工務店ブランディングの第一歩「SWOT分析」についてわかりやすく解説
マイホームやリフォーム・リノベーションをお考えのお客様は、いくつかの工務店やハウスメーカーと比較検討するケースがほとんどです。
このような中で競合他社と差別化を図る手段として、工務店も自社の「ブランディング」を行うことが重要になってきています。
ブランディングの手法はいくつかありますが、まず行うのが現状分析であり、現状分析でよく用いられるのが「SWOT分析」という方法です。
今回は工務店のブランディングについて、ブランディングの必要性やメリットを解説するとともに、工務店のブランディングの第一歩ともいえる「SWOT分析」についてブランディングへの役立たせ方や進め方を解説します。
・そもそもブランディングとは何か、なぜ工務店でも必要なのかについて確認します。
・工務店のブランディングの第一歩であるSWOT分析について、目的や進め方を解説します。
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目次
ブランディングとは
はじめにブランディングとは何かを確認しておきたいと思います。
ブランディングとは |
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顧客に自社への共通イメージを持ってもらい、自社の価値や競争優位性の向上を目的とした活動 ↓自社の商品やサービスの独自性を明確にして価値を高め、顧客の共感を得ながら、他社との差別化を図る |
ブランディングとは簡単に言うと、お客様から自社に対して共通したイメージを持ってもらえるようにし、競合よりも自社が選ばれるようにするためのマーケティング活動です。
たとえば「星野リゾート」と聞くと「優雅で上質な非日常を味わえるホテルや旅館」といったイメージを、「GU」と聞くと「流行りの服をお手頃価格で買えるショップ」というイメージを思い浮かべるのではないでしょうか。
このようにブランディングでは自社の商品やサービスの強みやメリットなどといった独自性や特徴をわかりやすく明確にし、対象となるお客様の共感を得ながら、自社の価値を高めて競合他社と差別化を図ります。
なぜ工務店でブランディングが大切なのか?
全項で例としてお伝えしたように、「ブランディングは大手企業がするものでは?」といったイメージがあるかもしれません。
では、地域に密着している中小企業の多い工務店において、なぜブランディングが大切なのでしょうか。
ブランディングを始める前に、まずはその理由とブランディングによるメリットを確認しておきましょう。
工務店でもブランディングが大切な理由
工務店でブランディングが大切な理由は、数ある競合他社の中から「この工務店でマイホームを建てたい!」「この工務店でリフォームしたい!」と選んでもらうためです。
特に近年はスマホひとつで簡単に様々な工務店やハウスメーカーの情報を得て比較することができるだけでなく、お客様が求めるニーズも多様化しています。
このような状況の中で、お客様から選ばれるための施策は必須と言えます。
ブランディングを行うことでその工務店のカラーや得意とすることが明確になり、お客様から選ばれやすくなるというわけです。
工務店のブランディングによるメリット
工務店のブランディングによって得られるメリットには、どのようなことがあるのでしょうか。
具体的に次のようなメリットが得られます。
- 販促効果の向上
- 顧客からの愛着の獲得
- 価格競争の回避
- 社内のモチベーションの向上
- 優秀な人材確保にもつながる
ブランディングに成功すると、自社のブランド力が高まる=信用度も高まります。
それに伴って、やみくもに宣伝するよりも販促効果が高まり、顧客からの愛着も得られるようになります。
独自の価値が高まることで、価格競争に巻き込まれることもある程度回避することが可能です。
また、自社のブランド力が高まることで社員の帰属意識も高まり、社内にも良い影響をもたらします。
さらには採用活動にも影響が及び、優秀な人材を確保しやすくなるというメリットにもつながるのです。
このように地域に密着している工務店だからこそ、ブランディングが大きな意味と効果をもたらすと言えます。
工務店ブランディングの第一歩「SWOT分析」とは
工務店をブランディングしていくためには、大きく分けて次の3つが大切な要素となります。
- 現状分析(自社の特徴・市場・ターゲット層・競合他社など)
- 目標値の設定
- 戦略の立案
まずは自社の特徴や市場状況など現状分析を実施して自社の強みや弱みを明確にし、差別化できる点を見つけます。
そしてターゲット層の設定や競合他社などを把握したうえで、自社が他の工務店などより優位に立てるポイントや独自性を探り、ブランドイメージの確立へ向けて戦略を考えたり、目標やビジョンを設定します。
