なぜ?戸建のリノベーションと同時に耐震補強を行うのがおすすめな6つの理由
中古戸建やマンションから古民家まで、リノベーションの人気は衰えるところを知りません。
- 「中古戸建を購入し、おしゃれにリノベーションをして住みたい」
- 「実家を譲り受けたので、現代風にリノベーションをしたい」
こうしたニーズは多く、SDGsの観点からもリノベーション人気は高まる一方です。
しかし同時に、築年数の古い住宅購入時についてまわるのが耐震性への不安。
そこでおすすめなのがリノベーションとあわせて耐震補強を行う方法ですが、なぜ同時に行うのがよいのでしょうか。
この記事ではまず一般的に戸建住宅で用いられている耐震補強の方法について解説し、リノベーションと耐震補強工事の同時施工がおすすめな理由をわかりやすく「6つ」にまとめてお伝えしていきます。
これから戸建住宅のリノベーションをお考えの方はぜひご参考下さい。
・リノベーション時に同時にできる耐震補強や地震対策の方法について知ることができます。
・なぜ同時にすることがおすすめなのかその理由が一目でわかります。
今、耐震化とあわせて費用を抑えつつ住宅の地震対策に高い効果を得られる「制震ダンパー」のニーズが高まっています。
制震ダンパーについて詳細をお知りになりたい方やご興味を持たれた方は、資料請求からお気軽にお問い合わせください。
目次
そもそもリノベーションとは?
リノベーションとは、既存の住宅を再設計・改修することでデザイン性や機能性といった住宅の価値を高めることです。
ライフスタイルに合わせた間取りの変更や外壁・屋根などの大規模改修、断熱材の追加やサッシの交換による断熱性の向上、キッチン・バスなど住宅設備の機能性を高くして住宅の資産価値も高める事などが例として挙げられます。
リノベーションに似た言葉にリフォームがあります。
一般的にリフォームは、既存の住宅の老朽化した箇所を改修し、新築に近い状態に修復・回復することを指しています。
外壁や屋根の塗装、経年劣化による住宅設備の交換、汚れた壁紙の張り替えなどが例として挙げられます。
実は両者には明確な定義はありませんが、通常、リノベーションは比較的大規模で住宅の価値を高めるような改修時に、リフォームは比較的部分的で住宅の老朽化した部分を修繕したり原状回復するような場合に使われることが多いです。
まずは耐震診断を受けよう
中古住宅や築年数が古い住まいなど、耐震性に不安がある住宅を取得したりすでに住んでいる場合は、リノベーションに取り掛かる前に耐震診断を受けましょう。
耐震診断を受けておけば、「自宅が地震に対してどの程度の耐力を持つのか」が分かります。
たとえば木造の戸建て住宅の場合、一般的な耐震診断では次のように結果を出してくれます。
耐震診断には結果後に報告書を出すまでが含まれますが、報告書には結果に応じて耐震性を向上させるための対策も提案されます。
結果や提案内容に応じて、費用対効果やリノベーションをするのであればそれらの工事との兼ね合いを業者と考えながら、耐震補強の内容を決めていきます。
耐震診断に関する費用に対して多くの自治体で補助金を交付しているので、お住まいの自治体のホームページなどで確認しておくとよいでしょう。
参考コラム>「耐震診断、費用はどれくらい?」耐震診断を行う理由や流れも解説
リノベーション時にできる耐震補強の方法
リノベーション時にあわせてできる耐震補強の代表的な方法として、次の内容が挙げられます。
- 筋交いをいれる
- 耐力壁を増やす
- 接合部の補強(金物など)
- 基礎部分を補強
- 屋根の軽量化
- 減築
それぞれを簡単にご紹介します。
筋交いをいれる
筋交いとは柱と柱の間に斜めに入れる補強材のことで、筋交いは建築基準法でも入れることが義務づけられておるように、耐震性を上げるうえで最も一般的な方法のひとつです。
筋交いは主に木造住宅の在来工法で用いられ、通常「柱」と「梁」に囲まれた長方形の対角線上に1本または2本いれます。
筋交いをいれることで地震の揺れだけでなく強風などによる横(水平方向)からの力に対抗できるようになり、構造の強度を上げることができるため、筋交いがない部分へ入れたり、追加でいれたりします。
耐力壁を増やす
筋交いの入った壁のことを、「耐力壁」といいます。
つまり筋交いの入った耐力壁を増やすことで、前述の通り横(水平方向)からの力に対抗できるようになり、耐震性が高くなります。
なお、耐力壁には筋交いだけでなく、構造用合板と呼ばれる面材を使用する方法もあります。
耐力壁は新たに増設したり、既にある普通の壁に筋交いや構造用合板等で補強して耐力壁にしたりしますが、やみくもに増やすわけではなく、全体のバランスを配置を計算して増やします。
接合部の補強(金物など)
建築基準法では筋交いと柱・梁・土台等を結合する際に、接合部に筋交いの項目にある写真や上記写真にもあるような「金物」を使用することが義務付けられています。
築年数の古い住宅で筋交いと柱・梁・土台等の接合部に金具が入っていない場合や、経年劣化等で金具が老朽化している場合は、金具を補強して耐震性を高めます。
