木造アパートは地震に弱いのか?『やめとけばよかった…』と思わないために。1階と2階の特徴の違いも解説
「木造アパート」「鉄筋コンクリートのマンション」
どちらの方が地震に強いかと聞かれると、多くの人が鉄筋コンクリートのマンションの方が地震に強いと答えるでしょう。
木造アパートと聞くと、耐震性について疑問を抱く人も多いのではないでしょうか。
では、実際に木造アパートは地震に弱いのでしょうか。本記事では木造アパートの地震に対する強度についての疑問を紹介、回答します。
木造アパートに住む予定の方にも、木造アパートを経営している方にも、参考になる情報をお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。
「木造アパートは地震に弱い」は正しい?
はじめに、木造アパートが本当に地震に対して弱いのか確認してみましょう。
木造=地震に弱い訳ではない
「木造」と聞くと、地震に弱いというイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、法隆寺など古くから多くの地震に耐えてきた木造建築はたくさんあり、適切な施工を施されていれば、地震の揺れに対して十分耐えられることが分かります。
木造・鉄骨(S造)・鉄筋コンクリート(RC造)いずれも強度は変わらない
木造・鉄骨・鉄筋コンクリートと、「いずれの建物でも、地震に対する強度は変わりません」。
いずれの構造でも、建築基準法で定められる荷重や外力に対して耐えられる構造が求められるからです。
ただし、地震による揺れは建物の重量が重いほど、建物に生じる地震力は大きくなるため、重量の大きな鉄骨や鉄筋コンクリートの住まいは、木造の住まいよりも大きな地震力に耐えられるように設計することとなります。
適切な設計を行っていれば、どの構造であっても、地震に対して十分な耐力を持っていると考えてよいでしょう。
大切なのは何年の建築基準が適用されているか
「どの構造か」よりも大切なことは「何年の耐震基準が適用されているか」ということです。
大きな地震が発生して被害を受けるたびに、日本の耐震基準は改正され耐震性を増しています。
最も大きな基準の改正は旧耐震基準から新耐震基準への改正です。
1981年以前に利用されていた旧耐震基準では、震度6強から震度7クラスの地震に対して基準が設けられていませんでした。
一方で新耐震基準では「建物が倒壊しない」と明記されています。
地震に対して安全なのか確認するためには、木造・鉄筋コンクリートなど構造を見るよりも、適用されている基準を確認する方が重要なのかもしれません。
1階と2階、木造アパートならどちらを選べばいいの?
木造アパートを借りる場合は、1階と2階、どちらの方が安全なのか気になる人もいるでしょう。
一般的には2階よりも1階の方が揺れが少ないことから、1階の方が安全性が高まるとされます。
ただし、1981年以降の建築基準に合致していない場合は、1階が2階に押しつぶされる恐れがあるため、2階を選択する考え方も考えられます。
>関連コラム:【地震】戸建では1階と2階のどちらが安全? メリットとデメリットを知っておこう
耐震等級や制震・免震装置の有無も確認を
何年の建築基準に合致しているか、という考え方のほか、「耐震等級の取得や制震・免震といった地震動を弱める装置の有無」を確認する考え方も大切です。
耐震等級とは、耐震基準を元にして1.25倍の強さを確認できる場合は「耐震等級2」を、1.5倍の強さを確認できる場合は「耐震等級3」を取得できる、建物の地震への耐力を明らかにする制度です。
>関連コラム:耐震等級はどうやって決められているの?|耐震性能を高めるためのポイントを解説します
また、制震や免震といった装置は建物に対する地震動を弱める働きを持った装置です。
こうした装置を導入するアパートもありますので、地震が気になる方は導入されたアパートを検討してみましょう。
>関連コラム:耐震・制震(制振)・免震の違いとは?コストやメリット・デメリットについて解説
なお、アパートを新築する場合も、既設のアパートの地震への強度を高める場合も、制震装置の導入がおすすめです。
制震装置は比較的安価な費用で設置できるうえ、複数回発生する地震にも対応できるため、高いコストパフォーマンスを誇ります。
制震装置が気になる方は、トキワシステムまでお気軽にお問い合わせください。
木造アパートに対するよくある質問
木造アパートと地震との関係については気になる人が多いようで、疑問・質問が多く聞かれます。
そのうち代表的なものと回答を紹介します。
南海トラフ・首都直下地震で木造アパートは潰れますか?
>引用:内閣府 首都直下地震の被害想定と対策について(最終報告)
南海トラフ巨大地震や首都直下地震といった規模の大きな地震が発生した場合、現在住んでいるアパートや借りる予定のアパートがどの程度の被害を受けるか、どいうことは気になる話題です。
結論からいうと、「潰れるアパートもある」と思われます。
内閣府の想定では、揺れによる全壊家屋の戸数は17万5,000棟にのぼり、古い家屋を中心に倒壊する可能性はあると予想されます。
土地の状況や劣化の度合いによって可能性は異なりますが、新基準に適合していないアパートでは特に倒壊する危険性が高いといえるでしょう。
大きな地震が発生する危険性のあるエリアにお住まいの方は、築年数が新しい物件を選択することをおすすめします。
木造アパートは震度何まで耐えられますか?
木造アパートであっても、鉄筋コンクリートであっても、1981年以降に建てられた住宅であれば、震度7の地震を受けても「建物が倒壊しない」強度を有しています。
ただし、一度ではなく、二度、三度と規模の大きな余震が続いた場合は、柱や梁を緊結する部材の損傷で倒壊する危険性はゼロとはいえません。
こうした複数回発生する地震に対しては、何度も発生する揺れを吸収できる、制震ダンパーの利用がおすすめです。
アパートとマンションは耐震性に違いはありますか?
アパートもマンションも、準拠する耐震基準は変わりませんので、基準に則った設計を行っている限り、どちらに居住していても危険性は変わらないといえます。
ただし、マンションはアパートと比べて多くの人が入居することから、制震や耐震といった地震対策に費用をかける場合、一人あたりの費用負担は小さくなります。
また、マンションを販売する際に地震対策の有無が入居率に影響を与えると考えられることから、宣伝目的で制震・免震を利用するケースもあります。
一概にアパート・マンションと区別せず、入居を検討している物件は、どの耐震基準に適合していて、どの地震対策器具を利用しているのかチェックしましょう。
まとめ│木造アパート=地震に弱い訳ではない
「木造アパートは地震に弱いのか?」という疑問について、木造住宅が弱いと言われる原因を紹介しました。
実は木造アパートであっても鉄筋コンクリートのマンションであっても、どちらも建築基準法通りの作りであれば、地震への強度に違いはありません。
どちらも満たすべき基準は変わらないからです。
一方で1981年を境に大きく変わった耐震基準を満たすか否か、こちらは確認することでアパートの倒壊を防げる可能性があります。
また、1981年以前に建てられた住まいでも、制震や免震の装置を取り付けていれば、大きな地震動に耐えられるかもしれません。
アパート・マンションの構造だけでなく、築年数や地震対策設備の確認も一緒に行いましょう。
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