あとは日々の取り組みを積み重ねていく中で、認知度やブランドイメージの定着、信用度が積み上げられていくというわけです。
そこで活用できるのが「SWOT分析」です。
SWOT分析とは、自社の現状を把握するために自社の内部環境と外部環境を整理して分析する手法で、次の4つの要素から分析します。
- 強み (Strengths)
- 弱み (Weaknesses)
- 機会 (Opportunities)
- 脅威 (Threats)
これらの頭文字からSWOT分析と呼ばれています。
SWOT分析は工務店だけでなく、さまざまな分野のブランディングや経営戦略を立てる際に用いられている手法です。
SWOT分析のブランディングへの役立て方
SWOT分析を行うことで、自社の状況を正しく把握することができます。
したがって正しくSWOT分析を行って得られた自社の現状がこうであるという結果を、目標達成のための経営戦略やマーケティング戦略、事業計画の立案に役立てることが可能です。
たとえば同じWeb集客の計画を立てる場合においても、最も効果の出やすい方法や内容を見つけやすくなったり、チラシ広告を打つ場合にも、デザイン等を含めてどのような訴求の仕方がターゲット層に届きやすいかも見えてきます。
また、SWOT分析をすることで新しいビジネスチャンスを発見できたり、働いている社員一人ひとりのモチベーションの向上や目標設定へも活用することができます。
SWOT分析の進め方
SWOT分析は次の手順で進めていきます。
- 目的・目標の設定
- 内部環境の分析(洗い出し)
- 外部環境の分析(洗い出し)
- クロスSWOT分析の実施
まずは目的を明確にし、外部環境と内部環境を洗い出して現状を分析します。
また、最後に「クロスSWOT分析」を行うことで戦略につなげていきます。
それぞれの具体的な内容は次の通りです。
目的・目標の設定
SWOT分析では、はじめに目的や目標を明確にしておくことでより具体的に戦略や施策に落とし込むことができます。
逆に言うと、目的や目標があやふやな状態で分析を行っても、最大限の効果が得られにくくなります。
したがって、まずは「何のために分析を行うのか」という目的を明確に設定しておくことが大切です。
SWOT分析を行う際の目的は各工務店によってもちろん異なるでしょう。
よくある例としては次のような目的が用いられています。
- 受注件数を増やす
- 受注単価を上げる
- 新商品を展開する
- 新サービスを展開する
目的や目標が設定できたら、分析を行うメンバー間で共有しておきましょう。
なお、分析の際は参加メンバーの立場等に左右されることなく、まんべんなく意見を拾うことが正しい分析や新しい切り口の発見につながります。
外部環境の分析
目的・目標が定まったらいよいよ分析を始めます。
分析は、自社の強みや弱みといった「内部環境」と、機会や脅威といった「外部環境」の2面から行います。
まずは外部環境の分析から行いましょう。
外部環境は自社ではコントロールしづらい外的要因であるため、先に外部環境の分析から取り組んだ方が内部環境を分析しやすくなるためです。
外部環境には「プラス要素」と「マイナス要素」があります。
- 外部環境のプラス要素:機会(Opportunities)
- 外部環境のマイナス要素:脅威 (Threats)
外部環境を分析する際に用いられるフレームワーク(考え方の枠組み)では、次の3つが代表的です。
【PEST分析】 ■政治(Politics) ■経済(Economy) ■社会(Society) ■技術(Technology) |
【3C分析】 ■市場・顧客(Customer) ■競合(Competitor) ■自社(Company) |
【5F分析】 ■既存競合他社 ■新規参入者 ■代替品の存在 ■売り手(サプライヤー)の交渉 ■買い手(顧客)の交渉力 |
■外部環境のプラス要素「機会」(Opportunities)
外部環境のうち「機会」は、自社の商品やサービスにとって有利に働くような、自社にとって好影響を与えるプラス要素です。
工務店における「機会」の例としては、以下のような内容が挙げられます。
- 政府による支援・助成事業(地域型住宅グリーン化事業、長期優良住宅化リフォーム推進事業、など)
- 税制優遇(住宅ローン減税の緩和、など)
- 競合店の撤退による地域ライバルの減少
- オンラインによるコミュニケーションツールの普及
- ニーズの増加(新築、リフォーム)
自社にとっての「機会」をじっくりと分析してみましょう。
■外部環境のマイナス要素「脅威」(Threats)
外部環境のうち「脅威」は、自社にとって悪影響を与えるようなマイナス要素です。
工務店における「脅威」の例としては、以下のような内容が挙げられます。
- 新型コロナウィルスの流行による来店数・対面会話の減少