基礎部分を補強
住宅の基礎部分は地盤と建物をつなげる場所であり、建物を支える土台となる場所でもあります。
基礎部分と土台に問題がある場合、地震の揺れによって土台が基礎を踏み外すこともあり、住宅の大きな損壊や倒壊を招いてしまいます。
そのため基礎部分を補強し、土台としっかり緊結しなければなりません。
基礎部分へ耐震補強を行う際は、一般的に次の方法が用いられます。
- 基礎にできた亀裂やひび割れに、樹脂や繊維を注入して固める
- 無筋の基礎の場合は鉄筋入りのモルタルやプレート入りのモルタルを重ねる
基礎の状態や建物の形状によっては、建物自体をジャッキアップして既存の基礎の上に新しく基礎つくることもあります。
また、老朽化や状態があまりに劣化している場合には、新たに基礎をつくりなおすこともあります。
屋根の軽量化
屋根が重いと柱などの支えている構造部への重力的な負荷が大きくなだけでなく、重ければ重いほど地震の揺れによって振り子状に大きく揺れ、建物が倒壊する危険性が高くなってしまいます。
屋根をガルバリウム合板などの軽くて強度の高い素材のものへ変えることで、耐震性を高めることができます。
減築
耐震性を高めるために、2階建ての住宅を平屋にするなどの減築を行うこともあります。
屋根でお伝えしたのと同様に、建物は上部が重いほど振り子のように建物の揺れが大きくなり、倒壊の危険性が高くなります。
したがって2階部分を減築して上部が軽くなると、建物の耐震性は高くなります。
ただし、住宅そのものの老朽化などで構造部にダメージが多いと、減築しても耐震性があまり変わらないということもあります。
また、減築を行う場合は費用が大きくなりがちなので、リノベーションで減築を検討中の場合はその辺りも頭に入れておくとよいでしょう。
リノベーションと耐震補強の同時施工がおすすめな理由6つ
ではなぜ、リノベーションと同時に耐震補強工事をおこなうのがおすすめなのでしょうか。
理由には次の6つの点においてメリットがあるためです。
- コストが削減できる
- 一度の工事で済ますことで工事期間中の不便さが減る
- 地震に対して安心して住める
- 資産価値の向上が期待できる
- 環境への負荷を軽減できる
- 補助金が使える可能性がある
ではそれぞれをもう少し詳しくみていきたいと思います。
①コストが削減できる
リノベーションも耐震補強工事も行いたい場合、先にリノベーションをして落ち着いてから耐震補強を…となると、これぞれに別々の費用が発生します。
リノベーションでは大掛かりな工事になることがほとんどです。
たとえばリノベーションで外壁塗装を、耐震補強の一環で屋根交換をする予定だとします。
同時に行えば、外壁塗装ではほとんどの場合で足場を組んで作業を行うため、その足場を耐震補強工事にも利用できます。
別々にした場合はまた足場を組まなければならなく、その分大きな費用が発生します。
また、室内の間取りを変える場合でも、耐力壁もあわせて計算して配置するようにすれば、何度も壁を剥がさなくてもすみます。
せっかく貼った壁紙や石膏ボードを剥がしてまた作るとなると、その分費用が発生します。
このように一度の工事で完了することによって、段取りや建材、人件費なども効率よく回すことができ、コストが削減できます。
②一度の工事で済ますことで工事期間中の不便さが減る
リノベーションと耐震補強の工事を同時に行うことで削減できるのは、コストだけではありません。
リノベーション中は、そこに住みながらできる場合とそうではない場合があります。
スケルトン状態にしてからリノベーションする場合などでは、そこに住むことができず、別の住まいを用意することになります。
住みながらリノベーションできる場合でも、工事期間中の不便さはつきものです。
リノベーションと耐震補強の工事を別々に行う場合、こうした工事期間中の不便さが2度あることになります。
一度の工事で済ませることで、工事期間中の生活における不便さを軽減できます。
③地震に対して安心して住める
当然ですが、耐震補強を施しておけば、その後の地震に対しする不安を軽減し安心して住むことができます。
築年数などから耐震性に不安があっても、「たぶん大丈夫だろう」と耐震診断を受けずにそのままにしてリノベーションに取り掛かると、その時は良いかもしれませんが、後々住み始めてから地震が起きるたびに不安になることが予測されます。
リノベーション時にあわせて耐震補強も行っておくことで、気持ちよく住まうことができるでしょう。
④資産価値の向上が期待できる
今後住まいを売却する可能性がある場合、気になるのが家の資産価値です。
一般的にリノベーション済みの物件とそうでない中古住宅を同じ条件(築年数・間取り・立地等)で比較した場合、リノベーション住み物件の方が資産価値が高いと言われています。
なぜならリノベーションによってデザイン性・機能性・そして耐震性などの住宅性能がアップすることで、住宅の付加価値がプラスされるためです。
