2023年は地震が多い?1月から6月に起きた震度5以上の地震まとめ
早いもので今年も1年の半分が過ぎました。
石川県能登半島沖で起きた地震など2023年も大きな地震をはじめ大小多くの地震が発生し、引き続き南海トラフ地震、首都直下型地震など大規模な地震の発生も懸念されています。
そこで今回のコラムでは、2023年前半(1~6月)に発生した地震について、中程度以上の地震の解説もまじえながらお伝えしたいと思います
2023年になってからの地震の回数や規模について気になる方、この機会に地震へのリテラシーを高めたい方はぜひご参考ください。
・2023年前半に起きた震度5以上の地震について回数や内容を知ることができます。
・震度5以上の揺れについて知ることができます。
目次
2023年前半に起きた震度1以上の地震の回数
まずは2023年前半(1月~6月)に発生した、震度1以上を観測した地震の回数からご紹介します。
震度1以上は1064回も発生している
気象庁による「地震データベース検索」によると、2023年1月1日~6月30日までの間に発生した震度1以上の地震回数は「1,064回」でした。
昨年の同時期と比較してみると、2022年1月1日~6月30日の間に発生した地震の回数は1,093回であったため、微減しています。
2023年では表・グラフからもわかるように、半年間で月平均約177回の地震が起こっています。
特に5月は404回と突出して回数が多くなっていますが、5月だけで震度1の地震が249回と全体的に激増しているだけでなく、震度5弱以上の地震も合計6回と比較的大きな地震が頻発していたことがわかります。
地震の震度1~7の揺れはどんな揺れ?
では震度1ではどのような揺れが起きるのでしょうか?
ここで地震の震度について再確認しておきたいと思います。
気象庁では震度0~1までの「震度階級」を設けており、地震が発生した際、全国各地の震度観測点に設置された「計測震度計」によって自動的に観測された震度が気象庁より発表されています。
また、「気象庁震度階級関連解説表」を作成・運用し、次の項目における震度ごとの揺れや周囲の状況の目安を示しています。
- 人の体感・行動、屋内の状況、屋外の状況
- 木造建物(住宅)の状況
- 鉄筋コンクリート造建物の状況
- 地盤・斜面等の状況
- ライフライン・インフラ等への影響
- 大規模構造物への影響
あくまでも目安であり建物の状態や立地状況によって差異はありますが、住宅・建物被害や地盤・斜面への被害が現れはじめるのは震度5弱からとされています。
震度0~4の地震
気象庁の解説によると、人が全く揺れを感じないけれども地震計には記録されるレベルの地震を震度0とし、それ以降は震度1~4に分け、震度5・6は震度5弱・震度5強というように強弱2段階にレベル分けし、最大級の被害をもたらすものが震度7、というように全部で10段階級に分けています。
震度0~4までの地震の揺れと屋内外の状況は以下の通りです。
震度 | 人の体感・行動 | 屋内の状況 | 屋外の状況 |
震度0 | 人は揺れを感じないが、地震計には記録される。 | ||
震度1 | 屋内で静かにしている人の中には、揺れをわずかに 感じる人がいる。 |
||
震度2 | 屋内で静かにしている人の大半が、揺れを感じる。 眠っている人の中には、目を覚ます人もいる。 |
電灯などのつり下げ物が、わずかに揺れる。 | |
震度3 | 屋内にいる人のほとんどが、揺れを感じる。 歩いている人の中には、揺れを感じる人もいる。 眠っている人の大半が、目を覚ます。 |
棚にある食器類が音を立てることがある。 | 電線が少し揺れる。 |
震度4 | ほとんどの人が驚く。 歩いている人のほとんどが、揺れを感じる。 眠っている人のほとんどが、目を覚ます。 |
電灯などのつり下げ物は大きく揺れ、 棚にある食器類は音を立てる。 座りの悪い置物が、倒れることがある。 |
電線が大きく揺れる。 自動車を運転していて、揺れに気付く人がいる。 |
また、震度4程度以上の揺れがあった場合、鉄道や高速道路などで安全確認のため、運転見合わせ・速度規制・通行規制が各事業者の判断によって行われます。
震度5の揺れとは
先述の通り、震度5には震度5弱・震度5強の2段階に分けられており、各震度の状況は次の通りです。
【震度5弱】
■地震の揺れと屋内外の状況
- 大半の人が恐怖を覚え、物につかまりたいと感じる。
