「木造3階建ては地震に弱い?」耐震性への不安を解消する5つの方法を解説
「木造3階建ては地震に弱い?」
「3階建ては耐震性に不安を感じる…」
本記事では、こうした疑問・不安を感じる方に向けて、木造3階建て住宅の耐震性の特徴、さらに耐震性を高めるための方法についても解説します。
そもそも木造3階建てを選択するのはどうしてなのか、住環境の面での特徴についても紹介しますので、地震に強い家を建てたいと考える方は、ぜひ参考にしてください。
・木造3階建ての地震に対する特徴が分かる。
・木造3階建て住宅の耐震性を高める方法が分かる。
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目次
木造3階建てで耐震性に不安を感じる原因
はじめに、木造3階建てに対して不安を感じるのはどうしてなのか、主な原因を紹介します。
高さのある建物は揺れるという認識があるから
1つ目の理由は、平屋や2階建てと比較して高さがある3階建ては揺れやすいという認識があるからです。
こちらの認識は正しく、平屋より2階建て、2階建てより3階建ての方が重心が高くなることから、揺れが大きくなる傾向があります。
ただし、揺れに対抗するために建材の直径を大きくするなど、正しい対策を取ることで耐震性を確保することは可能です。
>関連コラム:【家が揺れる!】考えられる原因は6つ│4つの対策も解説
高さのある建物はRC・鉄骨が中心だから
2つ目の理由は、高層住宅に利用される建材はRC(鉄筋コンクリート)や鉄骨が中心であることです。
こちらも認識は正しく、材料の品質を一定に保ち構造計算しやすいRCや鉄骨の方が、高さのある建築物の構造に利用されやすいといえます。
>参考リンク:野村不動産ホールディングス株式会社 日本初の木造ハイブリッド高層分譲マンション
一方で、CLTのような集成材(複数の木材を裁断後につなぎ合わせた人工木材)を利用することで、一定の品質を担保できる木材が出現するなど、近年は事例のような木造の高層住宅・ビルが複数建築されています。
こうした工夫を導入することで、木造でも3階建てなど高さのある建物を耐震性を確保しながら建築することは可能です。
3階建て住宅の1階がビルトインガレージのケースが多いから
3つ目は、3階建て住宅の場合、1階部分がビルトインガレージやピロティになっているケースが見られることです。
ビルトインガレージを1階に設ける場合、出入口側に大きな開口ができますので、その分建物のバランスが崩れます。
開口を設けつつ耐震性を確保するためには、厚みの大きな部材を使用するなど対策が必要です。
木造ラーメン構法など、大きな開口を設けながら耐震性を保つ工法もありますので、ハウスメーカー選びも重要になります。
木造3階建ての多いエリアは建物が密集しているから
4つ目は、木造3階建て住宅は建物が密集しているエリアに多くあることです。
23区内など敷地面積が限られるエリアでは、隣家の建物との距離が近くなりがちです。
こうした建物が密集する住環境では、地震が発生した後に二次災害として火災の延焼が起きることが指摘されます。
耐火建築物や省令準耐火構造など、火災に対しても強い家づくりを意識することが大切です。
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木造3階建て住宅のメリット
紹介したリスクのある木造3階建て住宅。どうして耐震性への不安を感じながら選ばれるのでしょうか。
木造3階建て住宅のメリットを改めて確認します。
- 空間を有効活用でき狭小地でも床面積を確保できる
- 利便性の高いエリアに居住できる
- 土地を安く購入し家に予算をかけられる
- 2階リビングの場合1階に壁を多く設けられる
- 建物本体の重量が軽く、揺れを抑えられる
このように、木造3階建て住宅は都市部など利便性の高いエリアに住みたい方が、比較的コンパクトな土地でも十分な床面積を確保する目的で選択するケースが多いようです。
また、RC(鉄筋コンクリート)や鉄骨と比べたとき、坪当たりの単価が抑えられる点や、本体重量が軽くなり地震時の揺れを抑えられる耐震性の面でのメリットがあることも認識しましょう。
>関連コラム:地震に強い家の構造や形の特徴は?|耐震・制震・免震構造のポイントと対策を紹介
木造3階建て住宅のデメリット
一方で、木造3階建て住宅には、特に耐震性の面でデメリットがありますので紹介します。
- 平屋・2階建てと比較して高さがあり揺れやすい
- 斜線制限などにより真四角の家を建てづらい
- 日照・採風のため吹き抜けを採用することが多い
- 単位面積当たり重量が大きくなる(1・2階建てと比較して)
都市部で家を建てる場合、斜線制限と呼ばれる規定によって、一定上の高さに建物を建てられず、該当する箇所を切り取った形になる場合があります。
