南海トラフ巨大地震でも『安全な県』はある?震度別都道府県の紹介と知っておきたい「備え」を解説
「南海トラフ巨大地震で安全な県ってどこだろう?」
本記事では、こうした疑問にお答えします。
2024年8月8日、宮崎県沖、日向灘でマグニチュード7.1の地震が発生し、同日南海トラフ巨大地震が発生する危険性が平時より高いとして「南海トラフ地震臨時情報」が発表されました。
巨大地震への不安が高まる中で、本記事では各地域ごとの震度予測から「安全な県はどこか」といった視点をご紹介します。
お住まいの地域で予想される震度を確認した上で、地震の発生に備えて各種対策を講じましょう。
・政府が発表する南海トラフ巨大地震の予測情報から、危険度が高い県、低い県を確認できます。
・地震発生前に知っておきたい「備え」が分かります。
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目次
南海トラフ巨大地震の概要を解説
はじめに、南海トラフ巨大地震とはどのような地震なのか、概要を確認します。
南海トラフは、九州から四国、静岡県に至るまでのエリアの沖にある、海底の溝状の区域を指します。
南海トラフ巨大地震は、このエリアで定期的に発生する巨大な地震です。
南海トラフ巨大地震で想定される震度
>参考リンク:気象庁 南海トラフ地震で想定される震度や津波の高さ
南海トラフ巨大地震について気象庁が発表している資料によると、静岡県から宮崎県にかけて、一部地域で震度7が、多くの地域で震度6弱・6強といった揺れが想定されています。
>参考リンク:気象庁 南海トラフ地震で想定される震度や津波の高さ
また、広い範囲で10mを超える津波が生じることが予想されていて、地震と津波、双方への対策が必要になる災害といえます。
南海トラフ巨大地震の発生予測
南海トラフ巨大地震について、政府が発表している資料(平成29年1月時点)によると、30年以内にM8~M9クラスの地震が発生する確率が70%と予想されています。
なお、地震の発生確率はあくまで予測です。
実際に発生する時期や大きさは未知数ですので、万が一に備えて地震に遭遇しても対処できる体制を作ることが大切です。
>関連コラム:南海トラフ地震のために私達ができる対策や備えとは
地震における「安全」と「危険」
南海トラフ巨大地震で受ける揺れの大きさを都道府県別に確認する前に、各震度ごとの揺れの目安を確認しましょう。
震度0~3:人的・物的な被害は少ない
地震を受けても比較的安全である震度の目安は、震度0から3までです。
「屋内にいる人のほとんどが、揺れを感じる」程度ですので、震度3までであれば大きな被害は受けづらいといえます。
震度4~5強:家具の転倒など
被害の程度が大きくなるのは、震度4・5弱・5強といった揺れからです。
固定していない家具や補強していないブロック塀が崩れることもあり、下敷きになるなどしてケガをする方もいるでしょう。
震度6弱~7:建物の倒壊の恐れ
震度6弱を超えると、耐震性の低い住宅での倒壊や土砂崩れが発生するなど、大規模な被害が発生し始めます。
建物の倒壊など、人命が失われるほどの被害は、震度6弱~7クラスの地震と考えましょう。
>関連コラム:震度6強~震度7の大規模地震が来るとどうなるの?住宅は大丈夫?
南海トラフ巨大地震で安全な県とは?
