地震で家が倒壊しそう?!原因・防止対策・そしてとるべき行動を解説

全国各地で地震が頻発していますが、大規模と言われる地震では必ず家などの倒壊被害が発生しています。

1995年に起きた阪神淡路大震災では、亡くなった方の実に8割以上が建物の倒壊などによる圧死が原因とされています。

大切な家族が、大切なあなたが毎日過ごす「家」。

だからこそ可能な限り安全にしておきたいものです。

今回のコラムでは、「地震と家」に注目し、地震で家が倒壊する原因と防ぐ方法を解説するとともに、万が一地震で家が倒壊しそうな時に助かるための方法もお伝えします。

この記事を読んだらわかること

・地震による家の倒壊の原因と防ぐ対策法がわかります。
・地震で家の倒壊の恐れがある時に取るべき行動がわかります。

 

地震によって家が倒壊する原因とは

地震によって家が倒壊する原因には、おもに

  • 地震の規模や揺れの強さ
  • 揺れの周期
  • 地震の頻度(繰り返し)
  • 地盤の状況
  • 築年数や老朽化
  • 不適切な設計・施工

の6つが影響するとされています。

事項よりそれぞれについてもう少し詳しく説明していきます。

地震の規模や揺れの強さによる家への影響

皆さんご存知の通り、地震の規模や大きさを表す際は、マグニチュードや震度という言葉が用いられています。

マグニチュードと震度は、それぞれ次の内容を示しています。

マグニチュード:地震そのものの大きさ(規模)をあらわす

震度:ある場所における地震の揺れの強弱の程度をあらわす

震度は日本では気象庁が定めた「震度階級」が用いられており、各震度における状況や被害の目安を想定しています。

地震の震度と家への影響
出典:国土交通省 気象庁HP

また、気象庁では、各震度ごとに家や建物(木造住宅、鉄筋コンクリート造建物)への被害の目安も想定しています。

震度以外の状況による影響もあるため一概にはあてはまりませんが、これによると目安として、木造住宅では耐震性が低い場合は震度6弱の地震で倒壊の恐れがあることがわかります。

また、鉄筋コンクリート造建物においても、耐震性が低い場合は震度6強の地震で1階や中間層の柱が崩れ、倒れる恐れがあることがわかります。

出典:国土交通省 気象庁HP
出典:国土交通省 気象庁HP


地震の揺れの周期による家への影響

家の倒壊と地震の周期
出典:地震本部HP

地震の揺れには「周期」があります。

地震の揺れの周期とは、地震から感じる揺れが1往復するのにかかる時間のことです。

地震の周期は次の6つに分類されています。

  • 極短周期地震動
  • 短周期地震動
  • 稍(やや)短周期地震動
  • 稍(やや)長周期地震動
  • 長周期地震動
  • 超長周期地震動

また、家などの建物の揺れも「周期」があります。

建物の揺れの周期とは建物が一回揺れる時間のことで、「固有周期」とよばれています。

固有周期は建物の高さ・重さ・固さによって異なるため、家や建物ごとに違います。

そして地震の揺れの周期と建物の固有周期の、両者の周期が一致したときに建物の揺れが増幅され、これを共振現象と言います。

こうした共振現象が起きたとき、家の倒壊リスクは高くなります。

地震の頻度(繰り返し)

家が倒壊する原因のひとつに、地震の頻度、いわゆる地震の揺れを繰り返し受けることも挙げられます。

小さな地震が繰り返し何度か起きている場合、家には小さなダメージが蓄積され徐々に弱くなっていきます。

このような状態のときに大きな地震を受けると、家の倒壊につながるケースがあります。

また、大きな地震が起きた場合、家が倒壊しなくても家には大きなダメージが蓄積されています。

その後、通常では家が倒壊するほどのレベルではない小さな地震が起きたときに、蓄積されたダメージによって家が倒壊するケースもあります。

つまり、地震の大小や揺れの強弱に関わらず、繰り返し地震の揺れを受けてダメージが蓄積されるごとに家そのものが徐々に弱体化し、倒壊につながっていくというわけです。

地盤の状態による家への影響

家の倒壊と地盤
出典:地震本部HP

地震による家の倒壊には、地盤の状態も影響します。

地盤とは、地表から深さ約100mまでの部分のことをいいます。

一般的に「固い地盤」は地震に強く、「やわらかい地盤」は地震に弱いとされており、家の建っている地盤がやわらかい場合、同じ震度でも揺れが大きくなり倒壊リスクが高まってしまいます。