- ウッドショックによる木材の高騰
- 材料費の高騰による価格上昇
外務環境の分析では、同じ事柄でも視点を変えることで「機会」か「脅威」かが変わることがあります。
たとえば新型コロナウィルスによって来店数や対面して話をすることが減少したのは脅威ですが、zoomやその他のツールを使ってオンラインでもコミュニケーションを取れたり、内見会の実施も可能になったことは機会といえます。
ぜひ多方面から分析を行ってみてください。
内部環境の分析
続いて内部環境を分析していきましょう。
内部環境にも「プラス要素」と「マイナス要素」があります。
- 内部環境のプラス要素:強み (Strengths)
- 内部環境のマイナス要素:弱み(Weaknesses)
内部環境を分析する際に用いられるフレームワークでは、次の2つが代表的です。
【4C分析】(顧客側の視点がベース) ■顧客価値(Customer) ■コスト(Cost) ■利便性(Convenience) ■コミュニケーション(Communication) |
【4P分析】(企業側の視点がベース) ■商品・サービス(Product) ■価格(Price) ■流通チャネル(Place) ■販促活動(Promotion) |
■内部環境のプラス要素「強み」(Strengths)
内部環境のうち「強み」は、その名の通り自社にとって好影響を与えるプラス要素です。
工務店における「強み」の例としては、以下のような内容が挙げられます。
- 自然素材を用いた家に定評がある
- デザイン性に高い評価を得ている
- 住宅性能に自信がある
- 地域において自社の認知度が高い
上記は一例ですが、「強み」を分析する際はなるべく主観的な見方を避け、4C分析や4P分析などのフレームワークを用いたり、外部環境の分析結果も参照しながら行うと見つけやすくなります。
また、「強み」と「機会」を混同しないように注意しましょう。
■内部環境のマイナス要素「弱み」(Weaknesses)
内部環境のうち「弱み」は、自社にとって悪影響を与えることが考えられるマイナス要素です。
工務店における「弱み」の例としては、以下のような内容が挙げられます。
- 自社の知名度が低い
- 価格が高い
- WebやSNSでの発信力が低い
こちらも一例ですが、「弱み」は自社内にある課題を拾っていくと分析しやすいです。
強みを見つける際と同様に4C分析や4P分析などのフレームワークを用いたり、外部環境の分析結果との比較や参照をしながら行うと見つけやすくなります。
また、こちらも「弱み」と「脅威」を混同しないように注意しましょう。
「クロスSWOT分析」の実施
外部環境、内部環境のすべての要素を洗い出せたら、それらを掛け合わせて考える「クロスSWOT分析」を行います。
これによって、4つの戦略を導き出すことができます。
掛け合わせのパターンは次の通りです。
① 強み × 機会 :自社の強みを活用して機会を最大限とらえる(積極的な戦略)
例:高い住宅性能(強み)× ニーズの増加(機会)= 顧客に合わせた手法で強みを積極的にPRし集客する
② 強み × 脅威 :自社の強みを活用して脅威を切り抜ける(差別化的な戦略)
例:高い住宅性能(強み)× ニーズの低下(脅威)= ニーズが少ない中で強みを強調し活かして選ばれるようにする
③ 弱み × 機会 :機会をとらえるために自社の弱みを改善・克服する(改善的な戦略)
例:知名度が低い(弱み)× ニーズの増加(機会)= 知名度がアップするための戦略を打つ
④ 弱み × 脅威 :脅威の影響を最小限にするために自社の弱みを理解・把握する(撤退的な戦略)
例:価格が高い(弱み)× ニーズの低下(脅威)= 利益が見込めない事業やエリアから撤退する
これらの分析結果をもって、自社の工務店は今後どの強みを活かしてブランディングをしていくか、そのためにはどのような戦略が必要かを導き出していきます。
自社の強みを活かしたブランディングンコンセプトが定まったら、そこがぶれないように社内で共有し、戦略を立案し実施していくことがポイントです。
まとめ
今回は工務店のブランディングの必要性と、ブランディングの第一歩となるSWOT分析についてお伝えしました。
ブランディングは他社との差別化を図り、「選ばれる工務店」になるために行います。
ブランディングを行うことで自社の売りとなる強みや特色を明確に示すことができ、それに合った感度の高いお客様の獲得が実現できます。
まずはSWOT分析で自社の強み・弱みや取り巻く環境をしっかりと分析して把握することで、ターゲット層などが明確になり、どのようなアプローチが効果的かも見えてきます。
この機会に、自社の強みに合わせたブランディングを行ってみてはいかがでしょうか。
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