耐力壁」があります。 耐力壁の役割やなくなることで住宅に及ぼす影響などを知ることができます。
・耐力壁は住宅のどのような場所に配置されているのかなど、住宅の基本を知り地震対策に活かしていきましょう。
目次
「壊してもいい壁」と「決して壊してはいけない壁」 とは、どんな壁?
住宅はいろいろな素材を使い、強さを補強しながら私たちの生活を守っています。
しかし長く暮らすことで
- 今の住まいの問題点や要望を解決するために。
- これからの生活をもっと過ごしやすくするために。
「今ある空間を仕切っている壁を撤去し、広々とした間取りを手に入れよう!」と考える方もいらっしゃるでしょう。
実際にリフォーム時に壊そうとしている壁が、構造上どのような役割を担っているのかを知る必要があります。
実際に同じように見える壁にも、様々な役割があります。
そして撤去しても家の構造に影響をあたえない「壊してもいい壁」と「決して壊してはいけない壁」 があるのです。
※ こちらは一般的な解釈になります。構造や間取りにより変化がありますので、参考にお役立てください。
撤去しても家の構造に影響をあたえない「壊してもいい壁」
壊してもいい壁と壊してはいけない壁は、外の見た目だけでは分かりません。
間取り図などの設計図などで確認をする以外は、内装である部分を剥がし、実際に確認してみなければ正しい判断はできません。
その中でも撤去しても家の構造に影響をあたえづらい壁として
- 垂れ壁
- 細い角材で内部が空洞に構成されている壁
などは、リフォーム時に壊しても家の構造や強さ変化をおよぼしづらいとされています。
撤去しても家の構造に影響をあたえない 「決して壊してはいけない壁」
一方撤去しても家の構造に影響をあたえない 「決して壊してはいけない壁」 は、大きく分けて2種類あります。
- 筋交い壁
- 耐力壁( 面材耐力壁)
のこのふたつの壁です。
ふたつの壁はともに、住宅の耐震性を高め、住宅の安全性を高める効果があります。
それぞれの壁の特徴をご紹介します。
① 筋交い壁
木造住宅には、耐震性を高めるために壁の内部に筋交い(すじかい)という工夫を取り入れています。
日本家屋の中で最も多い木造建築の場合、柱と柱を梁で水平につなげながら住宅を完成させます。
そのため水平の力(上方向)の圧力は太い柱で支えることができますが、どうしても横の圧力には弱いとされています。
地震の場合「強い横揺れ」などもあるため、柱と梁だけでは支えきれないということです。
そこで活躍するのが、筋交いです。
筋交いは、柱と柱の間に斜めに入れることで「建築物や足場の構造を補強する部材」です。
横から受ける力にも対応し、安全性を高めてくれます。
そのため筋交い壁の入っている部分を撤去した場合、耐震性も弱まってしまいます。
※ 鉄骨造の建物の場合、筋交いと似たブレースで補強されます。
② 耐力壁( 面材耐力壁)
私たちが日々過ごす住宅などの建物には、見えはしませんがさまざまな方向から「力」がかかっています。
1つ目は、建物そのものの重さが荷重となる垂直方向からの力です。
これは建物の構造や広さなどにより、大きく変化します。
そしてもうひとつが、地震の横揺れや台風など横からの強風による水平方向からの力となります。
日々を快適に過ごす、そして地震などの自然災害から住まいを守るためには、この2つに抵抗する力が必要です。
これらの力に抵抗して、建物を支える役割をになっているのが耐力壁です。
特に横からかかる強い力に対抗するために、耐力壁は大きな役割を果たしています。
また住宅は全体のバランスを考えながら建てられているため、重要な壁がなくなることで住宅のどこかに歪みが生じてしまう可能性も否めません。
耐力壁の配置により、家の強さは変化するの?