なぜならやわらかい地盤は揺れの性質を成す「振幅」と「周期」を、より大きく長く伝えてしまうためです。

地震が発生すると、揺れのエネルギーは「地震波」となり地面の中を伝わり、それが地表に届いたものを私たちが「揺れ」として感じます。

地盤が固いほど振幅は小さく周期は短く伝わり、地震の揺れは小さく感じられます。

一方、地盤がやわらかいほど振幅は大きく周期は長く伝わり、地震の揺れは大きく感じられます

また、やわらかい地盤は地震による液状化も起こしやすいといった面があります。

液状化によって家の基礎部分へダメージを与え、倒壊につながるケースもあります。

関連コラム】
地震による液状化現象とは?起きる仕組みや被害と対策を知っておこう

築年数や老朽化による家への影響

築年数の古い家

家の築年数が古い場合や、家の老朽化も地震による倒壊の原因のひとつです。

私たちの住んでいる家は、基本的に建築基準法に基づいて建てられています。

建築基準法では「耐震基準」が定められており、現在の耐震基準は次の内容になっています。

  • 「震度5強程度」の中規模地震において家屋や建物がほとんど損傷しない
  • 「震度6強~7程度」の大規模地震において家屋や建物が倒壊・崩壊しない

こうした現在の耐震基準はいわゆる「新耐震基準」と呼ばれており、1981年にそれまでの耐震基準を大幅に改正したものです。

反対に1981年以前の耐震基準は「旧耐震基準」と呼ばれており、現行よりも耐震性が低い基準で定められていました。

したがって、改正以前の旧耐震基準で建てられた比較的築年数の古い家は、地震によって倒壊しやすい傾向にあるということになります。

実際に阪神淡路大震災では、建物の倒壊被害が旧耐震基準の家に集中していたという調査結果も出ています。

また、それ以降に建てられた家であっても、老朽化によって基礎や柱などの構造部が損傷していたり、シロアリ被害が発生して構造部が弱体化していたりといった理由で、倒壊の原因につながる場合もあります。

関連コラム】
古い住宅の耐震性を知るには築年数が目安になる~耐震基準を知るには~

不適切な設計・施工による家への影響

まれに、不適切な設計や施工で建てられた家もみられます。

建築基準法に基づかないで建てられたいわゆる違法建築物は、新旧問わず耐震基準を満たしてないことが多く、地震が起きたときに危険です。

最近ではこのような例はあまり見られませんが、こうしたことも地震による家の倒壊の原因として挙げられます。

地震による家の倒壊を防ぐには ~新築の場合~

新築の家の倒壊を防ぐには

新たに家を建てる際に、地震による家の倒壊を防ぐには以下の方法が挙げられます。

基礎の強化と地盤改良

基礎と地盤は家の土台となる重要な部分です。

家を建てる際には家の基礎部分を強固にしておくことと、地盤が柔らかい場合は地盤改良をしておくことが大切です。

家の基礎にはいくつか種類がありますが、中でも「ベタ基礎」が耐震性に優れていると言われています。

また、地盤に関しては通常家を建てる前に地盤調査が行われ、必要に応じて地盤改良がおこなわれます。

やわらかい地盤であっても、地盤改良を行うことで地震により強い地盤へとけることができます。

関連コラム】
【木造住宅の構造を再確認】基礎と木部の構造とメリットデメリット

地盤改良とは?種類や地盤改良後に建てる建物への地震対策をご紹介!

耐震性の向上

家の倒壊防止には、家そのものの耐震性を上げておくことで大きな効果が期待できます。

繰り返しになりますが現行の耐震基準では、

  • 「震度5強程度」の中規模地震において家屋や建物がほとんど損傷しない
  • 「震度6強~7程度」の大規模地震において家屋や建物が倒壊・崩壊しない

という基準が設けられており、最低でも上記の耐震性は確保されています。

また、耐震基準とは別に、家の耐震性を知る目安となる「耐震等級」が2000年から運用されています。

耐震等級はその家の耐震性を3段階のレベルに分けて数値化したもので、耐震等級3>耐震等級2>耐震等級1の順に性能が高くなっています。

より耐震性を重視するのであれば、耐震等級の高い家を選択するとよいでしょう。

ちなみに先述の耐震基準と照らし合わせた場合、「耐震基準=耐震等級1」のレベルに該当します。

耐震等級
耐震等級1震度6強~7程度の数百年に一度レベルの地震ではすぐに倒壊や崩壊をしない
震度5程度の数十年に一度発生する地震ではすぐに住宅が損傷しない
※現行の建築基準法で定められた最低限の耐震性能を満たしている
耐震等級2「耐震等級1の1.25倍」の地震が起きてもすぐに建物が倒壊や損壊、損傷しない
耐震等級3「耐震等級1の1.5倍」の地震が起きてもすぐに建物が倒壊や損壊、損傷しない
関連コラム】
耐震等級はどうやって決められているの?|耐震性能を高めるためのポイントを解説します

