地震で気を付けたい「二次災害」全8つ|対策もあわせてわかりやすく解説
地震の大きな揺れがおさまったら、安心ですか?
実は地震で気を付けなければならないのは、揺れだけではありません。
地震の後に引き起こされる、いわゆる「二次災害」にも注意をしなければならないのです。
二次災害の中には、あらかじめ対策を講じておくことで未然に防ぐことができるものもあります。
この記事では地震による二次災害の全8つを紹介するとともに、事前にしておける対策を解説していきます。
・地震による二次災害にはどのようなことがあるのかがわかります。
・二次災害への対策方法がわかります。
二次災害とは
災害には、「一次災害」と「二次災害」とがあります。
一次災害とは、災害によってもたらされる直接的な被害のことです。
地震であれば、家屋やビルなどの建物や道路の損壊などが該当します。
二次災害とは、一次災害によって連鎖的に発生する二次的な災害のことです。
地震における二次災害は、大きく分けて全部で8つの内容が考えられます。
次項より、二次災害にどのようなものがあるかを対策とともにご説明していきます。
地震による二次災害全8つと各対策
地震による代表的な二次災害は、次の8つです。
- 余震
- 地震火災
- 津波
- 地割れ
- がけ崩れ・土砂災害
- 液状化現象
- 電気・ガス・水道(ライフライン)の寸断
- 通信の寸断
ではそれぞれをもう少し詳しくみてみましょう。
地震の二次災害① 余震(続けて発生する地震)
まず考えられる二次災害に「余震」があります。
「余震」という書き方をしましたが、気象庁では現在、余震という言葉は用いられないようになりました。
なぜなら余震というと本震よりも軽い地震というイメージがあり、「大きな地震が来たらもうそれほど大きな地震は来ないだろう」というように警戒心が薄れる可能性があるためです。
というのも、2016年に起きた熊本地震では震度7の地震後に再び震度7の地震が発生し、甚大な被害を生んでしまったという事態になってしまったためです。
(わかりやすくお伝えするために、ここではあえて「余震」という書き方をしたいと思います。)
余震の恐ろしいところは、
- 本震によってダメージを受け弱体化した建物等に、再びダメージを与えて倒壊・崩壊を引き起こす
- 大規模地震で感じた恐怖心が再びよみがえり、人々に精神的なダメージを与える
といった点です。
たとえば前述の熊本地震では建物の耐震化が進んでそれまでの地震で効果を発揮していたにもかかわらず、2度目の震度7の地震によって膨大な数の建物被害が起きました。
余震に関する詳細は次のコラムもご参照ください。
余震への対策
こうした二次災害としての余震へ事前にして置ける対策として、次のことが挙げられます。
- 家屋など建物の耐震化・耐震性の向上
- 家屋など建物への制震装置の設置
- ビルなど建物への免震装置の設置
- 家具類の固定
- 家具の配置の工夫
公共施設や新しいビル・家屋など建物の耐震化は進んではいますが、築年数の古いものでまだ耐震診断や耐震工事を行ってない場合は、実施することをおすすめします。
また、耐震化されている家屋などの場合、制震装置の設置がおすすめです。
制震装置は繰り返す揺れ(いわゆる余震)に対応しており、耐震性の効果を継続させる働きをするため耐震と非常に相性がよく、相乗効果が期待できます。
制震装置は種類によっては後付けも比較的容易に行うことができます。
ビルなどの大型の建物や一部の家屋では免震装置の設置も有効です。
免震は地震の揺れを大幅にカットしてくれますが、免震装置は後付けが非常に高額かつ大掛かりな工事となるため、導入は必然的に新築時がメインとなります。
家具類の固定や家具の配置の工夫は、家庭やオフィスなどですぐにでも取り掛かれる対策のひとつです。
家具の固定に関しては次のコラムもご参照ください。
余震への対策でお伝えした制震装置について「もっと知りたい」「興味がある」という方へ、詳しい資料を送らせていただいております。
