断層型地震とは?仕組みや特徴、対策についてわかりやすく解説

断層型地震とは?仕組みや特徴、対策についてわかりやすく解説

首都直下型地震は、地震の種類としては「断層型地震」に当たります。
本記事では、断層型地震とはどのような地震なのか、仕組みや特徴について分かりやすく解説します。

断層型地震に対して事前に取るべき対策も紹介しますので、地震に不安を感じている方はぜひ参考にしてください。

この記事を読んだらわかること

・断層型地震の特徴や仕組みについて確認できます。
・断層型地震で身の安全を守るための対策を確認できます。

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断層型地震とは?

はじめに、断層型地震とはどういった種類の地震を指すのか紹介します。

陸側のプレート内部で起こる震源域の浅い地震

陸側のプレート内部で起こる震源域の浅い地震

>参考リンク:文部科学省・気象庁 活断層の地震に備える

断層型地震は、プレート(地下深くにある板状の岩盤)が動くことにより発生する地震です。

海溝型地震と比べると震源域が浅いことから、地震のエネルギーを示すマグニチュードが小さい場合でも揺れが大きくなることが多く、建物への影響が大きい地震になります。

断層型地震の例:阪神・淡路大震災、首都直下型地震

断層型地震の例として挙げられる地震は、阪神・淡路大震災や首都直下型地震です。

断層型地震の例:阪神・淡路大震災、首都直下型地震

>参考リンク:地震調査研究推進本部事務局 六甲・淡路島断層帯

阪神・淡路大震災では、淡路島から神戸や西宮にかけて走る断層で地震が発生しています。
地震後の調査で、淡路島北部にある野島断層で断層のずれが確認されています。
阪神・淡路大震災は最大震度7を観測し、死者6,437名、住宅被害63万9,686棟という甚大な被害となっています。

首都直下型地震の発生確率は30年以内に70%

>参考リンク:東京都防災会議 東京都の新たな被害想定

同様に、断層型地震で大きな被害が予想されている地震は、首都直下型地震です。
首都直下型地震は複数の震源域が想定されていますが、中でも東京湾北部での地震が緊急性の高さや地震発生の可能性の高さから対策が求められています。
最大規模での被害が発生した場合、次のような被害が想定されています。

  • 死者:6,148名
  • 建物被害:19万4,431棟

>関連コラム:【首都直下地震と南海トラフ地震はどっちがやばい?】取るべき対策についても紹介

海溝型地震:陸側と海側の境界で起こる震源域の深い地震

断層型地震とは異なり、陸側のプレートと海側のプレートの境界で発生する地震は海溝型地震と呼ばれています。
海溝型地震には、次のような特徴があります。

  • 規模が大きくなりやすい
  • 揺れる時間が長い(数分間)
  • 津波が発生する危険性が高い

南海トラフ地震で備えるべき範囲

>参考リンク:気象庁 マンガで解説!南海トラフ地震その日が来たら・・・

代表的な海溝型地震の例は、南海トラフ巨大地震です。
南海トラフ巨大地震は、条件によって異なりますが、次のような被害が予想されています。

  • 死者:32.3万人
  • 建物被害:238.6万棟

このように、海溝型地震は津波を伴うことから被災範囲が広くなる点が特徴的です。

>関連コラム:南海トラフ巨大地震でも『安全な県』はある?震度別都道府県の紹介と知っておきたい「備え」を解説

海溝型地震に比べると規模が小さいイメージの断層型地震ですが、震源に近い地域を中心に大きな被害が予想されています。

突然起こることが危険視される断層型地震に対しては、「制震ダンパー」の利用がおすすめです。
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断層型地震の特徴

さらに詳しく、断層型地震の特徴を確認します。
断層型地震は、次の5つの特徴を持っています。

  • 初期微動継続時間が短く、備える時間が短い
  • 緊急地震速報が間に合わない可能性がある
  • 地震の発生周期が長く、一定の時間で繰り返して活動する
  • 日本中に断層があり、震源域を予測しづらい
  • 局地的に大きな被害を及ぼす恐れがある

初期微動継続時間が短く、備える時間が短い

1つ目は、初期微動継続時間が短く、備える時間が不足することです。

地震は速度が早く揺れの小さいP波と、速度が遅く揺れが大きいS波とに分かれますが、断層型地震はP波、S波の差が小さいことから地震に備えるために十分な時間がありません。

