キッチン(冷蔵庫・電子レンジ・ほか)の【地震対策】をわかりやすく解説
もしも地震が発生したとき、皆さんの家の中は安全でしょうか?
ライフスタイルによって個人差はありますが、寝る時間も含めると私たちは多くの時間を家の中で過ごしています。
家の地震対策はできるだけ行っておきたいものです。
今回の記事では家の中でも後回しになりがちな「キッチン」の地震対策に注目し、今やどのご家庭にも欠かせない冷蔵庫や電子レンジを中心に、その他のキッチン家電、そしてコンロ周りなどキッチンのあらゆる地震対策について解説します。
・キッチン(冷蔵庫・電子レンジなど)での地震対策が詳しくわかります。
・家をトータルで守る地震対策がわかります。
今、費用を抑えつつ住宅の地震対策に高い効果を得られる「制震ダンパー」のニーズが高まっています。
制震ダンパーについて詳細をお知りになりたい方やご興味を持たれた方は、資料請求からお気軽にお問い合わせください。
目次
なぜキッチンでも地震対策が必要?
まずキッチンでも地震対策が必要な理由について確認しておきましょう。
キッチンはご存じの通り調理する場所であり、食器・食材・調味料・調理器具・各種家電類がたくさん収納したり置かれたりしている場所です。
そんなキッチンにいるときに万が一大規模な地震が起きたら、次のような危険が考えられます。
- 鍋や調理中のものがこぼれて体にかかる
- 食器棚が倒れてくる
- 食器棚・カップボードなどの扉から中身が飛び出す
- 引き出しが全開になる
- 食器やガラスの容器に入った食品類など割れ物が落ちてくる
- 冷蔵庫など大型家電が倒れてくる
- 電子レンジやポットなどが落ちてくる
- ガス調理器具の場合火災やガス漏れの危険がある
- 物の店頭やガラスの飛散によって避難経路が絶たれやすくなる
このように、地震発生時のキッチンにはたくさんの危険が潜んでいることがわかり、キッチンはとっても危険なエリアといえます。
特にキッチン内の通路幅は狭いことが多いため、鍋が手前にこぼれたり物が落下してきても逃げ場がないだけでなく、飛散物が蓄積しやすいため怪我につながりやすく、転倒・落下したものなどで避難経路がふさがれやすい状況です。
こうしたリスクを回避して少しでも被害を軽減するには、キッチンの地震対策がとても大切、ということになります。
冷蔵庫の地震対策
冷蔵庫はキッチンの中で一番大きな家電です。
倒れてきて人に直撃すると大怪我を追う可能性があるのはもちろん、避難経路をふさいだり、冷蔵庫の扉が開いて中身が飛び出してきても危険です。
また、冷蔵庫の上に置いていたものが頭に落下、といったことも起こりかねません。
したがって、冷蔵庫の地震対策では次の3点がポイントとなります。
- 冷蔵庫本体の固定
- 冷蔵庫の扉の固定
- 冷蔵庫の上へ物を置かない
それぞれの方法を詳しく見てみましょう。
冷蔵庫本体の固定
冷蔵庫本体を固定するには、次の方法が代表的です。
- 設置時に調整脚でしっかり固定する
- 転倒防止用ベルトで固定する
- 耐震突っ張り棒で固定する
- L字金具やチェーンで固定する
- 耐震マットを敷く
まずは設置の際に、冷蔵庫に付いている調節脚をしっかり固定することが大切です。
設置の際に、冷蔵庫の下に「耐震マット」を敷くのも転倒防止に一役買います。
耐震マットを使用する際は、耐震マットの耐荷重を必ず確認してから使用しましょう。
冷蔵庫の物理的な固定方法では「転倒防止用ベルト」の使用がおすすめです。
実は冷蔵庫の地震対策については各家電メーカーで推奨する方法が公開されており、ほとんどのメーカーが「転倒防止用ベルト」の使用を推奨しており、別売りでの用意がなされています。
例として、大手家電メーカーが推奨している内容をいくつか下に挙げてみます。(出典:各メーカーの公式サイトより抜粋)
■パナソニック:「パナソニック冷蔵庫専用転倒防止ベルト」
■日立:「地震転倒防止ベルト」
■三菱電機:「冷蔵庫転倒防止ベルト」
■東芝:「冷蔵庫転倒防止ベルト」
■シャープ:「冷蔵庫転倒防止用ベルト」
■アクア「冷蔵庫用転倒防止ベルト」