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地震の二次災害② 地震火災
地震の二次災害で恐ろしいもののひとつに、「地震火災」があります。
地震火災の原因はとして、電気配線のショートや通電火災、ストーブなどの暖房器具による火災が挙げられます。
通電火災とは、停電から電気が復旧し再通電した際に発生する火災のことです。
1995年に発生した「阪神淡路大震災(兵庫県南部沖地震)」では、地震後の大規模火災によって多くの方が亡くなられました。
また、2011年に起きた「東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)」でも、地震火災による被害が多くありました。
いずれの時も、火災が多数発生している様子を報道等でご覧になった方も多いのではないでしょうか。
地震火災は避難して誰もいない家屋でも起こる可能性があり、その場合は初期消火が遅れるなどによってさらに被害が増大する危険があります。
地震火災の対策
地震の二次災害である地震火災の対策としては、避難時にブレーカーを落としたり、揺れがおさまったらガスコンロなどを火の元を切るといった事後のものが多いですが、事前にしておけることもたくさんあります。
あらかじめできる対策としては、次のことが挙げられます。
- 家具家電の転倒防止
- ストーブ・暖房器具周りの整理整頓
- 安全装置のついた製品の使用
- 消火器や火災報知器の設置
- 感震ブレーカーの設置
家具家電の転倒防止や暖房器具周りの整理整頓をしておくことで、暖房器具等に物が落下して引火するのを防げます。
また、揺れによって電源が切れる安全装置のついた製品を使用したり、揺れを感知するとブレーカーが落ちる感震ブレーカー、初期消火のための紹介の設置なども地震火災の対策となります。
地震火災に関する詳細は、次のコラムもご参照ください。
地震の二次災害③ 津波
「津波」も地震の二次災害です。
地震によって海底の断層がずれて盛り上がり、海水が押し上げられることで津波が発生します。
そして発生した津波は徐々に大きな波となり、陸に一気に押し寄せてきます。
2011年に発生した「東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)」で起きた甚大な津波被害の様子は、多くの人の記憶に深く残っているのではないでしょうか。
このように二次災害の中でも「津波」による被害は、計り知れないものとなります。
津波への対策
津波が来そうな場合、あるいは津波警報が発令された場合は、直ちに高い場所へ避難しなければなりません。
避難誘導標識があれば確認しながら、近くの安全な高台や津波避難タワー、津波避難ビルなど可能な限り高い場所への移動が必須です。
そして事前にしておける対策には、次の事柄が挙げられます。
- 「津波ハザードマップ」で避難場所の確認
- 「津波フラッグ」や「津波標識」の確認
- 安否確認手段を家族で共有
- 非常持ち出し品の準備
- 防災訓練への参加
あらかじめ津波ハザードマップで避難場所や危険箇所を確認し、あわせて津波フラッグや津波標識がどこにあるのかも確認しておきましょう。
万が一家族がはぐれたときのために、家族間で安否確認の手段も決めておき、共有しておきましょう。
速やかに避難できるよう、非常持ち出し品の準備もしておきたいところです。
また、学校や会社、地域で行われる防災訓練へ参加することで、いざという時の行動や地域の連携も摂れやすくなります。
津波に関する詳細は、次のコラムもご参照ください。
地震の二次災害④ 地割れ
地震の二次災害として、「地割れ」が起きることもあります。
地割れとは、地震による強い揺れによって地表に亀裂が入ることです。
二次災害で地割れが起きると、建物の下の場合は基礎が弱くなってしまう危険があります。
また、そこに足を挟まれてしまったり、車が走行できなくなったりといった被害が起き、怪我を負うリスクが高くなります。
