水槽の【地震対策】をわかりやすく解説|室内を地震から守り安全に
地震大国である日本において、地震への対策は欠かせません。
そんな中、意外と見落としがちなのが『水槽』の地震対策です。
水槽は多くの場合でガラス・水・電気を使用しており重量もあるため、飼っている魚や水槽周りへの影響を考えると、地震対策を必ず行っておきたい個所です。
そこで今回の記事では水槽の地震対策について、わかりやすく解説します。
・家の中にある水槽へどのような地震対策を行えばよいかがわかります。
・実際に地震が起きた時の水槽への対応についてもお伝えします。
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目次
地震が起きると水槽はどうなるの?
上の図は、気象庁による「気象庁震度階級関連解説表」です。
震度ごとに揺れによってどんな現象が起こるか、どのくらいの被害が起きるかといった目安が示されています。
これによると震度4の段階で「電灯などの吊り下げ物は大きく揺れる」「座りの悪い置物が倒れることがある」といった現象や物的被害が予測されています。
これには水槽への被害がどの階級から起きるのかの目安は書かれていませんが、水槽にも大きな影響があることが予測されます。
では地震が起きると水槽はどうなるのでしょうか。
>関連コラム 震度5弱・震度5強の揺れや被害はどれくらい?内容を知って適切な対策を
水槽から水があふれる
一番多く考えられるのが、地震の揺れによって水槽の中の水があふれ出て、床が水浸しになるリスクです。
ひどい場合は周囲が水浸しになることも。
たくさんも水があふれ出てしまった場合、魚も一緒にあふれ出てしまう恐れもあります。
水槽が落下する
地震の揺れによって、水槽が落下する恐れもあります。
多くの水槽はガラス製で水槽自体も重いうえ、水がたくさん入っているためとても重くなっています。
もちろん水槽の大きさにもよりますが、このように重い水槽が落下した場合、大怪我を負ってしまいかねません。
割れたカラスの破片で怪我をする可能性も出てきます。
水槽が割れる
繰り返しになりますが、多くの水槽はガラス製です。
水槽が落下しないまでも、中には設置場所に置かれたまま水槽のガラスにひびが入ったり割れてしまった例もあります。
特に水槽の中に石などを組んでいる場合、揺れによって意思がガラスの内側に衝突し、割れる危険性が高くなります。
水槽台が破損する
水槽自体が無事であっても、水槽を置いている水槽台が破損して水槽の落下につながるケースもあります。
ステンレスやパイプなどの組み立て式の棚を水槽台にしている場合は、地震の揺れによって継ぎ目が外れてしまう恐れがあり、自作の水槽台などでは強度が不安定で葉損につながる恐れがあります。
上記外の水槽台でも、ただでさえ重い水槽を支えているうえに地震によってさらに負荷がかかると、水槽台が破損するリスクが高まってしまいます。
電気機器へ影響が及ぶ
地震によって水槽周りの電気機器への影響も考えられます。
ほとんどの水槽で、エアポンプなど電源を使った装置を導入していることでしょう。
地震によってそれらの電源が落ちたまま復旧できなければ、魚へも影響が出てきます。
また、装置の電源や、水槽を置いている周辺に電源の差し込みやタップがある場合、あふれた水がかかって発火したり、場合によっては感電するリスクもでてきてとても危険です。
水槽の地震対策は9つ
このように地震が起きた場合、魚への影響はもちろん、水槽周辺の室内や人間へも被害や危険が及ぶ可能性がおおいにあります。
したがって、水槽にもあらかじめ地震対策を施しておく必要があるというわけです。
水槽の地震対策には、次の9つがあります。
水槽の地震対策① 地震により強い水槽を選ぶ
水槽にはガラス製のものとアクリル製のものがあります。
通常は魚用のヒーターが使用できたり、傷がつきにくかったり、一般的なサイズのアクリル製水槽は種類が少なく割高であったりといった点から、ガラス製の水槽を選ぶ人が大多数を占めます。
しかし地震対策という観点から見ると、万能ではないものの割れにくいアクリル製の水槽の方がより地震に強いと言えます。
また、ガラス製の水槽の中でも、最近人気が高い「フレームレス水槽」は見た目がスマートでおしゃれですが、通常のガラス製水槽よりも強度は劣るということも覚えておくとよいでしょう。
また、後でも水槽の地震対策のひとつとしてご説明しますが、ほとんどのアクリル製の水槽にはフランジと呼ばれる縁がついています。
その縁によって、地震の揺れによって水があふれるのも軽減してくれます。