制震ダンパーの設置

制震ダンパーの設置例

制震ダンパーとは、家などの建築物に制震の技術を取り入れる際に設置される制震装置のことです。

また、制震とは、建物に制震装置を設置し地震の揺れを吸収し抑制する技術のことを指します。

制震ダンパーは一般的な戸建ての家から高層ビルまで広く採用されており、「東京駅」や「東京スカイツリー」などでも用いられています。

近年は耐震性の高い住宅に+αで制震の技術を組み合わせる、「耐震+制震」が地震対策として注目されています。

なぜなら家に制震ダンパーを設置することで、耐震性だけではカバーしきれない点を制震ダンパーで補うことができるためです。

「耐震性を高める=地震に耐え得るよう家自体を頑丈にする」ことを意味しますが、耐震性の向上だけでは、

  • 繰り返しの揺れによって建物へダメージが蓄積される
  • 地震の揺れが建物にダイレクトに伝わってしまう

といった弱点があります。

そこで、あわせて制震ダンパーを設置することで、こうした弱点をカバーすることが可能になります。

制震ダンパーにはオイルダンパー、ゴムダンパー、鋼材ダンパーなどいくつか種類があり、それぞれに特徴があるため、用途に応じて適したものを用いるようにしましょう。

制震ダンパーに関する詳細をご覧になりたい場合は、下のバナーよりお気軽にご請求ください。詳しい資料をお送りさせていただきます。

制震ダンパーの資料

地震による家の倒壊を防ぐには ~既存住宅の場合~

既存の家の倒壊を防ぐには

次に、既存の住宅において、家を地震から守り倒壊を防ぐための方法として、次の内容が挙げられます。

定期的な点検と補修

築年数の経過に伴い、やはり構造部などが老朽化してきます。

そのため家の定期的な点検と、必要に応じた補修を行うことが大切です。

特に木造住宅では柱や基礎部分にシロアリ被害があると倒壊のリスクが高くなるため、注意が必要です。

耐震診断・耐震補強工事

耐震診断・耐震性評価

耐震診断を受け、必要に応じて耐震補強工事を実施することも倒壊防止の方法のひとつです。

プロによる診断を受け、耐震補強を行っておくことで家の耐震性はかなり向上します。

耐震診断は自治体によって補助が出る場合も多いため、気になる方はお住まいの自治体に確認してみましょう。

また、耐震補強工事とあわせて、同時に制震ダンパーの設置も可能です。

繰り返しになりますが、近年は地震対策として「耐震+制震」がスタンダードとなりつつあります。

制震ダンパーの種類によっては既存の住宅への設置も可能であるため、適したものを選んで設置しましょう。

関連コラム】
「耐震診断、費用はどれくらい?」耐震診断を行う理由や流れも解説

万が一家が倒壊しそうな時に助かるには?

家が倒壊しそうな時に助かるには

では、万が一地震に遭ってしまい、家が倒壊しそうな状況となった場合、助かるにはどのような行動をとればよいでしょうか。

次にポイントをまとめました。

  • 頑丈なテーブルや机の下に素早く避難する
  • 頭上の危険物(照明器具、飾り物など)から遠ざかる
  • 窓ガラスや食器棚のガラスなど、割れ物の近くから離れる
  • 大型家具・家電や重い物の近くから離れる
  • 出口や避難経路の方向を確認する
  • ドアなどを開けて避難口を確保する
  • クッション、枕、バッグ、ヘルメットなどで頭と首を保護する
  • 倒れそうな壁や柱からは素早く離れる
  • 建物の崩壊が始まった場合は、カバーで頭を守りながらうつ伏せになる
  • 外に避難する場合は落下物から離れ、安全な場所へ移動する
  • 室内からスリッパや靴を履いて避難する

