木造住宅で地震に強い工法はどれ?木造を選択するメリット・デメリットや耐震性を高める7つの方法も解説

木造住宅で地震に強い工法はどれ?木造を選択するメリット・デメリットや耐震性を高める7つの方法も解説

「木造住宅で地震に強い工法はありますか?」
本記事はこうした疑問に回答しています。

一戸建てを建てるとき、RC(鉄筋コンクリート)や鉄骨など複数の選択肢がある中で、温かみが感じられることや、建築費用を抑えられる点など、複数のメリットがあることから木造は選ばれます。

木造住宅の中にも複数の工法があり、それぞれ特徴が異なることから迷う方も多いのではないでしょうか。
どの工法が地震に強いのか、さらに木造住宅の耐震性をさらに高める方法についても解説しますので、地震に強い家を建てたい方はぜひ参考にしてください。

この記事を読んだらわかること

・複数ある木造住宅の工法の特徴が分かる
・木造住宅の耐震性を高めるための方法が分かる

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一戸建てで木造を選ぶメリット・デメリット

一戸建てで木造を選ぶメリット・デメリット

はじめに、一戸建ての住宅を建てる際に木造が主要な選択肢として選ばれるのはどうしてなのか、他の工法と比較した場合のメリット・デメリットを確認しましょう。

木造を選ぶメリット

木造住宅を選択するメリットは、以下の6つです。

  • 天然木特有の風合いや香りが心地よい
  • RCや鉄骨と比較して熱伝導率が低く断熱性を期待できる
  • 建材の単価が安く建築費用を抑えられる
  • 間取り変更の柔軟性が高くリフォームしやすい
  • 地震で揺れ、曲げが生じても元に戻る
  • RCや鉄骨と比較して軽量で揺れづらい家になる

こうしたメリットがあることから、木造は住宅の構造材として利用されています。

木造を選ぶデメリット

一方で木造住宅にはデメリットもありますので紹介します。

  • シロアリの被害に遭いやすく防虫対策が必要
  • 湿気の放出が行われなければ木材が腐食する恐れがある
  • RCや鉄骨と比較して気密性が低くなりがち
  • 接合部(柱と梁を結合する箇所)が弱点になる

木造住宅で地震に強い工法はどれ?

こうした木造住宅の特徴を把握した上で、木造住宅を建てる場合に耐震性を期待できる工法を確認しましょう。

  • 在来軸組工法
  • ツーバイフォー(2✕4)工法
  • 在来軸組とツーバイフォーのハイブリット工法
  • 木造ラーメン構造(SE構造)

在来軸組工法

日本の伝統的な工法:在来軸組工法

>参考リンク:日本住宅・木材技術センター 在来軸組工法住宅と枠組み壁工法住宅

在来軸組工法は日本の伝統的な工法で、柱と梁を組み合わせて主要な骨組みを作った上で、柱・壁の間に斜め方向に筋交いを入れて建築します。

設計の自由度が高く自由に間取りを決められる一方で、工期が長くなることが指摘されます

柱や梁を結びつける接合部に力が加わった際に破断するケースがあったことから、耐震性が低いと指摘されることもあります。

ツーバイフォー(2✕4)工法

ツーバイフォー工法の図解

>参考リンク:日本ツーバイフォー建築協会 ツーバイフォーとは

ツーバイフォー(2✕4)工法は、一定の規格材(2インチ✕4インチ)を使用して構造を形作った上で、外から面材を貼り付けて壁で耐震性を担保する工法です。

面材で力を分散することから、耐震性が高い工法とされています。

在来軸組とツーバイフォーのハイブリット工法

在来軸組工法とツーバイフォー工法、どちらにもメリットがあることから、軸組工法で建てた家に面材を貼り付けた住まいをハイブリッド工法と呼んでいます。

双方のメリットが活かされることから、木造住宅を建てるハウスメーカーの中で地震の強さをアピールする場合に利用される工法です。

木造ラーメン構造(SE構法)

在来軸組工法の弱点となりやすい接合部を、剛接合と呼ばれる方法で緊結して耐震性を高める木造ラーメン構造(SE構法)と呼ばれる構造もあります。

軸組構法では筋交いを、ツーバイフォー工法では耐力壁を入れる必要があることから大きな窓など開口を取りづらい中、木造ラーメン構造は大きな開口や吹き抜けなどの大空間を作りやすいメリットがあります。

一方で建築費用の増加や部材に厚みが出やすい点、施工できる業者が限られる点など、注意が必要なポイントもあります。

木造で住宅を建てる場合は、こうした工法がありますので最適なものを選択しましょう。

木造住宅の耐震性をさらに高める7つの方法

このような種類のある木造住宅。
いずれの方法を選ぶ場合でも、耐震性を高める方法がありますので紹介します。

  • 使用する木の種類を確認する
  • 使用する木の乾燥方法を確認する
  • 建築する場所の地盤を確認する
  • 高い耐震等級を目指す
  • 制震ダンパーで地震の揺れを小さくする
  • 免震装置で地震の揺れを伝えにくくする
  • 他にもある「地震に強い家」にする方法

使用する木の種類を確認する

特性の異なる複数の木材

1つ目は、使用する木材の種類を確認することです。
木材は大きく分けて無垢材と集成材に分けられます。

無垢材は木から切り出した丸太を乾燥させ、そのまま木材として使用するもの。集成材は細かく切り出した木材を接着剤で整形して切り出したものです。

無垢材は法隆寺に代表されるように長期耐久性が期待できる一方で、反りや割れ、節が見られて一定の品質を求めることが難しい特徴があります。
一方で集成材は裁断した木材を張り合わせて作ることから、一定品質の木材を手に入れやすい点が魅力的です。

