『大地震における死因の割合』について解説│死因から分かる効果的な地震対策とは?
大きな地震が発生したあと、被災状況の報告を見てどういった死因の割合で被害があったのか確認することが重要です。
死因を確認することで、これからどのような地震対策を行うべきなのか検討できるからです。
そこで本記事では、過去に発生した大きな地震の被災状況報告から死因について確認、地震のときに命を守る家づくりをする方法を解説します。
関東大震災以降に発生した大地震での死因を確認し、効果的な地震対策につなげましょう。
・過去発生した大きな地震における死因を確認できます。
・死因を確認することで、地震時に亡くなる方を減らすための具体的な対策が分かります。
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目次
過去の地震における主な死因とは?
今回は1923年に発生した関東大震災以降、2024年に発生した能登半島地震まで、以下の5つの地震について解説します。
- 1923年 関東大震災:87.1% 火災
- 1995年 阪神・淡路大震災:83.3% 建物倒壊
- 2011年 東日本大震災:90.6% 溺死
- 2016年 熊本地震:76.0% 建物倒壊
- 2024年 能登半島地震:90.5% 建物倒壊
1923年 関東大震災:87.1% 火災
はじめに紹介するのは、1923年に発生した関東大震災です。 関東大震災における死因については、内閣府が以下の資料を公表しています。
関東大震災の死者・行方不明者数は10万5385名です。
このうち、死因の割合として最も多かったのは「火災 87.1%」です。
続いて「家屋全潰 10.5%」「工場等の被害 1.4%」「流失埋没 1.0%」と続きます。
関東大震災は、発生時刻が昼食の時間であったこと、現在のように不燃化が進んでいない建物が多かったことなどから、火災が発生した際に大型化しやすい条件が揃っていました。
火が上昇気流を引き起こすことで起こる火災旋風が発生したとも言われていて、火災による被害が大きかったことが予想できます。
>関連コラム 関東大震災はいつ起こった?|その経験を首都直下型地震に活かす方法とは
1995年 阪神・淡路大震災:83.3% 建物倒壊
続いて紹介するのは、1995年に発生した、阪神・淡路大震災です。
阪神・淡路大震災の死者数は6434名です。
このうち、死因の割合として最も多かったのは「建物倒壊 83.3%」です。
建物倒壊による被害が拡大した理由として、1981年以前に建てられた「旧耐震基準」の家が多かったことが指摘されています。
>参考リンク:国土交通省 大規模地震による建築物等に係る被害について
実際に地震後に建築年別の建物の被害状況を調査した結果を見ると、昭和56年以前と以降で被害状況に差が出ていることが分かります。
現在のお住まいが現行の耐震基準に適合していない場合は、適合するように耐震リフォームを行うことが効果的といえるでしょう。
>関連コラム 耐震基準はいつ改正されたの?「旧耐震基準」と「新耐震基準」の違いとは?
2011年 東日本大震災:90.6% 溺死
続いて紹介するのは、2011年に発生した、東日本大震災です。
東日本大震災の死者数は1万8131人です。
このうち、死因の割合として最も多かったのは「溺死 90.6%」です。
東日本大震災では仙台平野など、地域によっては海岸線から5kmも内陸まで浸水していることが分かっています。
非常に広範囲に渡って津波が押し寄せたことから、溺死による死者が多くなったことが予想されます。
被災後の写真を見て分かるとおり、建物は土台や基礎ごと流出していて、一定以上の津波の被災を受ける場合、建物の築年数や構造は関係がないようです。
ハザードマップを確認したうえで、津波の被害に遭う可能性がある地域を把握、津波がきても被害を抑えられる工夫や万が一の際に逃げられる体制づくりが重要といえるでしょう。
2016年 熊本地震:76.0% 建物倒壊
続いて、近年発生した地震として2016年の熊本地震について紹介します。
>参考リンク:学会誌 自然災害科学 平成28年熊本地震による人的被害の特徴
熊本地震による直接的な死者数は50人で、死因の割合として最も多かったのは「建物の倒壊 76.0%」です。
熊本地震では、震度7を2回観測している益城町での死者数が最も多く、近隣の南阿蘇村や熊本市、西原村でも死者数が多くなっています。