転倒防止用ベルトは各メーカーとも千円台から二千円台の価格で販売されているようです。
各メーカーのもの以外の商品もあるので、安全性と取り付けの可否を確認したうえ、取り入れやすい商品や買いやすい場所で購入するとよいでしょう。
冷蔵庫の固定にはホームセンターなどで売られている「L字型の金具」や「チェーン」を用いておこなうことも可能です。
L字型の金具は強度がものによって異なるため、金具に対応した用途や耐荷重性を確認しましょう。
また、転倒防止用ベルトやL字金具を取り付けの際は必ず壁の間柱を探し、その部分へ取り付けるようにしましょう。
「耐震用突っ張り棒」で固定する方法もありますが、メーカーによっては、耐震用突っ張り棒を用いた場合に冷蔵庫の上面にある基板を傷めてしまう可能性があるということで、使用を推奨していないところもあります。
耐震用突っ張り棒を使用する場合は、取扱説明書または公式サイト等で使用の可否を確認してから用いるとよいでしょう。
冷蔵庫の扉の固定
冷蔵庫の扉や引き出しが開くのを防ぐには、市販の「ドアストッパー」や「引き出しストッパー」の取り付けが効果的です。
ドアストッパーや引き出しストッパーは、主に小さなお子さまが扉や引き出しを開けて、手を挟んだり危険なものを取り出したりしてけがをするのを防ぐためのものですが、地震対策にも応用できます。
ほとんどの商品が強力粘着テープや吸盤おなっており取り付けも簡単なので、すぐに地震対策を行うことができます。
防災用のドアストッパーや引き出しストッパーもあるので、使い勝手やデザインの好みやサイズ感に応じて選ぶとよいでしょう。
冷蔵庫の上へ物を置かない
本体の固定や扉等の固定を施した冷蔵庫であっても、冷蔵庫の上へは物を置かないようにしましょう。
冷蔵庫の上は天井までちょうどよいスペースが開いていることが多いため、なんとなくものを置きたくなってしまいます。
しかし地震の揺れでそれらが落下すると、頭や足の上に落下したり、避難経路をふさぐことにつながります。
どうしてもそのスペース有効活用したい場合は、冷蔵庫の上専用に耐震ラッチや耐震突っ張り棒が完備された棚があるので、そういったものの活用を検討してみるとよいでしょう。
電子レンジの地震対策
電子レンジは中型~小型家電という位置づけとなり棚やカップボード等の上に置かれるものですが、オーブン機能を備えたものなどは重量が大変重く、人間に直撃すると大怪我を負うだけでなく避難経路をふさぐことにもつながります。
電子レンジの地震対策では、次の3点がポイントととなります。
- 電子レンジとレンジ台(棚)の接地面との固定
- レンジ台・棚自体の固定
- 電子レンジをあまり高い場所に置かない
ではそれぞれの方法を詳しく見てみましょう。
電子レンジとレンジ台(棚)の接地面との固定
電子レンジは、レンジ台もしくは食器棚やカップボードなどの接地面と電子レンジをしっかり固定しましょう。
電子レンジの固定には、主に次の4つの方法があります。
- 転倒防止用金具
- 転倒防止用ベルト
- ストッパータイプの固定具
- 耐震マット
大手家電メーカーでは、電子レンジ(場合によってオーブンレンジも含む)専用の「転倒防止金具」を販売しているところが多いです。
例として、各メーカーの内容をいくつか下に挙げてみます。(出典:各メーカーの公式サイトより抜粋)
■パナソニック:「電子レンジ転倒防止金具」
■日立:「日立オーブンレンジ転倒防止用金具」
■東芝:「電子レンジ用 転倒防止金具」
■シャープ:「ウォーターオーブン・電子レンジ 転倒防止用金具」
一方で、電子レンジを金具を用いて壁や柱に固定するのは、スペース等の都合でハードルが高い面もあるでしょう。
そんな場合には台の接地面と電子レンジを固定する「転倒防止用ベルト」や「ストッパータイプの固定具」であれば、強力粘着テープを用いたものが多いので取り入れやすいです。
また、レンジ台や棚に「耐震マット」を敷いて電子レンジを設置することでも、電子レンジが滑りにくくなり転倒防止に役立ちます。
レンジ台・棚自体の固定
電子レンジの場合、電子レンジと台とを固定するだけではなく、レンジ台や台となる棚そのものも壁や床に固定することが望まれます。