こうした違いのほか、スギとヒノキなど、樹種によっても特徴は変わりますので、意識して耐震性の高い素材を選択しましょう。

使用する木の乾燥方法を確認する

木材の乾燥収縮で発生する隙間

>参考リンク:福岡県木材協同組合連合会 木のQ&A

2つ目は、使用する木材の乾燥方法を確認することです。
無垢材を使用する場合、木材に含まれる水分や乾燥方法によって強度が変わります。

たとえば、含水率が高いままの木材を使用して家を建てた場合、上の図のように乾燥収縮によって隙間が生まれ、地震を受けた際に揺れ・破損につながるでしょう。

また、乾燥の方法についても、主に「AD材」「KD材」へと分類されていて、AD材はAir Dryの略で自然乾燥を、KD材はKiln Dryの略で機械による強制的な乾燥を指します。

無垢材・集成材・AD材・KD材など木の乾燥方法・製造方法を意識することも耐震性の高い住まいを建てる方法といえるでしょう。

建築する場所の地盤を確認する

地盤による揺れの増幅率(東京都)

>参考リンク:東京都 地震に関する地域危険度測定調査

3つ目は、建築予定地の地盤を確認することです。
上の図は、東京都を地盤によって分類したもので、主に「山地・丘陵・台地」「谷底低地」「沖積低地」の3つに分かれています。

硬質に固結した「山地・丘陵・台地」は揺れが増幅されづらく、逆に「沖積低地」など堆積物によって形成されている新しい層は揺れが増幅されやすいと評価されています。

建築予定地に制限がない場合は、山地~台地エリアなど揺れの増幅率が低い地域を選択することをおすすめします。

>関連コラム:『軟弱地盤とは?』定義・マップでの確認方法を紹介│対策・改良工法も解説

高い耐震等級を目指す

4つ目は、高い耐震等級を目指すことです。
耐震等級とは、地震に対する建物の耐震性を評価するもので、1~3の3段階が設定されています。

耐震等級1・2・3の図解

>参考リンク:住宅性能評価・表示協会 パンフレット

建築基準法を満たす新しい建物を建てる場合、耐震等級1(震度6強=7で倒壊しない強度)を満たすことになりますが、耐震等級2(耐震等級1の1.25倍)や耐震等級3(耐震等級1の1.5倍)を取得することで、さらに地震に強い家を実現できます。

>関連コラム:耐震等級はどうやって決められているの?|耐震性能を高めるためのポイントを解説します

制震ダンパーで地震の揺れを小さくする

5つ目は、制震ダンパーを設置し地震の揺れを小さくすることです。

制震ダンパーとは、柱や梁など木造住宅の接合部に設置することで、地震が発生した場合に揺れを吸収、熱など他のエネルギーに変換して家の揺れを抑える装置です。

制震ダンパーの設置事例

>制震ダンパー施工事例(国分土地建物株式会社様・T様邸【千葉県】)

装置を計算で求められた箇所に取り付けるだけのシンプルな施工で設置できますので、新築で利用する場合に加えてリフォームで設置する場合にもおすすめです。

木造住宅で地震に強い家を建てる場合は、費用を抑えつつ複数回発生する地震にも対応できる方法「制震ダンパー」の設置がおすすめです。

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免震装置で地震の揺れを伝えにくくする

6つ目は、免震装置を取り付ける方法です。

免震装置は基礎と建物本体の間に取り付ける装置で、地震が起きた場合に建物に揺れを伝えにくくする技術です。
高い効果を見込める一方で、設置やメンテナンスに対して費用が高額になる恐れがあります。

>関連コラム:免震とは?特徴やメリットデメリットを詳しく説明|戸建住宅への向き不向き

他にもある「地震に強い家」にする方法

7つ目は、以下のような設計の段階で取り組める様々な方法を実践することです。

  • 正方形に近い形にする
  • オーバーハング形状を避ける
  • 耐力壁の位置を合わせる

そのほか、様々な「地震に強い家にする方法」がありますので、新築やリフォームの際は以下のコラムを参考にしてみましょう。

>関連コラム:【地震に強い家の特徴10選】揺れても安心の住まいを手に入れよう

まとめ│耐震性の高い木造住宅を建てる

制震ダンパーの施工事例(千葉県)

>制震ダンパー施工事例(株式会社木の国工房様・S様邸)

「新築で木造住宅を選択した場合に、地震に強い工法は?」
こうした疑問に対して、木造住宅の工法の特徴や、地震に強い建物にするための工夫について解説しました。

木造住宅は、主に以下の4つの工法があります。

  • 在来軸組工法
  • ツーバイフォー(2✕4)工法
  • 在来軸組とツーバイフォーのハイブリット工法
  • 木造ラーメン構造(SE構造)

実はいずれの工法も、現在の建築基準法に適合するように建てた場合、同程度(建築基準法・耐震等級1の場合、震度6~7クラスの地震で倒壊しない強度)の耐震性を期待できます

このためリフォームのしやすさや大開口の可否など、土地や目標とする建物のデザインに合わせて工法を選択することが重要です。

その上で、記事の後半で紹介した、地震に強い建物を建てるための工夫を凝らして、高い耐震性を持つ住まいを実現しましょう。

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監修者情報

株式会社トキワシステム

株式会社トキワシステム

制震ダンパー・地震対策の情報について発信しています。
トキワシステムが提供する制震ダンパー『αダンパーExⅡ』は、地震から建物を守り、住まいの安心と安全をご提供いたします。

保有資格
・二級建築士
・フォークリフト運転技能者
・木材加工用機械作業主任者
・第二種電気工事士

受賞歴
・GOOD DESIGN AWARD 2021