具体的に、南海トラフ巨大地震が発生したとき「安全な県」はどこなのか確認しましょう。
なお、本記事で紹介している震度は、南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループが発表している「市町村別最大震度一覧表」の中で、県庁所在地を対象に震度を抽出しています。
同じ都道府県の中でも震源域に近い市町村では、震度が高くなるケースもありますのでご留意ください。
>参考リンク:内閣府 南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ
震度3までの都道府県
福島県(福島市) | 3 |
地震を受けても物的・人的被害が少ないとされる地域(震度3以下)は、南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループが公表した資料の中では、福島県のみでした。
また、北海道や青森県など本資料で検討されていない、南海トラフから距離のあるエリアも安全な地域と言えるでしょう。
震度4~5強の都道府県
茨城県(水戸市) | 4 |
栃木県(宇都宮市) | 4 |
群馬県(前橋市) | 5弱 |
埼玉県(さいたま市) | 5弱 |
千葉県(千葉市中央区) | 5弱 |
東京都(千代田区) | 5弱 |
神奈川県(横浜市) | 5弱~5強 |
新潟県(新潟市) | 4 |
富山県(富山市) | 5弱 |
石川県(金沢市) | 5弱 |
福井県(福井市) | 5強 |
長野県(長野市) | 5弱 |
鳥取県(鳥取市) | 5弱 |
島根県(松江市) | 5弱 |
広島県(広島市) | 5弱~5強 |
山口県(山口市) | 5弱 |
福岡県(福岡市) | 4 |
佐賀県(佐賀市) | 5弱 |
長崎県(長崎市) | 4 |
熊本県(熊本市) | 5強 |
鹿児島県(鹿児島市) | 5強 |
続いて、家具やブロック塀の転倒など、軽度な被害が予想されるエリアは、上記21の都県です。
震度4~5強では、固定していない家具や補強されていないブロック塀などで転倒・倒壊の危険性が生じます。
震度6弱~7の都道府県
山梨県(甲府市) | 6弱 |
岐阜県(岐阜市) | 6弱 |
静岡県(静岡市) | 7 |
愛知県(名古屋市) | 6弱~6強 |
三重県(津市) | 6強 |
滋賀県(大津市) | 6弱 |
京都府(京都市) | 5強~6弱 |
大阪府(大阪市) | 5強~6弱 |
兵庫県(神戸市) | 5強~6弱 |
奈良県(奈良市) | 6弱 |
和歌山県(和歌山市) | 6強 |
岡山県(岡山市) | 6弱 |
徳島県(徳島市) | 7 |
香川県(高松市) | 6弱 |
愛媛県(松山市) | 6弱 |
高知県(高知市) | 7 |
大分県(大分市) | 6弱 |
宮崎県(宮崎市) | 6強 |
最後に、建物の倒壊など本格的な被害が予想されるエリアは、上記18の府県でした。
震度6弱~7の地域では建物の倒壊の危険性もありますので、耐震性を高める対策を講じる必要があります。
なお、南海トラフ巨大地震で検討されていない地域や、震度3の地域であっても、地震への備えは必要です。
こちらの図のとおり、日本は各地で大きな地震が起きる危険性がありますので、備えが不要な地域はないと考えてよいでしょう。
お住まいの自治体を対象に、どの程度の地震が予想されるか確認して具体的な備えにつなげましょう。
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知っておきたい南海トラフ巨大地震への「備え」
このように、南海トラフ巨大地震では、非常に広範囲に渡って大きな揺れが発生しますので、避難所などでの備蓄が不足するケースも考えられるでしょう。
このことから、個人・各家庭でも被災時に備えることが重要となります。
耐震・制震など建物被害を抑える工夫
最も重要な備えは、耐震・制震といった建物被害を抑えるための工夫です。
建物の耐震性を高めれば、大きな地震を受けた場合でも被害を抑えられ、倒壊の危険性を減らせます。
また、制震技術を導入することで地震により建物に生じるエネルギーを減衰できますので、「耐震+制震」など複数の方法を利用して耐震性を高めることをおすすめします。
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食料・電気など被災後を生きるための工夫
建物の倒壊のほか、食料や電気などを備蓄することにより、被災後も自宅で暮らせるでしょう。
長期保存可能な食料品や飲料水などを事前に備えましょう。
なお、食料に加えて太陽光発電や蓄電器があると、外部との連絡手段であるスマートフォンを充電したり、情報収集手段としてのテレビやラジオなどの利用、家電の使用など様々な用途に利用できます。
>関連コラム:【防災グッズで本当に必要なものは?】厳選した14のグッズを揃えよう
避難ルートや連絡手段の確認
こうした直接的な備えのほか、避難ルートの確認や連絡手段の確立などの対策も必要です。
自宅が被災して避難所に向かう場合も、普段利用している道が寸断されている恐れが。
また、家族に連絡を取ろうと思ってもつながらない事態に陥る可能性もあります。
こうした問題点へも事前に備えることをおすすめします。
>関連コラム:「地震が起きた。家族に電話が繋がらない。」原因と対策を解説します
まとめ│発生前に南海トラフ巨大地震に備えよう
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「南海トラフ巨大地震で安全な県はありますか?」
こうした疑問に対して、内閣府が実施している南海トラフ巨大地震の被害予測を利用して解説しました。
南海トラフに近い地域ほど、震度6弱・6強・7といった建物の倒壊に関わる揺れが予測されています。
一方で震度4~5強の地域でも、南海トラフ巨大地震に直面したとき想定より大きな揺れに見舞われる可能性もありますので油断はできません。
いずれの地域でも大地震に遭遇する危険性はありますので、食料などの備蓄や、建物の耐震化などできることから取り組みましょう。
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