地震とプレートの関連とは?プレートテクトニクス理論と世界のプレート
南海トラフなどの巨大地震が懸念される昨今、私たちも地震に関する知識をアップグレードする必要があるといえます。
そんな中において、地震の発生に「プレート」が関与しているという話は、誰しもが一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
プレートとはいわゆる「岩盤」のことで、地震とプレートとの関連性はプレートテクトニクスという理論によって説明されます。
プレートは日本だけでなく世界中にあり、プレートによって地震が起きやすい場所などを想定することもできる大事なキーワードです。
そこでこの記事では、プレートテクトニクス理論や地震とプレートの関連性を解説するとともに、世界中にあるプレートをご紹介します。
地震に関するリテラシーを高めたい方、地震の正しい知識をもって様々な備えを行いたい方はぜひ、ご参考下さい。
・地震とプレートの関連性はプレートテクトニクスという理論を知ることでわかります。
・地震が起きやすいい場所とプレートの関連性がわかります。
・世界中のプレートを知ることができます。
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目次
プレートテクトニクス理論とは
プレートテクトニクス理論とは、地球の表面には「プレート」と呼ばれるいくつもの硬い殻(岩盤)に覆われており、それぞれのプレートが別々の方向に動くことで、地震などの様々な地質現象を説明することができるという理論です。
プレートテクトニクス理論は、ドイツの気象学者・アルフレッドウェーゲナーが提唱した「大陸移動説」やマントル対流説などに基づき体系化された理論で、1960年代後期に登場しました。
地球の構造とプレート
地球の構造は次の要素で構成されています。
- 核(内核、外核)
- マントル(下部マントル、上部マントル)
- 地殻
地殻と上部マントルの最上部(地殻に近い固い部分)は硬い板状の岩盤となっており、これを「プレート」と呼んでいます。
地殻とは、地球の表層部を形成する岩石の層のことです。
そしてマントルとは、地殻と核との中間にあたる岩の層のことで、地球の体積の約83%を占めているといわれています。
プレートはひと続きになった大きな岩盤というわけではなく、約15枚のプレートが集まって地球の表面を覆っており、マントルの上に載っています。
マントルは固体でありながら流動性も持ち合わせており、上部マントルの残りの部分は地球内部で対流しています。(マントル対流)
マントルの上に載っているプレートはマントルの対流によって少しずつ動き、プレート同士がぶつかり合ったり、一方のプレートの下に沈みんだりすることで大きな力を生じます。
こうしたプレート運動によって生じる大きな力が、地震が発生する主な原因です。
【ポイント】
■プレートとは地殻と上部マントルの最上部(地殻に近い固い部分)をあわせた部分
■プレートは地球上に約15枚ある
■プレートは動いており、それによって生じる力が地震を引き起こしている
プレートの種類は2つ
プレートは、ある位置や地殻の違いなどによって「海洋プレート」と「大陸プレート」の2つに大きく分けられます。
海洋プレート
プレートのうち海底にあり、海底を形成するものを海洋プレートといいます。
海洋プレートは海洋地殻と上部マントルの最上部からなり、比較的重い玄武岩で構成されています。
地球の内部にあるマントルが海底まで上昇し、成分の一部が溶けてマグマとなり、それらが海嶺や海底山脈からあふれ出て冷やされ固まることで海洋プレートが形成されます。
海洋プレートの例として「フィリピン海プレート」や「太平洋プレート」があります。
大陸プレート
プレートのうち大陸の下にあり、大陸を形成するものを大陸プレートといいます。
大陸プレートは大陸地殻と上部マントルの最上部からなり、比較的軽い花崗岩で構成されています。
大陸プレートの例として、「ユーラシアプレート」や「北米プレート」があります。
大陸プレートと海洋プレートを比較すると、プレートの密度は海洋プレートの方が大きく、強度も海洋プレートの方が強いと言われています。
【ポイント】
■海底にあるプレートを海洋プレート、大陸の下にあるプレートを大陸プレートという
■海洋プレートの方が大陸プレートよりも重く、密度・強度とも高い
プレート境界とは
プレートとプレートの境目をプレート境界といいます。
プレート境界は次の3つに大きく分けられます。
- 近づき合うプレート境界 → 海溝、トラフ、海膨など
- 離れ合うプレート境界 → 海嶺、海膨など
- すれ違うプレート境界 → トランスフォーム断層
近づき合うプレート境界では移動してきたプレー ト同士が衝突して山脈が形成されたり、一方が他方に沈み込んで、海溝や弧状列島などが形成されます。
大陸プレートと海洋プレートが近づき合う場合、海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込み、海溝やトラフといった非常に深い溝状の海底地形を形成します。
離れ合うプレート境界では二つのプレートが互いに離れ合うように動いています。
海嶺や海膨と呼ばれる海底山脈が形成され、裂け目からマグマがあふれ出て、新たな海のプレートが作り出されます。
すれ違うプレート境界ではプレート同士がすれ違うような動きをしており、トランスフォーム断層と呼ばれる横ずれ断層となります。
地震とプレートの関連性
ここまでプレートとは何か、そしてプレートやプレート境界の種類についてお伝えしてきました。
先でも少し触れましたが、地震はプレートの動き(ずれ)によって生じる大きな力が原因で引き起こされます。
こうした地震が発生するパターンとして、次の4つが挙げられます。
- プレート間地震(プレート境界型地震)
- 海洋プレート内地震(沈み込むプレート内の地震、スラブ内地震)
- 陸域の浅い地震(直下型地震)
- 火山活動に伴う地震
それぞれをもう少し詳しくみていきたいと思います。