緊急地震速報が間に合わない可能性がある

断層型地震の特徴:緊急地震速報が間に合わない可能性がある

>参考リンク:文部科学省・気象庁 活断層の地震に備える

2つ目は、緊急地震速報が間に合わない可能性があることです。

P波の測定によって緊急地震速報は報じられますが、S波との差が短いことから、速報が入る前にS波が到達する可能性があります。

警報を受ける前に大きな地震に遭遇する危険性がありますので、いつ地震を受けてもよいよう日頃からの地震への備えが重要となります。

>関連コラム:緊急地震速報が鳴ったらどうするべきか?意外と知らない仕組みも解説

地震の発生周期が長く、発生の予測が困難

3つ目は、地震の発生周期が長いことです。

断層型地震は同じ場所で発生する一方で、数十年・数百年単位と長期的な周期で発生しますので、発生する時期を予測することが困難です。

地震の予兆がなく突然発生する危険性がある点も、断層型地震に警戒するべき理由のひとつです。

>関連コラム:【地震に前兆はあるの?】予知・迷信は正しい?私たちにできる5つの対策とは?

日本中に断層があり、震源域を予測しづらい

断層型地震の特徴:日本中に断層があり、震源域を予測しづらい

>参考リンク:地震調査研究推進本部事務局 主要活断層帯

4つ目は、日本中に断層があることから、震源域を予測しづらいことです。

日本は地震が多発する地域で、日本列島全体に多くの活断層が分布しています。
このことから、どの断層が震源域となって地震を引き起こすのか、予想することが困難です。

また、発生する可能性のある地域が広範囲に渡ることも地震対策を難しくしている理由です。

局地的に大きな被害を及ぼす恐れがある

5つ目は、局地的な被害を及ぼす可能性が高いことです。

断層型地震は震源域が浅いことから、震源付近で大きな被害をもたらします。
海溝型地震とは異なり、広い範囲に影響がある訳ではありませんが、都市部の直下で地震が発生した場合、建物倒壊や交通網の寸断など、社会的な影響が大きくなります。

断層型地震への対策

こうした特徴のある断層型地震、備える対策がありますので紹介します。

建物に耐震対策を施す

耐震・制震・免震の違い

>関連コラム:耐震・制震(制振)・免震の違いとは?

最も大切な対策は、建物への耐震対策です。

高い耐震等級の取得など、建物の倒壊や損傷を防ぐ対策を取れば、急な地震の発生で倒壊・損壊を防ぐことができ命を守れます。

被災後も住み慣れた自宅で避難生活を送ることができますので、自宅の耐震性を高める工夫を検討しましょう。

制震技術によって建物へのダメージを軽減する

断層型地震の建物へのダメージを軽減するためには、制震技術の導入も重要です。

制震技術は、制震ダンパーと呼ばれる装置を柱や梁の間に設置することで、建物に加わる揺れの力を吸収し、ダメージを軽減する技術です。

縦揺れ(断層型地震に多い)、横揺れ(海溝型地震に多い)どちらにも対応でき、また複数回発生する余震に対しても高い軽減効果を発揮しますので、新築・リフォーム問わず設置を検討することをおすすめします。

背の高い家具を固定する

建物が倒壊を起こさない場合でも、家具が転倒することで命を落としたり、ケガをする危険性があります。
こうしたリスクに備えて、背の高い家具を固定することも重要です。

背の高い家具を固定する

>参考リンク:総務省消防庁 地震による家具の転倒を防ぐには

このように、建物が揺れても家具や家電が転倒しないよう備えることで、ご自身やご家族の身の安全を確保しましょう。

まとめ│断層型地震は急な発生に注意する

断層型地震の仕組みや特徴、発生前に備えるべき対策について解説しました。

前触れなく突然発生する可能性の高い断層型地震は、いつどこで発生してもよいように、事前に備えることが重要です。

耐震・制震といった建物の地震対策のほか、家具や家電の転倒対策、避難経路の確保や緊急時の連絡方法の確保などの対策を平時にすることをおすすめします。

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監修者情報

株式会社トキワシステム

株式会社トキワシステム

制震ダンパー・地震対策の情報について発信しています。
トキワシステムが提供する制震ダンパー『αダンパーExⅡ』は、地震から建物を守り、住まいの安心と安全をご提供いたします。

保有資格
・二級建築士
・フォークリフト運転技能者
・木材加工用機械作業主任者
・第二種電気工事士

受賞歴
・GOOD DESIGN AWARD 2021