- 棚にある本や食器類が落ちることがある。
- 固定していない家具が移動することがあり、不安定なものは倒れることがある。
■建物の様子
- 耐震性の低い木造住宅では、壁などに軽微なひび割れ・亀裂がみられることがある。
■地盤や斜面の様子
- 地盤に亀裂や液状化が生じることがある。
- 斜面では落石やがけ崩れが発生することがある。
■ライフライン・インフラへの影響
- ガスメーターに安全装置が付いている場合、遮断装置が作動してガスの供給を停止する。
- 断水や停電が発生することがある。
【震度5強】
■地震の揺れと屋内外の状況
- 物につかまらないと歩くことが難しい。
- 棚にある本や食器が落ちることが多くなる。
- 固定していない家具が倒れることがある。
- 補強されていないブロック塀が崩れることがある。
■建物の様子
- 耐震性の低い木造住宅では、壁などにひび割れ・亀裂がみられることがある。
- 耐震性の低い鉄筋コンクリート造建物では、壁・梁・柱などの部材にひび割れや亀裂が入ることがある。
■地盤や斜面の様子
- 地盤に亀裂や液状化が生じることがある。
- 斜面では落石やがけ崩れが発生することがある。
- 地震管制装置付きのエレベーターは安全のため自動停止する。
■ライフライン・インフラへの影響
- ガス供給では地域ブロック単位でガス供給が止まることがある
このように、震度5弱以上の地震では私たちが感じる恐怖心も大きくなり、実際の被害も出てくることが予測されます
ガスの供給については、さらに揺れが強くなると地域ブロック単位でガス供給が止まることもあります。
震度6の揺れとは
震度6も震度6弱・震度6強の2段階に分けられており、それぞれ次のような状況が予測されています。
【震度6弱】
■地震の揺れと屋内外の状況
- 立っていることが困難になる。
- 固定していない家具の大半が移動し、倒れるものもある。
- ドアが開かなくなることがある。
- 壁のタイルや窓ガラスが破損、落下することがある。
■建物の様子
- 耐震性の低い木造建物は、壁などのひび割れ・亀裂が多くなり、大きなものが入ることもある。
- 耐震性の低い木造建物は、瓦の落下や建物の傾きがおこったり、倒れるものもある。
- 耐震性の高い木造建物でも、壁などに軽微なひび割れ・亀裂がみられることがある。
- 耐震性の低い鉄筋コンクリート造建物では、壁・梁・柱などの部材にひび割れや亀裂が多くなる。
- 耐震性の高い鉄筋コンクリート造建物でも、壁・梁・柱などの部材にひび割れや亀裂が入ることがある。
■地盤や斜面の様子
- 地盤では地割れが生じることがある。
- 斜面ではがけ崩れや地すべりが発生することがある。
■ライフライン・インフラへの影響
- 通信事業者により災害用伝言ダイヤルや災害用伝言板などの提供が行われる。
【震度6強】
■地震の揺れと屋内外の状況
- 這わないと動くことができない。
- 人が飛ばされることもある。
- 固定していな家具のほとんどが移動し、倒れるものが多くなる。
■建物の様子
- 耐震性の低い木造住宅は、傾くものや倒れるものが多くなる。
- 耐震性の低い木造建物は、壁などに大きなひび割れ・亀裂が入るもの、傾くもの、倒れるものが多くなる。
- 耐震性の高い木造建物でも、壁などにひび割れ・亀裂がみられることがある。
- 耐震性の低い鉄筋コンクリート造建物では、壁・梁・柱などの部材に斜めやX状のひび割れ・亀裂がみられることがある。
- 耐震性の低い鉄筋コンクリート造建物では、1階あるいは中間階の柱が崩れ、倒れるものがある。
- 耐震性の高い鉄筋コンクリート造建物でも、壁・梁・柱などの部材にひび割れや亀裂が多くなる。
■地盤や斜面の様子
- 大きな地割れが生じることがある。
- がけ崩れが多発し、大規模な地すべりや山体の崩壊が発生することがある
このように、震度6弱以上に歩くことはもちろん立つこと自体が難しくなり、這うなどの手段を取らないと移動自体が困難になる事が予測されます。
家具等の落下や建物の倒壊の危険性も高くなり、屋外でも外壁や窓ガラスの落下など危険な個所が増えます。
また、耐震性が低い建物では倒壊するものも増え、耐震性が高い建物でも損傷がみられることが予測されます。
震度7の揺れとは
震度7は「最大級の被害をもたらすもの」という位置付けとなっています。