プレート間地震(プレート境界型地震)
プレート間地震は、海洋プレートと大陸プレートとの間のずれによって生じる海溝型地震です。
海溝型地震とは、海洋プレートと大陸プレートのプレート境界にある海溝沿いやトラフの付近で発生する地震のことです。
海洋プレートが大陸プレートとぶつかる(近づき合う)時、海洋プレートは大陸プレートよりも重いため、海洋プレートが大陸プレートの下に引きずり込みながら沈みます。
その際、大陸プレートの先端部もいっしょに引きずり込まれ、この圧力によってプレートにひずみが蓄積されます。
たまったひずみが限界に達して耐えられなくなり、境界部分が元に戻ろうとしてはね上がることで地震が発生します。
これをプレート間地震といい、発生周期が短くマグニチュードも大きくなりがちなのが特徴で、津波が発生する場合もあります。
プレート間地震はプレート境界型地震とも呼ばれます。
過去に発生したプレート間地震には、南海地震、東南海地震、2003年の十勝沖地震、2011年の東北地方太平洋沖地震などがあります。
今後発生が懸念されている南海トラフ地震もこれに該当します。
海洋プレート内地震(沈み込むプレート内の地震、スラブ内地震)
海洋プレート内地震は、海洋プレート内部の破壊によって発生する地震のことです。
先ほどと同様、海洋プレートが大陸プレートとぶつかると、海洋プレートは大陸プレートよりも重いため海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込みます。
沈み込んでいく海洋プレートの内部で歪みなどによる破壊が発生し、大規模な断層運動が起こり地震が発生します。
これを海洋プレート内地震といい、場合によってスラブ内地震、沈み込むプレート内の地震とも呼ばれます。
ちなみにスラブとは、海溝などから沈み込んだ海洋性プレートのことを指す言葉です。
過去に発生したプレート内地震には、1993年の釧路沖地震、1994年の北海道東方沖地震、2008年のた岩手県沿岸北部の地震などがあります。
陸域の浅い地震(直下型地震)
陸域の浅い地震とは、大陸プレート内の比較的浅い部分で断層運動が起きることによる地震です。
プレート運動によって大陸プレート内に力やひずみが蓄積され、それらによって地下数㎞~20㎞程度の比較的浅い部分で断層運動が起こり、地震が発生します。
陸域の浅い地震はプレート間地震などと比較して規模が小さい場合が多いですが、人が住んでいるエリアの直下で起こるため、マグニチュードがそれほど大きくなくても甚大な被害を及ぼすケースが多いです。
一般的に「直下型地震」と呼ばれたりもします。
過去に発生した陸域の浅い地震には、1995年の兵庫県南部地震、2004年の新潟県中越地震、 2008年の岩手・宮城内陸地震、2016年の熊本地震などがあります。
火山活動に伴う地震
火山活動に伴う地震もプレートと深い関係があると言われています。
プレート運動によって海洋プレートが沈み込みむと、深さ約100〜150kmの辺りでマグマが発生します。
そのマグマがプレート部分までまであがろうと、いわゆる火山活動をおこなうことで地震が発生します。
実際に日本には火山がたくさんありますが、その多くは日本列島の下に沈み込んだ海洋プレートの、深さ約100〜150km地点の真上に列状に分布しています。
このようにプレート運動によって火山活動や地震が起こるという観点から、火山と地震は密接に関係しているといえます。
過去に発生した火山活動に伴う地震では、1914年の鹿児島県の桜島の大噴火に伴って発生した桜島地震があります。
世界や日本のプレートと地震が起こる場所
地震の発生とプレートには深い関係性があることがわかりました。
では日本には、そして世界にはどのようなプレートがあるのでしょうか。
過去の地震の震源ともあわせてみていきたいと思います。
日本のプレートと震源分布
日本列島の下や周辺には、次のプレートがあります。
- 海洋プレート:太平洋プレート、フィリピン海プレート
- 大陸プレート:北米プレート、ユーラシアプレート
ご覧の通り4つのプレートが接しており、それらの境界がそれぞれ千島海溝、日本海溝、伊豆・小笠原海溝、南西諸島海溝、南海トラフ、相模トラフ(図への記載はなし)となっています。
このように日本列島の周辺はプレート境界がせめぎ合っているため、地震大国と言われるくらい地震の多い国です。
また、図上に色付きで示されているのは過去地震で震源となった場所とそれぞれの深さです。
プレート境界に沿うような形で集中しているのが見て取れます。
世界のプレートと震源分布
世界にあるプレートは分類の仕方にもよりますが、14~15枚のプレートがあると言われています。
一般的なプレートは次の通りです。
- ユーラシアプレート
- 北米プレート(北アメリカプレート)
- 南アメリカプレート
- 太平洋プレート
- ココスプレート
- ナスカプレート
- カリブプレート
- アフリカプレート
- 南極プレート
- アラビアプレート
- インドプレート
- オーストラリアプレート
- フィリピン海プレート
- スコシアプレート
- ファンデフカプレート
続いて、世界のプレートと震源の分布を重ねた図を見てみたいと思います。
世界のプレートとプレート境界を見ても、境界に沿って地震が多く発生している様子がわかります。
もちろん全ての地震がプレート境界で発生しているわけではありませんが、深い関連性があることは一目瞭然ではないでしょうか。
まとめ
今回はプレートと地震の関係性について、世界のプレートも含めてお伝えしました。
プレートの動きが地震に深く関与していること、そしてそのプレートが日本の下や周辺にひしめき合い、境界をなしていることからも、日本が地震大国である所以がうかがい知れます。
地震はいつどこで起こるかわかりません。
いつ来ても慌てないよう地震に関する正しい知識を身に付け、普段から地震に備えておくことが大切です。
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