とはいえヒーターの使用などのためガラス製の水槽を使用している人が多いのが現状です。
アクリル製に変えられない場合は、次項からお伝えするそのほかの対策を万全に行っておくとよいでしょう。
水槽の地震対策② 水槽に蓋・フランジを取り付ける
槽に蓋を取り付けておくと、揺れによって水があふれ出るのを最小限に抑えることができます。
先ほどお伝えしたフランジと呼ばれる水槽の縁と組み合わせて取り付けるのもよいでしょう。
蓋やフランジは後付けできるタイプも売られているので、サイズに合うものを探して取り付けておくことをおすすめします。
記事後半の実際に地震が起きてしまった時の対策でもお伝えしますが、繰り返し起こる地震に備える場合など応急処置的に水があふれるのを防止するには、ラップを巻いておくという方法もあります。
水槽の地震対策③ 水を入れすぎない(水位)
もっともすぐにできる水槽の地震対策は、普段から水槽に水を入れすぎないようにしておくことです。
見た目的には水位が高いほうが美しいですが、一般的に水槽の上部から5cmくらい↓までの水位にしておくことで、震度4レベルの地震までであれば水があふれにくいと言われています。
水槽の地震対策④ 水槽内で石が崩れるレイアウトを避ける
地震が起きた時のリスクのひとつとして、水槽内に石を組んでいると石が内側にあたってガラスが割れるというケースをお伝えしました。
破損の原因になりそうな大きめな石は、地震対策の視点からみると使用しないほうが安全と言えます。
一方で水槽の中で魚が居心地よくいるために、また、近年のアクアリウムの流行から水槽内のレイアウトを楽しみたい人が増えていることから、石を入れるケースも多いでしょう。
その場合は、水槽内で石が崩れるような組んだレイアウトを避けるか、石同士を専用の接着剤で固定して設置しておくとよいでしょう。
水槽の地震対策⑤ 水槽と台を固定または滑り防止対策をする
水槽を水槽台へ固定すると、水槽の落下を防ぐことができます。
水槽と水槽台を固定する方法としては、専用の耐震バンドのほか、強力な両面テープでも効果が期待できます。
固定が難しい場合は、水槽と台の間に滑り止め用のマットや耐震ジェルなどを敷いて、地震の揺れによって水槽が台から滑り落ちるのを防止しましょう。
最近は滑り止め用のクッションマットが水槽に付属していることも多いです。
水槽を設置する際に固定しない場合は、必ず何らかの滑り止め材を敷いておきましょう。
水槽の地震対策⑥ 台を壁や床と固定する
水槽台を壁や床と固定してくのも、水槽の落下防止に効果があります。
お店や病院などにおいてある大型の水槽の場合、基本的にアンカーと呼ばれるL字型の固定金具で水槽台と床が固定されています。
自宅でも可能であれば固定しておくと安心です。
アンカーが難しい場合は、先ほどご紹介した耐震バンドなどでも対応できます。
水槽台の固定は、通常の家具の固定方法もご参考にしてください。
>関連コラム 家具(食器棚・本棚・タンス)への【地震対策】をわかりやすく解説
水槽の地震対策⑦ 水槽同士をくっつけて置かない
複数の水槽を並べて設置している場合、水槽同士をくっつけてしまうのではなく、水槽の周り(前後左右)にある程度の隙間を設けて置きましょう。
水槽同士を密着させて置いてしまうと、地震の揺れを受けたときに揺れの逃げ場がなくなったり、水槽同士がぶつかり合って破損の原因となります。
必ず少しでも距離をとって置くようにしましょう。
水槽の地震対策⑧ 水槽の周囲に危険物を置かない
水槽自体が落下したり破損しなくても、水槽の周りに落下の可能性がるものや転倒する可能性のあるものを置いていると、それらが水槽に当たって破損する可能性があります。
置くタイプの間接照明や背の高い観葉植物、水槽上部への飾り棚やその棚への飾り物など、倒れやすいものや重いものは置かないようにしましょう。
水槽の地震対策⑨ 電源の位置にも注意
水槽で使う装置や機器の電源の位置にも注意しなければなりません。
なぜなら地震の揺れで水があふれたり落下して濡れた場合、電源へ水がかかってショートしたり、発火の恐れがあるためです。
また、濡れた電源に人が触れて感電してしまうリスクも考えられます。
水槽周りでは通常電源タップを用意していくつかの電源を使用しているケースが多いですが、電源タップは床や水槽台の上(水槽のヨコヤ後ろなど)に置いておくのではなく、水槽台の内側等へ取り付けるなど、万が一の時に水がかからない位置へ工夫して設置しましょう。
実際に地震が起きたら水槽はどうするの?