地割れが大きいものになれば人間や車が落ちたり挟まれたりしてしまい、大怪我や命の危険のリスクもでてきます。
地割れへの対策
地震の後に地割れを見つけたら、とにかく近づかないようにし、足元に気を付けて通行する必要があります。
事前の対策としては、
- 地盤調査を行う(建築時)
- 地盤が軟弱な場所の把握
等が挙げられます。
地割れは地盤が弱いところや傾斜地で起こりやすいため、地盤が弱い場所へ住居などの建物を建てないことが大事です。
家を建てる予定がある場合は、地盤情報を取得したり地盤調査をしっかり行ったりしておきましょう。
また、避難の際も地盤が弱い箇所を知っておけば、あらかじめ走行に注意することができます。
地震の二次災害⑤ がけ崩れ・土砂災害
地震の揺れが引き金となって、二次災害として「がけ崩れ・土砂災害」が起きることもあります。
また、地震の直後は起きなくても、降雨量の多い日や台風時など、少し時間が経過してから土砂災害が発生する可能性もあります。
こうした二次災害にも考慮して、気象庁では地震が起きた後の当面は大雨警報や注意報の基準が引き下げられています。
土砂災害を対象とする大雨警報・注意報、土砂災害警戒情報の発表基準
引用:気象庁HP「揺れの大きかった地域における気象警報・注意報の発表基準について」
地震による地盤の緩みを考慮し、揺れの大きかった地域については、土砂災害を対象とする大雨警報・注意報や土砂災害警戒情報の発表基準を引き下げて運用しています。
がけ崩れ・土砂災害への対策
がけ崩れや土砂災害に対する事前の対策としては、次の事柄が挙げられます。
- 「ハザードマップ」で土砂災害警戒区域の確認
- 非常持ち出し品の準備
やはりあらかじめハザードマップで土砂災害警戒区域を確認しておくと、土砂災害に合うリスクを軽減できます。
自分の自宅近辺はもちろん、避難所までの経路や、通勤・通学経路に警戒区域がないかも確認しておきましょう。
これから家を建てる場合も、あらかじめハザードマップを確認しておくとよいでしょう。
また、近くに山やがけがあるなどで土砂災害の危険がある場合、すぐに避難できるよう、非常持ち出し品の準備もしておくと避難時にスムーズです。
地震の二次災害⑥ 液状化現象
地震の二次災害として、「液状化現象」があります。
液状化現象とは、地震の振動によって地下水位の高い砂の地盤が液体状になる現象の事をいいます。
液状化現象が起きると、家屋やビルなど建物の傾斜や沈下が起きたり、マンホールや水道管など地中の構造物の浮き上がったりします。
また、地盤がずれて移動したり、ひどい場合は噴砂(砂が吹き上げる)や噴水(地下水が噴出する)などが起こります。
お住まいの家屋の下で液状化現象が起きると建物が傾いてしまい、修理費用がかかったり、場合によっては継続して住むことが困難になります。
また、避難経路中で液状化現象が起きると、通行の妨げになってしまい危険です。
液状化現象への対策
二次災害として起きる液状化現象への事前の対策は、次の通りです。
- 液状化しやすい土地の特徴の把握
- 「ハザードマップ」で起きやすい箇所を確認
- 地盤改良
- 建物の基礎下へ薬剤の注入
液状化しやすい土地は、埋立地やかつて池・沼・川であった場所、自然堤防、砂丘間低地、干拓地や三角州である場合が多いです。
また、盛り土や埋め戻した土地、かつて液状化が起きた場所も液状化現象が起きやすい土地といえます。
また、液状化の恐れがあるエリアは、ハザードマップでも確認できます。
これから家を建てる場合は情報を確認の上、こうした土地を避けるか、地盤改良を行うとよいでしょう。
すでに建物が建っている土地の場合は、建物の基礎のしては薬剤を注入するという方法もあります。
地震の家のある場所や周辺だけでなく、避難場所までの避難経路や通勤・通学経路も確認しておきましょう。
液状化現象に関する詳細は、次のコラムもご参照ください。
地震の二次災害⑦ 電気・ガス・水道(ライフライン)の寸断
「電気・ガス・水道といったライフラインの寸断」も、地震による二次災害のひとつです。