東京消防庁が行った「電子レンジの地震時の挙動及び安全対策に関する研究」によると、電子レンジと台とを固定しただけでは重心を高くしてしまうためかえって転倒しやすくなるという結果がでています。
また、レンジ台を壁に固定することで転倒しにくくなることもあわせてわかっています。
レンジと台を固定しただけでは、重心位置を高くしてしまうので、かえって転倒しやすくなる。
台の転倒防止対策は、壁に L字金具と木ねじ等(コンクリー卜墜には、アンカ ーなどで固定する。)で固定すると、壁と一体となって振動するので転倒しにくくなる。
地震時の家具上に置かれた電気製品の転倒・落下防止対策は、周知のとおり、家具等を壁や床に固定し、さらに当該家具等と 電気製品を固定する方法が最も安全確実である。
引用:東京消防庁「電子レンジの地震時の挙動及び安全対策に関する研究」より抜粋
したがって、電子レンジを設置しているレンジ台や棚そのものの固定も併せて行うことをおすすめします。
棚の固定方法については後ほどご紹介します。
電子レンジをあまり高い場所に置かない
電子レンジを高い場所に設置すると、レンジ台や固定されていない棚の場合は重心が高くなるため転倒のリスクが高くなります。
ま耐震のために固定した棚やカップボードなど壁面に固定されている棚であっても、あまり高い位置に設置すると万が一落下してきた場合に大変危険です。
電子レンジは使い勝手がよい動線の範囲内で、なるべく高い場所に置かないようにするとよいでしょう。
その他小型家電の地震対策
電気ポットやコーヒーメーカー、炊飯器などといったその他の小型キッチン家電にも、地震対策は必要です。
特に保温機能のある電気ポットは、万が一飛んで来た場合に大やけどを負うリスクがありとても危険です。
こうした小型家電製品の地震対策には、冷蔵庫や電子レンジの地震対策でもお伝えした「耐震マット」の活用がおすすめです。
その際はやはり耐荷重をきちんと確認し、製品の重さや大きさにあったものを選ぶようにしましょう。
また、ミキサーやホットプレートなど普段は出さずに収納しているキッチン家電は、
- 重さのあるもの・割れる可能性のあるものは頭より上に収納しない
という点に注意して収納場所を決めましょう。
棚類(食器棚・吊り戸棚)の地震対策
電子レンジの地震対策でもお伝えしたように、キッチンでは食器棚など棚類の地震対策も欠かせません。
ぜひポイントを押さえて地震対策を行っておきましょう。
食器棚の地震対策
キッチンの中で食器棚あるいはカップボードも、しっかりと地震対策を行っておきたい箇所の一つです。
特に壁に固定されているカップボードと比較すると食器棚の転倒リスクは非常に高いため、かならず地震対策を施しておきましょう。
食器棚の地震対策については以前のコラムでお伝えしていますので、ぜひ下記記事をご参考ください。
>関連コラム 家具(食器棚・本棚・タンス)への【地震対策】をわかりやすく解説
吊り棚の地震対策
キッチンに吊戸棚がある場合の地震対策のポイントは、収納の中身と扉の固定です。
次の2つのポイントに注意して地震対策を行ってください。
- 重さのあるもの・割れる可能性のあるものは頭より上に収納しない
- 扉が開かないように固定する
くり返しになりますが、重さのあるものや割れる可能性のあるものは、頭より上に収納しないことが大切です。
特に吊り棚においては棚の位置的にも中身が頭上に落ちてくる可能性が高くなります。
中身が軽いものであっても地震によって飛び出すのを防ぐため、冷蔵庫の地震対策でご紹介した「ドアストッパー」などを設置しとくと安心です。
ちなみに吊り棚へは「包丁」「キッチンバサミ」などは収納しないと思いますが、これらは調理台の上に出したままにしておくと、地震でずれ落ちたり跳んできた場合に大変危険です。
包丁やキッチンバサミなどの鋭利なキッチン小物は、使用後は必ず収納場所へ納める習慣をつけておきましょう。
コンロ周りの地震対策
地震の二次災害として地震火災の発生が挙げられますが、コンロ周りはガス調理器具の場合「火災」に直結するため、地震対策をしておきたい場所です。
