軽量鉄骨のアパートは地震に弱い?耐震性ほか特徴解説│地震対策の方法や他の構造との比較も紹介
「軽量鉄骨造のアパートは地震に弱い」
こうした意見を見かけることがあります。
小規模なアパートで採用されることの多い軽量鉄骨造は、建築費用が安価で耐久性が高いことから人気を博しています。
一方で地震や火災など、災害に弱いと指摘されることもあります。
本記事では軽量鉄骨造を中心に、アパートの構造について解説しますので、建築するアパートの構造について確認したい方は、ぜひ参考にしてください。
・軽量鉄骨造のアパートの耐震性について確認できます。
・アパート全般の地震対策について確認できます。
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目次
軽量鉄骨造とは?
軽量鉄骨造とは、厚さ6mm未満の鋼材を主要な構造部分に使用した建物を指します。
主だった特徴は以下のとおりです。
- 部材が工場生産で品質が安定している
- シロアリによる食害を受けず耐久性が高い
- 鉄骨を伝達して熱気・冷気が伝わることがある
- 構造上既設の間取りを変えづらい
このように、メリット・デメリットがありますので、軽量鉄骨造でアパートを建築する場合は、特徴の把握が不可欠です。
軽量鉄骨のアパートは地震に弱い?
「軽量鉄骨造のアパートは地震に弱い」こうした意見を見かけることがありますが、本当でしょうか。
他の構造と変わらない耐震性を期待できる
実は軽量鉄骨造のアパートは、鉄骨や鉄筋コンクリートといった他の構造と変わらない耐震性を期待できます。
一番の理由は、建築基準法に適合する仕様にすれば、構造に関わらず同程度の耐震性になることです。
現行の建築基準法は、軽量鉄骨・鉄骨・鉄筋コンクリートといずれの構造でも一定の耐震性能(耐震等級1。震度6強から7クラスの地震を受けても倒壊しない。)を満たすよう義務付けられています。
軽量鉄骨造のアパートも同様で、適切な設計、施工がされていれば、一般的に強いイメージのある鉄筋コンクリートとも同程度の耐震性になります。
>関連コラム:建築基準法の耐震基準を解説、マイホームに備えて知っておきたい知識
建築年(適用される耐震基準)によって耐震性が変わる
ただし、取得するアパートの建築年によっては、耐震性が変わりますので注意が必要です。
- 旧耐震基準:1981年以前
- 新耐震基準:1981年~2000年
- 現行耐震基準:2000年以降
このように耐震基準は年々強化されていますので、新しいアパートの方が耐震性が高いことを期待できます。
1981年以前の住宅では震度5前後までの想定しかしていないことから、特に注意が必要です。
>関連コラム:新旧耐震基準と2000年基準の違いとは?|耐震性の確認や耐震補強の方法を解説
軽量鉄骨造は耐火性への配慮が必要
耐震性についての指摘に加えて、軽量鉄骨造は耐火性についての配慮が欠かせません。
軽量鉄骨造の構造部分を構成する鉄筋は、耐火性が低い特徴を持っています。
このため火事による火熱を受けたとき、他の構造と比べて早く変形を起こす可能性があります。
鉄筋を耐火性のある材料で覆うなど、火災時に備える対策が必要です。
軽量鉄骨造アパートの特徴
軽量鉄骨造のアパートには、次のような特徴があります。
建築費用を抑えられ入居率を高められる
1つ目は、建築費用を抑えられることです。
工場で生産され画一的な建材を使用する軽量鉄骨造のアパートは、比較的安価に建築できます。
また、現場で組み立てる工程も短くなりますので、人件費や仮設足場費用などを削減して、建築費用全体を安価にできます。
その結果、アパートの賃料を低めに設定しても利益を出すことができ、安定して高い入居率を維持することが可能です。
シロアリなど害虫被害を受けづらい
2つ目は、シロアリなど害虫による被害を受けづらいことです。
木造住宅では、建材が十分に乾燥していない場合、シロアリが侵入し内部の食害を受ける恐れがあります。
一方で軽量鉄骨造であれば食害を受けることはありません。
ただし、断熱材などシロアリの食害の対象となる建材もありますので、害虫対策を検討する必要はあります。
工場で部材が生産され一定の品質を保てる