築年数が古い物であっても、上記における経年劣化をリノベーションでカバーできるためです。
特に中古住宅で不安視されがちな耐震性を耐震補強によってカバーしているのは、資産価値においても大きなプラスといえます。
⑤環境への負荷を軽減できる
少し大きな視点の話になりますが、工事の回数を減らすことは環境への負荷を減らすことにもつながります。
繰り返しになりますが、リノベーションの工事は大掛かりになりやすいです。
また、耐震補強の工事も、状況によっては大掛かりなものになることもあります。
コスト削減の項目でもお伝えしたように、こうした工事を一度で済ますことによって建材や廃棄物の処理など、環境への負荷を軽減することができます。
リノベーションや耐震補強は、SDGsのゴールに対しても有効なアプローチといえます。
さらにこれらの同時施工で廃棄物などを減らすことで、さらなる取り組みとなるでしょう。
⑥補助金や減税が適用される可能性がある
冒頭の耐震診断の項目でもお伝えしましたが、リノベーションや耐震診断・耐震補強工事は、補助金や減税などの優遇制度が利用できる可能性が高いものでもあります。
特に耐震診断や耐震補強工事に対する補助金は全国のほとんどの自治体で補助金制度が設けられていますが、自治体によって条件が異なるほか、一部に補助金制度を設けていない自治体もあるので事前に確認をしておきましょう。
耐震リフォームを検討される場合は、耐震診断も含めてお住まいの自治体に補助金の有無や条件を確認しておきましょう。
参考リンク>国土交通省 地方公共団体の支援制度に関する問い合わせ窓口一覧
また、リノベーションに関する代表的な補助金にはつぎのものがあります。
- こどもエコすまい支援事業【受付終了】
- 先進的窓リノベ事業
- 給湯省エネ事業
他にも介護用のリフォームでは介護保険や自治体からの助成などもあるので、申請できる補助金や助成金がないかを確認しておきましょう。
大抵の場合、リノベーションを行っている業者が詳しく知っているのでアドバイスをもらうとよいですね。
なお、補助金や助成金の申請にはタイミング等細かい決め事があるため、必ず窓口機関に確認しておきましょう。
また、補助金や助成金は併用できるものとできないものがあります。
たとえば住宅省エネ2023キャンペーンでは次のように明示されています。
原則として、本事業と補助対象が重複する国の他の補助制度との併用はできません。
引用:住宅省エネ2023キャンペーン よくあるご質問
地方公共団体の補助制度については、国費が充当されているものを除き、併用可能です。
本事業と一体的に行う3つの事業については、補助対象が重複しない場合は併用可能です。
併用したい場合はルールをよく確認しておくことをおすすめします。
省エネ化を含むリノベーションや耐震化工事を行うことで、所得税や固定資産税が減税される制度もあります。
あわせて確認し、補助金や税制優遇制度などを利用しながら賢くリノベーションや耐震補強を行いましょう。
耐震補強+「制震」ならより地震に強い家を実現
国が建物の耐震化を勧めていることもあり、国土交通省が発表している「住宅の耐震化の進捗状況」によると、最新現状値(平成30年)で87%となっており、目標として令和12年に住宅の耐震化率はおおむね解消されるとしています。
そして今、大手ハウスメーカーを中心に標準的に搭載されるなどニーズが高まっているのが「耐震+制震」の地震対策です。
制震装置には通常「制震ダンパー」と呼ばれる装置を用いますが、制震ダンパーにはさまざまな種類があり、用途によって適したものを選ぶ必要があります。
中には新築時にしか適用できないものもあるので、リノベーションと同時に耐震化、そして制震化をすすめる場合は必ず後付けできるタイプのものを選択しましょう。
制震ダンパーに関する詳しい内容については、下記バナーよりお気軽に資料請求またはお問い合わせください。
まとめ
今回は「なぜリノベーションと耐震補強工事を同時にするのがおすすめであるのか」について、6つの理由を解説しました。
くわえて耐震補強工事の方法や、耐震補強とあわせて昨今ニーズが高まっている、制震ダンパーを用いた地震対策についてお伝えしました。
地震大国日本において、住まいへの地震対策は避けては通れない大事な問題です。
リノベーションと耐震化・制震化をあわせて行うことで、費用対効果を高めながらデザイン性・機能性・住宅性能ともに優れた住宅を手に入れることができます。
せっかくリノベーションを行うのであれば、同時に耐震化や制震化といった地震対策もあわせて行ってみてはいかがでしょうか。
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参考コラム>制振ダンパーの施工画像20選を住宅タイプ別に紹介!地震後の画像もあり
参考コラム>制震ダンパー ランキング オイルダンパーはαDamperExIIが第一位
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