耐力壁は、たくさんあればいいというものではなく、効果を最大県に発揮できる配置があります。
耐力壁や筋交いは、バランスよく配置することが大切です。
それは配置の仕方によっては、地震時に変形やねじれが発生し、建物が倒壊する恐れがあるからです。
効果的な耐力壁の配置としては、
○ 四角形を基本として、コーナーを固めていく。
○ 建物の隅角部には、必ず耐力壁を設ける。
○ 柱同様、上下階の耐力壁の位置をできるだけ合わせるように配置する。
○ 耐力壁同様重要な筋交いは、1階の両隅は「ハの字」になり、2階は「Vの字」に入れ効果を高める。
など、家が完成してからでは見えませんが工夫が施されているのです。
上記のような部分には、耐力壁など家の強さを左右する構造があることをしっかりと覚えておくことが重要です。
耐力壁・筋交いに+αできる地震対策
住宅を地震の揺れから守る対策はたくさんあります。
地震対策のプロであるトキワシステムでは、強い建物にしなやかさをプラスする「耐震補強×制震ダンパー」での地震対策をおすすめしています。
制震ダンパーを取り入れることで、耐震のデメリットである「繰り返しの地震による建物にダメージの蓄積」軽減し、より安心・安全な住まいづくりをすることができるのです。
耐力壁・筋交いを邪魔しづらい:小さなボディに高い性能
トキワシステムの制震ダンパー「αダンパーExⅡ」は、オイルダンパーの制震装置です。
オイルダンパーの「αダンパーExⅡ」は、小さな揺れから大きな揺れまで「あらゆる揺れに効果を発揮できる」ことが最大のメリットです。
そのため地震のみならず、台風などの強風からも大切な我が家を守ってくれます。
制震装置にはゴムダンパーや鋼材ダンパーなどがありますが、αダンパーExⅡは圧倒的に小型なのが特徴です。
上の写真のように、小さなボディゆえ建物の強さを守る耐力壁や筋交いに影響をあたえづらいことが分かります。
制震ダンパーの配置を緻密に計算
制震ダンパーも耐力壁と同様、効果的になる位置は決まっています。
トキワシステムの制震ダンパー「αダンパーExⅡ」は外周部配置という施工になります。
この外周配置は、上の図のように「建物の外回りを囲むように配置する」方法です。
耐力壁の配置も、コーナーや隅角などに多く配置されています。
それは建物の重心から1番遠く、振れが大きい箇所の揺れを効率よく抑えられるという効果を最大限活かすためです。
耐力壁の配置関係はもちろん、住宅の様々な要素を視野に入れながら、制震ダンパーの配置を設計していきます。
我が家にも付けられる?本当に効果があるの?など採用に迷っている方は、ぜひお気軽にご相談ください。
<参考コラム> 制震ダンパーが選ばれる理由|αダンパーEx Ⅱ
耐力壁以外で住宅の耐震性を上げるポイントはどこ?
現在は1981年の建築基準法改正によって、壁量が増加、鉄筋入り基礎が義務化となり、それ以前の住宅よりも安心性の高い住宅が増えました。
また2000年には再度建築基準法が改正され、ホールダウン金物の義務化、壁量バランスの配慮などが加わっています。
このように様々な地震を経験し、その被害から守るために建築基準法も進化しています。
確かに建てたばっかりの場合では上のような性能を保っているとしても、経年劣化などにより機能が低下する。
大きな地震などの影響により、機能が低下するなどの可能性も考えられます。
ここでは住宅の耐震性を上げるためには、住宅のどの部分に注意したらいいのかをご紹介します。
屋根を軽くする・屋根を補強する
日本の住宅の屋根は、
- 粘土瓦
- セメント・コンクリート瓦
- コロニアル
- 金属屋根
など、様々な種類があり、それぞれに特徴や魅力を持っています。
平成29年の住宅用屋根材使用比率では、粘土瓦が35.7%となり、多くの住宅で使用されているのが現状です。
建物の重さと地震は大きな関係性を持っており、近年では住宅を軽量化をすることも効果的と言われています。
建物を2階建てよりも軽い平屋にする、屋根を軽い素材に変更するなどもひとつの方法です。
実際に瓦屋根/セメント瓦は 約42kg/㎡の重さがあり、建築基準法の中でも「重い屋根」として分類されています。
一方金属屋根は約5kg/㎡ととても軽く、分類も「軽い屋根」なのです。
- 屋根自体の素材を替え、軽くする。
- 屋根などに構造用合板を入れて揺れにくくする。
など、あなたの住宅にあった地震対策を取り入れてみましょう。
基礎を確認する・基礎を丈夫にする
筋交いのなどの耐力壁、屋根の地震対策など様々な方法がありますが、それを支える基礎が傷んでいては、効果は半減します。
基礎にひび割れなどの傷みはないかなど、日頃からチェックしておきましょう。
また長年住宅を支えている基礎は、見た目が普通に見えても弱くなっている可能性も考えられます。
信頼できる工務店などの専門家に、「耐震診断を依頼」することも方法のひとつです。
まとめ:リフォーム時に壁を撤去したいなら、1度専門家に相談しましょう
家のデザインリフォームをご自身で行う場合、新築当初の設計図を用意し、専門家に一度相談することをおすすめます。
また壊す部分までリフォーム会社にお願いして、その後を自分でリフォームすることもひとつの方法です。
快適性に目を奪われ、安全性を失っては、良いリフォームとは言えません。
1日でも長く、そして安心して暮らせることが、家族にとっても住宅にとっても幸せなことなのです。
制震ダンパーαダンパーExⅡは、リフォーム時でも施工できる地震対策です。
リフォームに合わせて、自宅の現状を確認し、一緒に地震対策を検討してみてはいかがですか。
大切なあなたの家族を守りたい ―KEEP YOUR SMILE―
地震大国と呼ばれる日本では、繰り返される大規模地震や余震への対策が大きな課題とされています。
制震装置を導入することにより、建物の揺れをしっかり抑え、ダメージを減らし建物を守ります。
「αダンパーExⅡ」を導入した場合、最大55%の地震の揺れを吸収します。
繰り返しの地震にも強く、小さな揺れからもその効果を発揮することが特徴です。
18,000棟以上の供給実績、東海地区No.1の採用数で培った知識やノウハウが活きてくるのです。
家族の生命と財産を守る住宅を目指して!「αダンパーExⅡ」がしっかりとバックアップします。
耐震住宅にαダンパーExⅡをプラスしてみませんか。
ご不明な点等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。