「吹き抜けがあると地震で倒壊する?」疑問に回答│吹き抜けでも耐震性を高める方法も紹介
「吹き抜けがあると、地震で倒壊しやすくなるって本当?」
本記事では、こうした疑問にお答えします。
光が差し込み、内装が明るい雰囲気になる吹き抜けは、新築で住宅を建てる方の憧れの間取りです。
一方で二階の床板の一部を取り除くことになりますので、耐震性が低くなると指摘されることもあります。
「吹き抜けのある家は地震に弱い」この噂は正しいのか、確認してみましょう。
・吹き抜けを設けることで耐震性に影響が出るかが分かります。
・吹き抜けを設けつつ耐震性を高める方法が分かります。
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目次
吹き抜けを設けると耐震性が低くなる?
結論から言うと、吹き抜けを設けると一般的には耐震性は低くなります。
主な理由は以下の2つです。
- 吹き抜けまわりの柱や梁が少なくなるから
- 吹き抜けがあると水平構面が少なくなるから
吹き抜けまわりの柱や梁が少なくなるから
吹き抜けがあると、その空間に柱・耐力壁(建物を支える役割を持つ壁)を設置できなくなりますので耐震性が低くなります。
住宅は屋根から柱へ、柱から基礎へと荷重を伝達することで、地震のときも倒壊せずに形を保てます。
吹き抜けがあると、設置できる柱の数が減りますので、一本あたりの柱が受け持つ荷重が大きくなり、地震時など急激な荷重がかかることで柱やほかの建材が破損する可能性が高まります。
また、開放感を求めて壁を設けない間取りを作る場合も、耐力壁が少なくなりますので、耐震性が低下する要因となるでしょう。
>関連コラム:耐力壁は大事?筋交いとは?耐震性を高めより地震に強い住宅にする方法とは
吹き抜けがあると水平構面が少なくなるから
柱や壁は縦方向の揺れを地面に伝えるための部材ですが、水平構面は横方向に力を伝えるための部材です。
水平構面があることで、横方向に生じる地震の揺れを縦方向の部材に伝達できますので。縦揺れだけでなく横揺れにも強い住まいになります。
吹き抜けを設けると、水平構面としての働きを示す床と天井がなくなりますので、地震のとき、特に横揺れに対する耐震性が低くなる可能性があります。
注意:面積の大きな吹き抜け
吹き抜けを設ける場合、特に気をつけたいのは面積の大きな吹き抜けを避けることです。
一般的な二階建て住宅でも、階段のある場所は二階の床が切り取られて水平構面がなくなります。
それでも耐震性を確保できているのは、床を抜く面積が小さいからです。
吹き抜けの面積が大きくなると水平構面を大きく欠く上に、柱や耐力壁の数が少なくなりますので、耐震性を大きく損なう危険性があります。
大きな面積の吹き抜けは高級感を感じられますので憧れるものですが、家族の身の安全を守るためには、吹き抜けの面積を制限することをおすすめします。
注意:勾配天井も吹き抜けと同様と考える
加えて注意したい点は、勾配天井です。
勾配天井も十分な天井高を確保できることから人気ですが、天井を取り除きますので、吹き抜けと同様に水平構面が少なくなることを意味します。
吹き抜けと同様に耐震性の低下を招くことがありますので注意が必要です。
吹き抜けアリでも耐震性を高める方法
では、耐震性を確保するためには、吹き抜けを諦めなければいけないのでしょうか。
ここからは吹き抜けがあっても耐震性を確保するための方法を紹介します。
- 耐震等級3の取得
- 吹き抜けを中心に配置する
- 制震装置の導入
- 免震装置の導入
- 吹き抜けの大きさを制限する
- 開口部の大きさを制限する
- 耐力壁のバランスよい設置
耐震等級3の取得
1つ目の方法は、耐震等級3を取得することです。
耐震等級とは、住宅の品質確保の促進等に関する法律で定められた、耐震性を1から3の3段階で評価する制度です。
吹き抜けを設けても、部材の寸法を大きくしたり、強度の高い部材を使用するなどして、耐震等級を高めることができます。