では実際に地震が起きてしまったらどのような行動をとればよいのでしょうか。
基本として、まずは人間の命の安全確保を最優先した行動をとらなければなりません。
水槽が落下してくる恐れがあるため、水槽からは離れましょう。
間違っても水槽を手で支えに行くなどは、行わないようにしましょう。
揺れが収まってから行動する
水槽への対応は、揺れが完全に収まってから行動しましょう。
こちらも地震が起きた時の初動の基本と同じです。
>関連コラム 地震が起きたときに取るべき行動とは?正しく把握して安全に避難しよう
停電している場合はブレーカーを落とす
地震後に停電が起きている場合は通電火災の発生を避けるため、ブレーカーを落とします。
通電火災とは「停電から電気が復旧し再通電した際に発生する火災」のことで、万が一電源やコードや機材が破損している場合、停電から復旧した際にブレーカーを落としていなければ、発火して火災が発生する恐れがあります。
水槽周りの電源・機器を確認
停電していない場合でも、水槽周りの電源や機器が水で濡れていないか、破損がないか等を確認します。
もしも水で濡れていた場合は、機器の使用を停止し、先ほどと同様にブレーカを落としてから、電源プラグを抜いて完全に乾かします。
もしもコンセントや電源タップが黒く焦げてしまっていたら、感電や発火するリスクが非常に高くなり危険なので、地震が落ち着いてから電気屋や電気工事会社に見てもらいましょう。
水を減らしてその後の地震に備える
地震は立て続けに起こるケースがあります。
特に規模が比較的大きい地震の場合、繰り返し地震が起きることは珍しくありません。
その後の地震に備えて、地震が起きた時の水位より2割~3割程度水位が下がるように水を減らしましょう。
水槽に蓋をする
実際に地震が起きた時に水槽に蓋やフランジがない場合、水槽に蓋の代わりになるものをしておくと、その後の地震に備えることができます。
応急処置としてはラップを巻く方法が、ぴったりと蓋ができ、蓋が割れる可能性もないのでおすすめです。
まとめ
今回は家にある「水槽」の地震対策について、地震対策や実際に地震が起きた時に取るべき行動についてお伝えしました。
大切な魚たちをまもるためにも、そして家の中で過ごすご自身や家族の安全を守るためにも、地震による水槽への被害を最小限にするためにあらかじめ対策を行っておくことをおすすめします。
また、実際に地震が起きてしまった場合、慌てずにまずは人命を最優先とし、水槽から離れ安全を確保しましょう。
そして完全に揺れが収まってから各行動をとるようにしてください。
建物の揺れの低減に「制震ダンパー」の設置も有効
水槽に地震対策ももちろん大切ですが、揺れ自体を低減できればより安全性が高くなりますよね。
建物の揺れ自体を低減するには、「制震ダンパー」と呼ばれる制震装置の設置も有効です。
「制震」とは家などの建物に制震ダンパーを設置することで、建物が地震の揺れエネルギーを吸収して抑制する技術のことです。
建物の揺れが低減して建物損傷の軽減につながり、大規模な地震や繰り返しの地震に対して特に効果を発揮するという特徴があります。
制震の技術は「耐震」との相性が非常によく、制震が耐震の弱点を補いつつ相乗効果を発揮するため、近年は「耐震+制震」を採用しているハウスメーカーや工務店等が増えています。
制震ダンパーは新築の住宅だけでなく、製品によっては既存住宅にも設置が可能なものもあります。(弊社の制震ダンパー「αダンパーExⅡ」は新築・既存を問わず設置が可能となっています。)
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トキワシステムの制震ダンパー「αダンパーExⅡ」とは?
トキワシステムの制震装置「αダンパーExⅡ」は特殊オイルを用いたオイルダンパーと言われるものです。
「αダンパーExⅡ」は東京工業大学・静岡大学・豊田工業高等専門学校・岐阜県立森林文化アカデミーなどの数多くの学術研究機関による性能試験をクリアし、その確かな性能が認められています。
制震ダンパー「αダンパーExⅡ」の特徴を簡単にまとめました。
- 建物の変形を約1/2に低減し、建物の損傷を大幅に軽減する高い性能
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- 120年の製品保証とメンテナンスフリーの実現による耐久性の高さ
- コストパフォーマンスの高さ
- さまざまな研究機関などで実施した実証実験による信頼性
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続いて、次の実証実験結果をご覧ください。
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小さな揺れでも効果を発揮するのが特徴で、地震の揺れを吸収して、繰り返しの地震からも建物を守ります。
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