3つ目は、一定の品質を保って建築できることです。
軽量鉄骨造に使用する建材は工場生産品で、品質は常に一定を保ちます。
また、施工する際も一定の決まりに従って組み立てしますので、職人の腕に左右されずに施工精度も一定の品質を維持できます。
間取りやデザインの自由度は低め
4つ目は、間取りやデザインの自由度が低いことです。
一定の規格品によって構成される軽量鉄骨造のアパートは、細かな寸法調整などができません。
また、将来間取りを変更するリフォームの際も、位置を変更できない柱や壁があることから自由度が低くなる点に注意が必要です。
>関連コラム:木造住宅と鉄骨造住宅はどちらがおすすめ?メリットとデメリットを比較
アパート建築に利用される構造ごとの比較
こうした特徴を持つ軽量鉄骨造のアパートですが、他の構造と比較することも重要です。
そこで、RC・木造といった構造の特徴も確認しましょう。
RC(鉄筋コンクリート)造
- 長期間にわたって建物の劣化を防げる
- 音を遮断する、防音効果が高い
- 耐火性能が高く、地震時も安心
- 建築費用が高い傾向にある
- コンクリートの養生など、施工期間が長くなる
- 重量が大きく、地盤改良に費用を要することがある
- リフォーム工事をしづらい
S(鉄骨)造
- 建材を工場で生産し現場で組み立てる、効率的な運用が可能
- RC造と比較して建物が軽く、地盤に対する負担が小さい
- 熱伝導率が高く、断熱仕様によっては暑い・寒い
- 高温時に強度が低下するため、耐火被覆などが必要
- 現場での施工時間が短く、工期を短くできる
木造
- 建材費が安価で、建築費用を抑えやすい
- 軽量で、基礎工事や地盤改良工事の費用を抑えられる
- リフォームや増改築など、間取りの変更が比較的容易
- 湿気の状況によっては、カビや食害の被害を受ける
- 定期的にシロアリなどの駆除が必要
それぞれ特徴が異なりますので、正しく把握した上でアパートを建築しましょう。
>関連コラム:木造アパートは地震に弱いのか?『やめとけばよかった…』と思わないために。1階と2階の特徴の違いも解説
また、制震装置を取り付けることなど、木造ならではの地震対策を施すことで、地震への強度を高めることも可能です。
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アパートで効果的な地震対策
記事の終わりに、どの構造のアパートでも共通して効果を発揮する地震対策を紹介します。
強固な地盤の土地を購入する
1つ目は、強化な地盤の土地を購入することです。
地盤によって地震の揺れ方は異なります。
慎重に土地を検討することで、揺れにくい土地を選ぶことができます。
また、地震発生後の地盤沈下や液状化といった、基礎に悪影響を与える原因を避けることも可能です。
>関連コラム:地盤が強い土地5つの特徴とは?│強い地盤の必要性や調べ方、弱い場合の対策も解説
耐震等級3を取得する
2つ目は、耐震等級3を取得することです。
耐震等級とは、耐震性を3段階で評価する指標です。
最高等級である3を取得することで、耐震等級1の1.5倍の強度を持つアパートを建てられます。
>関連コラム:耐震等級はどうやって決められているの?|耐震性能を高めるためのポイントを解説します
制震技術を導入する
3つ目は、制震技術を導入することです。
一般的に重要視される「耐震」は、揺れに耐えられるよう建物の強度を高める対策です。
建物に加わるダメージを軽減する効果がないことから、複数回発生する地震に弱い特徴を持っています。
制震技術を導入することで、複数回発生する地震にも強い建物になりますので、「耐震」の弱点を解消可能です。
まとめ│構造の特徴を確認してアパートを建てる
「軽量鉄骨のアパートは地震に弱い」こうした意見について解説しました。
しかし実は、現行の基準に合致している以上、木造やRC造など他の構造とも強度は変わりません。
一方で、品質が安定していること、耐火性が低い、といった材料特有の特徴はあります。
それぞれの建材の特徴を比較検討したうえで、アパートの構造を決めましょう。
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