また、日光や通風を確保するために吹き抜けや勾配天井を利用するケースも多く、耐震性の高いシンプルな形状の住まいから外れてしまうことも考えられます。
木造3階建てを希望しつつ耐震性に不安を感じる場合は、こうしたデメリットへの対策が求められます。
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木造3階建て住宅で耐震性を高める方法
記事の終わりに、木造3階建て住宅で耐震性を高めるための方法を紹介します。
- 現行の基準に基づいて適切に建築する
- 耐震等級3を取得する
- 制震・免震など揺れを抑える対策を導入する
- 耐火性の高い仕様にする(耐火建築物・省令準耐火)
- 構造計算を行い安全性を確認する
現行の基準に基づいて適切に建築する
木造3階建て住宅で安心して暮らすためには、現行の基準に基づいた住まいを選ぶことが大切です。
>参考リンク:木耐協 地震と法律と 81-00(ハチイチゼロゼロ)
建築基準法は過去に2回、大幅な改正が行われています。
1つ目は1981年の新耐震基準への改正、2つ目は2000年の現行耐震基準への改正です。
特に1981年の基準に適合していない旧耐震基準の住宅は大きな地震で倒壊する危険性が高まりますので、購入して住む場合は耐震診断・耐震リフォームを行い、現状の耐震性の確認と最新の基準への適合が求められます。
>関連コラム:新旧耐震基準と2000年基準の違いとは?|耐震性の確認や耐震補強の方法を解説
耐震等級2・3を取得する
木造3階建てで地震に強い住まいにするためには、耐震等級2、または耐震等級3の取得がおすすめです。
耐震等級とは、住宅の耐震性を1・2・3の3段階に分けるもので、耐震等級1でも震度6強から7の地震で倒壊しない強度を期待できます。
さらに耐震等級2は耐震等級1の1.25倍、耐震等級3は1.5倍の耐震性を期待できることから、平屋や2階建てと比べて不利な木造3階建てでも十分な耐震性の住まいになるでしょう。
>関連コラム:【耐震等級とは?】耐震等級を高くすることで得られるメリット・デメリット
制震・免震など揺れを抑える対策を導入する
地震の揺れに耐える「耐震」に加えて、「制震」「免震」といった技術の導入もおすすめです。
制震は地震の揺れを吸収する制震ダンパーを設置するもので、地震で建物が揺れた際にダンパーが作動し地震の揺れを吸収するものです。
免震は建物と基礎の間に設置するもので、地震の揺れが建物に伝わりにくくするものです。
制震・免震技術を導入することで建物に加わる地震の揺れを抑えて、建物が倒壊する確率を減らせるほか、複数回発生する地震にも対応できることから度々発生する余震に対しても強い家になります。
耐火性の高い仕様にする(耐火建築物・省令準耐火)
地震自体に強い家を目指すと同時に、耐火性の高い仕様にすることで地震火災にも強い家を目指しましょう。
地震火災とは、地震によって建物が倒壊したり、家具が倒れたりすることで発生する火災を指します。
対策を取っていなければ、地震火災で自宅が類焼(もらい火)被害を受けたり、他人の家に燃え移る延焼被害をもたらす可能性があります。
一定時間他の建物へ延焼することを防ぐ、耐火建築物や省令準耐火建築物といった仕様の住まいにして、地震から発生する二次災害にも備えましょう。
>関連コラム:地震火災の恐ろしさ|被害を防ぎ減らすために私たちができる行動とは
構造計算を行い安全性を確認する
木造3階建ての耐震性を高めるためには、木造住宅であっても構造計算をすることも効果的です。
本来、全ての建物は構造計算によって耐震性や風圧力の確認をしますが、一般住宅など一定の建築物は「四号特例」と呼ばれる規定で、簡易的な構造の確認で建築の許可が下ります。
実は正式な構造計算の結果、耐震性が不足するケースも見られますので、不安を感じる方は構造計算を依頼することもおすすめです。
まとめ│木造3階建ての不安は対策で解消する
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「木造3階建ては地震に弱い?」
「3階建ては耐震性に不安を感じる…」
こうした疑問を持つ方に向けて、木造3階建てが地震に弱いとされる理由や対策について解説しました。
建築予定地がコンパクトである場合、木造3階建ては建築費用を抑えながら十分な床面積を確保する目的に合う対策です。
一方で地震に対する不安を抱えながら暮らすことになれば、後悔を抱えることになる可能性があります。
紹介した対策も含めて検討して、必要な広さを確保しながら地震にも強い安心の住まいを建てましょう。
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