火災や津波などの危険性が低い地域では、自宅の耐震性を高めて倒壊を防ぐことが命を守るために効果的であるといえます。
また、熊本地震では、地震による直接的な被害よりも、災害による負傷の悪化や避難生活での身体的負担を原因とする疾病による「災害関連死」が多いことが知られています。
直接的な被害による死者数が50人である一方、平成31年時点で220人が災害関連死として認定されています。
地震によって自宅が倒壊することを防ぐとともに、地震後に自宅に戻り早期に生活を再建できるように「被害を抑える工夫」も重要であることが分かります。
制震装置内部で地震の揺れを熱など、異なるエネルギーに変換する制震を導入することで建物の被害を大幅に抑えられます。
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2024年 能登半島地震:90.5% 建物倒壊
最後に、2024年に発生した能登半島地震について紹介します。
能登半島地震では1月30日時点で222人が亡くなったと報じられています。
>参考リンク:NHK 能登半島地震 死因は「圧死」約4割 「低体温症」や「凍死」も
死因として最も多い原因は圧死ですが、建物の下敷きになってからの死因として窒息・呼吸不全、低体温症・凍死、外傷性ショック等も含めますと、約9割の方が建物の倒壊で亡くなっています。
建物の倒壊が多かった原因として、1981年以前の旧耐震基準で建てられた住まいが多いことが指摘されています。
全国的には9割近くになる新耐震基準の住まい。
家屋の倒壊被害多かった輪島市や珠洲市では5割ほどに留まります。
阪神・淡路大震災と同様に、新しい耐震基準に合致した家を建てる、リフォームすることが、建物の倒壊によって亡くなる方を減らすために効果的といえるでしょう。
>関連コラム 古い住宅の耐震性を知るには築年数が目安になる~耐震基準を知るには~
効果的な地震対策とは?
ここまで、大きな地震における主な死因について確認しました。
近年発生した地震においては「建物の倒壊」で亡くなられる方が多く、また東日本大震災では大規模な「津波」が発生したことで死者数が大幅に増えています。
関東大震災以後、火災による死者数は少なくなっていますが、たとえば東京直下地震など建物が密集している地域で地震が起きた場合は「火災」への対策も必要になります。
具体的にどういった対策を取れるのか確認しましょう。
(1)建物の倒壊を防ぐ
>関連コラム 結局「耐震・免震・制震」のどれがいいの?効果的な組み合わせの解説と実例を紹介
建物の倒壊を防ぐためには、住まいの耐震性を確保することが大切です。
具体的には「耐震・制震・免震」といった手段を利用して、地震が起きても倒れない、地震の揺れが建物に伝わらなくする工夫が有効です。
(2)津波被害を受けづらい場所に建てる
地震によって発生する津波を受けづらい場所に家を建てることも重要です。
多くの自治体ではハザードマップが整備されていて、想定される最大の震度で発生する津波の到達範囲が示されています。
範囲外に土地を求めたり、範囲に入っている場合でも1階部分をピロティにしたり2階リビングにするなどして、津波による被害を最小限に留める対策を考えましょう。
>関連コラム 地震の後に津波が来たらどうする?国の対策や避難方法を知っておこう
(3)地震火災の延焼被害を出さない・受けない
地震発生後は延焼被害を出さない・受けないための対策も必要です。
家が大きく揺れた場合、電気やガスの不具合やヒーターなど暖房器具の転倒によって火災が発生する場合があります。
転倒時に電源が切れる製品など火災対策が取られた製品を選択して、火災を起こさないための行動を取りましょう。
>関連コラム 地震火災の恐ろしさ|被害を防ぎ減らすために私たちができる行動とは
また、制震・免震装置の導入で家の揺れを抑えることも、暖房器具の転倒対策として有効です。
まとめ│建物の倒壊を防ぐことを第一に
大きな地震が発生したときの死因、および割合について確認しました。
地震が発生した際、最も警戒するべきは建物の倒壊です。 防災訓練を実施していても、防災グッズを準備していても、建物が倒壊してしまえば命を失う危険性が高くなります。
また、地震の後に発生する火災や津波も多くの人命が失われる原因になることも分かりました。 倒壊・火災・津波といった事柄について対策を取り、地震の発生時に命を守れるようにしましょう。
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