実際に2011年に起きた「東日本大震災」では最大震度7、2016年に起きた「熊本地震」では震度7の地震が2回も起きるという想定外のことも発生し、特に熊本地震では建物被害が甚大でした。
震度7の地震では、次のような状況が予測されます。
■地震の揺れと屋内外の状況
- 立っていることができず、這わないと動くことができない。
- 揺れに翻弄され動くこともできず、飛ばされることもある。
- 固定していない家具のほとんどが移動したり倒れたりし、飛ぶこともある。
- 壁のタイルや窓ガラスが破損、落下する建物がさらに多くなる。
- 補強されているブロック塀も破損するものがある。
■建物の様子
- 耐震性の低い木造住宅は、傾くものや、倒れるものがさらに多くなる。
- 耐震性の高い木造建物でも、壁などのひび割れ・亀裂が多くなり、まれに傾くことがある。
- 耐震性の低い鉄筋コンクリート造建物では、壁・梁・柱などの部材に斜めやX状のひび割れ・亀裂が多くなる。
- 耐震性の低い鉄筋コンクリート造建物では、1階あるいは中間階の柱が崩れ、倒れるものが多くなる。
- 耐震性の高い鉄筋コンクリート造建物でも、壁・梁・柱などの部材にひび割れや亀裂がさらに多くなる。
- 耐震性の高い鉄筋コンクリート造建物でも、1階あるいは中間階が変形し、まれに傾くものがある。。
■地盤や斜面の様子
- 大きな地割れが生じることがある。
- がけ崩れが多発し、大規模な地すべりや山体の崩壊が発生することがある
2023年前半に起きた震度5以上の地震の回数
続いて2023年前半(1月~6月)に発生した、震度5以上を観測した地震の回数をご紹介します。
震度5以上は8回発生している
気象庁による「地震データベース検索」によると、2023年1月1日~6月30日までの間に発生した震度5以上の地震回数は「8回」でした。
昨年の同時期と比較してみると、2022年1月1日~6月30日の間に発生した地震の回数は10回と、こちらも微減しています。
2023年は表・グラフからもわかるように、震度5以上を観測した地震は2月、5月、6月にそれぞれあり、特に5月に震度以上の地震が集中していることがわかります。
2023年前半に震度5以上の地震はどこで起きているのか
以下に2023年1月1日~6月30日までの間に起きた震度5弱以上の地震は、どこで起きたのかをまとめました。
- 2023年2月25日 釧路沖(北海道):最大震度5弱(M6.0)
- 2023年5月 5日 能登半島沖(石川県):最大震度6強、震度5強(M6.5)
- 2023年5月11日 千葉県南部(千葉県):最大震度5強(M5.2)
- 2023年5月13日 トカラ列島近海(鹿児島県):最大震度5弱(M5.1)
- 2023年5月22日 新島・神津島近海(東京都):最大震度5弱(M5.3)
- 2023年5月26日 千葉県東方沖(千葉県):最大震度5弱(M6.2)
- 2023年6月11日 苫小牧沖(北海道):最大震度5弱(M6.2)
中でも5月5日に発生した石川県能登半島沖の地震では、震度6強、震度5強の地震が各1回ずつ観測されており、輪島港、珠洲市長橋(気象庁)観測点でそれぞれ10cmと4cmの津波も観測されています。
死者1人、負傷者 29人にのぼったほか、建物被害では住宅の一部破損が2棟、などの被害が生じました。
なお、この地震は北西~南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、地殻内で発生した地震とされており、能登地方では2018年頃から地震が増え、2020年12月からは地震活動が更に活発になっていることがわかっています。
まとめ
2023年の前半(1月1日~6月30日)の間では、震度1以上の地震は1,064回、震度5弱以上の比較的規模の大きな地震は8回発生していたことがわかりました。
お伝えしたように地震の震度が5弱以上になると、耐震性の低い建物では壁などにひび割れや亀裂が入ることがあると予測されているように、建物被害も発生してきます。
地震が発生した時刻や地域によって地震の被害規模は変わってきますが、どこでも、誰でもが大きな地震に遭う可能性はあります。
平時である今こそ、地震への備えをしておくべきではないでしょうか。
恐ろしい地震から住宅を守る手段は耐震化だけではない~制震のすすめ~
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