耐震等級3の取得には第三者機関の審査・認定が必要ですので、吹き抜けがあっても公的に耐震性が高い家と認められ安心できる暮らしを送れます。
>関連コラム:【耐震等級とは?】耐震等級を高くすることで得られるメリット・デメリット
制震装置の導入
2つ目の方法は、制震装置の導入です。
制震装置とは、制震ダンパーなど、地震の揺れを吸収する装置を柱や梁の間に設置するものです。
導入することで地震の揺れを最大で55%軽減できる製品もあり、吹き抜けで耐震性が低下しても、制震装置を導入することで地震の揺れを吸収する耐震性の高い住まいを建てられます。
免震装置の導入
3つ目の方法は、免震装置の導入です。
免震装置は建物本体と基礎の間に、積層ゴムなど地震の揺れが伝わらないようにする装置を設置するものです。
特に横揺れに対して大きな効果を発揮しますが、設置費用が高額である点、リフォームで対応しづらい点がデメリットです。
>関連コラム:免震とは?特徴やメリットデメリットを詳しく説明|戸建住宅への向き不向き
吹き抜けを中心に配置する
4つ目の方法は、吹き抜けを建物の中心に配置することです。
建物は支える柱や壁の量も大切ですが、バランスを取ることも大切です。
一方向にのみ柱や壁が集中すると、地震で揺れたとき、柱・壁が多い方が揺れず、少ない方が揺れることとなり、歪みが大きくなります。
建物への損傷の度合いも大きくなり倒壊する危険性が高まりますので、耐震性を高めつつ吹き抜けを設ける場合は、建物の中心に配置することをおすすめします。
吹き抜けの大きさを制限する
5つ目の方法は、吹き抜けの大きさを制限することです。
吹き抜けの面積は大きいほど、水平構面となる床が減ることとなります。また、柱や耐力壁の量も少なくなります。
このため、吹き抜けの大きさをコンパクトにすることで、吹き抜けがあっても耐震性の高い住まいを実現できます。
一方で面積を制限すると、吹き抜けを設ける目的である、採光・通風やおしゃれさの効果が減りますので、耐震性とおしゃれさのバランスを取るよう工務店・ハウスメーカーと話し合いましょう。
開口部の大きさを制限する
6つ目の方法は、開口部(玄関ドア・窓など)の大きさを制限することです。
吹き抜けとセットで大きな窓を設けて、外の風景を取り込んだり、採光・通風に役立てたいと考える方は多いでしょう。
しかし、最も外側の壁は耐震性を確保する上で重要な役割を果たします。
開放感を求めて吹き抜けに面する壁を全て開口にすると耐震性が低下する可能性があります。
建物四隅の壁は残すなど、開口の広さにも一定の制限を設けることをおすすめします。
耐力壁のバランスよい設置
7つ目の方法は、耐力壁をバランスよく配置することです。
先述したとおり、建物の片側に柱や壁が集中すると、地震で揺れたとき建物の歪みが大きくなり、倒壊する危険性が高まります。
吹き抜けの周囲に加えて、寝室や子ども室、玄関や水回りなど、他の間取りも含めて耐力壁をバランスよく配置できる計画を立てる必要があります。
>関連コラム:【地震に強い家の特徴10選】揺れても安心の住まいを手に入れよう
まとめ│耐震性と開放性を両立させよう
>制震ダンパー施工事例(株式会社ブルーボックス様・モデルハウス)
「吹き抜けがあると、地震を受けたとき倒壊しやすくなるって本当?」
こうした疑問にお答えしました。
吹き抜けは、リビングなどから天井までの空間が高く開放的になることから人気の高い間取りです。
一方で本来は床がある箇所が吹き抜け空間になりますので、柱や耐力壁、水平構面の減少から耐震性が低くなることも確かです。
本記事で紹介した様々な対策を講じることで、耐震性を高めながら吹き抜けを実現することは可能ですので、工夫を凝らして耐震性と開放性を両立できる住まいを目指しましょう。
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