コンロ周りの地震対策として、次の2点がポイントとなります。
- コンロのそばに燃えやすいものを置かない
- 家庭用消火器を設置しておく
コンロ周りの火災を防ぐためにも、「台ふき」「布巾」「キッチンペーパー」「ティッシュ」といった燃えやすいものはコンロ周り置かないようにしておきましょう。
キッチンに家庭用消火器を用意しておき、万が一火が出た時にすぐに初期消火が行えるよう備えておくこともおすすめです。
なお、地震が発生してしまった場合の対応については、下記のコラムもご参考ください。
>関連コラム 地震が起きたとき住宅のガスはどうなる?私たちがすべきことと復旧まで
>関連コラム 地震火災の恐ろしさ|被害を防ぎ減らすために私たちができる行動とは
まとめ
今回はキッチンの地震対策に注目し、冷蔵庫や電子レンジの地震対策を中心に、小型家電や棚、コンロ周りなどの地震対策についてお伝えしました。
物や場所によって方法に違いがあれど、次のことが共通して言えます。
- 転倒・移動・落下の危険があるものは大小にかかわらず固定する
- 扉や引き出しの飛び出しを防ぐ
- 頭上に重いものや割れ物を置かない
- 収納する際は重いものをなるべく下にして重心を下げる
過去の震災でも、亡くなった方の原因の多くは家屋の倒壊や、家具などの下敷きによる圧死でした。
また、繰り返しになりますが転倒物や落下物などにより避難経路が絶たれるのも大変危険です。
あらかじめ防ぐことのできる危険には対策を講じ、家の中をより安全にしましょう。
「家の中の揺れ」を緩和するには「制震ダンパー」も有効
家の中をより安全にするには、家自体の揺れを減らすことができるとよいですよね。
制震装置である「制震ダンパー」は、建物の揺れを低減し建物を地震から守る装置です。
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制震ダンパーは製品によって新築・既存住宅を問わず設置が可能なものもあり、素材やサイズなど特徴があるため、用途に適した製品を選ぶことをお勧めします。。
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トキワシステムの制震ダンパー「αダンパーExⅡ」とは?
トキワシステムの制震装置「αダンパーExⅡ」は特殊オイルを用いたオイルダンパーと言われるものです。
「αダンパーExⅡ」は東京工業大学・静岡大学・豊田工業高等専門学校・岐阜県立森林文化アカデミーなどの数多くの学術研究機関による性能試験をクリアし、その確かな性能が認められています。
制震ダンパー「αダンパーExⅡ」の特徴を簡単にまとめました。
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- コストパフォーマンスの高さ
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続いて、次の実証実験結果をご覧ください。
耐震工法の建物に制震装置『αダンパーExⅡ』を設置すると、柱の変位量が最大55%低減しました。
小さな揺れでも効果を発揮するのが特徴で、地震の揺れを吸収して、繰り返しの地震からも建物を守ります。
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関連コラム>制振ダンパーの施工画像20選を住宅タイプ別に紹介!地震後の画像もあり
関連コラム>制震ダンパー ランキング オイルダンパーはαDamperExIIが第一位
大切なあなたの家族を守りたい ―KEEP YOUR SMILE―
いつ起きるかわからない地震。
恐ろしい地震から、誰もが家族や住宅を守りたいと願うものです。
「この住宅には設置できるの?」
「取り入れてみたいけれどどうやって設置するの?」
といったご質問やご不明な点等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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