また、室内での倒壊被害を少しでも軽減するために、地震が起きてしまう前から

  • 避難経路の確認と家族との共有
  • 家具家電の固定と配置の工夫

は行っておきましょう。

まとめ:助かるためには家の倒壊を防ぐ対策と行動が大切

家が倒壊する原因を正しく理解し、その家その家に合った対策を講じておくことで家の倒壊被害をできるだけ軽減することができます。

また、万が一家が倒壊しそうな場面に遭遇してしまった時のために、どの様な行動をとればよいのかも把握しておきましょう。

今も日本のどこかで起きている地震。

平時の今だからこそしておける対策を、少しずつ、そして着実にしておくことで、家の倒壊や人的な被害を少なくすることができるのではないでしょうか。

住まいの地震対策として注目の「制震ダンパー」

制震ダンパー「αダンパーExⅡ」

法改正等により住宅の耐震化が当たり前となってきている今、耐震化された住宅へ「制震」の技術をとりいれる方法は住宅への地震対策として年々広がりを見せています。

住宅を新築する際はもちろん、リフォームやリノベーションと合わせて制震ダンパーを設置したり、耐震工事と合わせて制震ダンパーを設置するケースも増えています。

制震の技術は耐震性の継続に効果を発揮し、耐震の弱点をカバーします。

こうした制震のメリットを、平時の今だからこそ大切な住まいへ取り入れてみてはいかがでしょうか。

制震の技術を取り入れるには、どんな制震装置でもよいわけではありません。

  • 確かなエビデンスに基づいた性能
  • 確固たる実績

を必ずご確認ください。

制震ダンパー「αダンパーExⅡ」とは

制震ダンパー「αダンパーExⅡ」

トキワシステムの制振装置である制震ダンパー「αダンパーExⅡ」は特殊オイルを用いたオイルダンパーです。

「αダンパーExⅡ」は東京工業大学・静岡大学・豊田工業高等専門学校・岐阜県立森林文化アカデミーなどの数多くの学術研究機関による性能試験をクリアし、その確かな性能が認められています。

制振ダンパー「αダンパーExⅡ」の特徴を簡単にまとめました。

  • 建物の変形を約1/2に低減し、建物の損傷を大幅に軽減する高い性能
  • 副資材が不要、半人工以下の簡易施工を実現する施工性の高さ
  • 120年の製品保証とメンテナンスフリーの実現による耐久性の高さ
  • コストパフォーマンスの高さ
  • さまざまな研究機関などで実施した実証実験による信頼性
  • 18,000棟以上にもおよぶ採用実績
  • 新築へも既存住宅へもフレキシブルに施工可能

次の制震装置付き耐力壁の実験動画をご覧ください。

続いて、次の実証実験結果をご覧ください。

耐震工法で建てられた住宅に制震装置『αダンパーExⅡ』 を設置すると、設置前に比べて大きく地震の揺れが軽減されることがわかります。

(※radとは、radian(ラジアン:層間変形角を意味する国際単位)の略で、柱の傾きを示し、分母の数字が大きくなるほど実際の傾きは少なくなります。)

このように数ある制震ダンパーの中でもトキワシステムの制震ダンパー「αダンパーExⅡ」は十分な採用実績、きちんとした裏付けに基づいた安心の技術でお施主様のご自宅をお守りします。

参考コラム】
制振ダンパーの施工画像20選を住宅タイプ別に紹介!地震後の画像もあり
制震ダンパー ランキング オイルダンパーはαDamperExIIが第一位

大切なあなたの家族を守りたい ―KEEP YOUR SMILE―

制震ダンパー「αダンパーExⅡ」

いつ起きるかわからない地震。

恐ろしい地震から、誰もが家族や住宅を守りたいと願うものです。

トキワシステムの制震ダンパー「αダンパーExⅡ」は、耐震化された住宅の弱点を補いつつ、建物の倒壊防止に効果を発揮します。

この機会に、ご自宅に制震ダンパーを取り入れてみませんか?

「この住宅には設置できるの?」

「取り入れてみたいけれどどうやって設置するの?」

などご質問やご不明な点等ございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせフォームはこちらからどうぞ。

資料請求フォームからもご質問等受け付けております。

監修者情報

株式会社トキワシステム

株式会社トキワシステム

制震ダンパー・地震対策の情報について発信しています。
トキワシステムが提供する制震ダンパー『αダンパーExⅡ』は、地震から建物を守り、住まいの安心と安全をご提供いたします。

保有資格
・二級建築士
・フォークリフト運転技能者
・木材加工用機械作業主任者
・第二種電気工事士

受賞歴
・GOOD DESIGN AWARD 2021