特に大規模な地震が起きると、二次災害として停電や断水、ガスが止まるといった事態が起きることが考えられます。
ライフラインが寸断されると、たちまちトイレや飲み水などに困ることになってしまいます。
また、場合によっては復旧までに時間がかかってしまうケースもあり、備蓄品が重要になってきます。
電気・ガス・水道(ライフライン)の寸断への対策
繰り返しになってしまいますが、電気・ガス・水道(ライフライン)の寸断に備えた事前の対策としては、備蓄品の準備が最も重要となってきます。
これらのライフライン寸断に備えて準備しておきたいものは次の通りです。
停電への備え | 幹電池、モバイルバッテリー、充電器、懐中電灯、LEDランタン、ポータブル電源(蓄電式)、カイロ |
ガス寸断への備え | カセットコンロ、発熱剤 |
断水への備え | 飲料水(大人3ℓ/1日、3日~1週間分)、トイレ・お風呂用汲み置き、非常用トイレ、ウェットティッシュ、体拭きシート |
こうした備蓄品を、ライフラインが断たれたことを想定して準備しておくとよいでしょう。
高額ではありますが、最近では太陽光による蓄電池なども販売されているので、必要に応じて用意を検討してみましょう。
電気・ガス・水道(ライフライン)の寸断に関する詳細は、次のコラムもご参照ください。
地震の二次災害⑧ 通信の寸断
災害時は多くの人が家族や友人の安否を心配するため、電話が集中し繋がりにくくなります。
こうした「通信の寸断」も地震による二次災害のひとつです。
連絡が取れないと不安が増し、場合によっては心配で混乱してしまうかもしれません。
災害時にはやはり落ち着いて行動することが安全につながるため、通信が寸断されても慌てないよう、必ず対策を講じておきたいところです。
通信の寸断への対策
通信の寸断にたいしてあらかじめ準備しておけることは、次の通りです。
- 安否確認の方法を決めておく
- 連絡が取れない場合の集合場所を決めておく
- 緊急時の連絡先を紙に書いておく
- モバイルバッテリーの携帯
このようにまずどんな手段があるかを事前に知っておくこと、そして相手がいることに関してはどの手段を利用するか家族や仲間で決めておくことが大切です。
なお、電話などの通信が経たれた際に利用できるものは次の通りです。
- 災害用伝言サービスの使用(171、Web171)
- データ通信を利用する通話アプリ(LINE等)の使用
- 00000JAPANの利用
- 携帯キャリアの安否確認サービス
- SNSの活用
これらの中で、現実的に取り入れられるものを決めて共有しておきましょう。
通信の寸断に関する詳細に関しては、次のコラムもご一読ください。
まとめ
地震による二次災害には、お伝えした通り、
- 余震
- 地震火災
- 津波
- 地割れ
- がけ崩れ・土砂災害
- 液状化現象
- 電気・ガス・水道(ライフライン)の寸断
- 通信の寸断
の8つが考えられます。
地震の一次災害だけでなく、二次災害への対策も平時にぜひ行っておきたいものです。
まずは、今すぐ取り掛かれるところから始めてみてはいかがでしょうか。
余震や頻発する地震への対策には「制震装置」の設置を
地震は朝昼晩関係なく発生し、就寝中など夜中に起きる場合ももちろんあります。
現に阪神淡路大震災が起きたのは1月17日5時46分と早朝であったため、亡くなった方の多くは家屋の倒壊と地震火災によるものといわれています。
住まいをより安全にすることは、あなたとあなたの家族の大切な命を守ることにつながります。
近年、ハウスメーカーなどでも標準搭載されつつある「制震装置」。
余震などの二次災害も想定し、耐震性はもちろん耐震性だけでは不安な「繰り返し起きる地震への対策」としてニーズが高まっています。
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次の耐力壁試験の動画をご覧下さい。
続いて、次の実証実験結果をご覧ください。
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