「防災リテラシー」って?地震に関する知識を高めて万が一に備えよう
・防災リテラシーとは何かがわかります。
・地震に関する防災リテラシーを高めるために必要な内容がわかります。
大規模災害が増えつつある近年、防災に関する新しい言葉として「防災リテラシー」というワードをテレビやネット上でよく耳にするのではないでしょうか。
私たちは防災リテラシーを高めていく必要がありますが、そもそも防災リテラシーとはどういう意味で何を指しているのでしょうか。
今回のコラムでは防災リテラシーとは何か、そして多くの災害の中でも「地震」に注目し、地震に関する防災リテラシーを高めるために知っておきたい事柄について解説します。
目次
防災リテラシーとは
最近は防災に限らず、「リテラシー」という言葉は「ITリテラシー」「ネットリテラシー」「金融リテラシー」「メディアリテラシー」などあらゆる分野で使われています。
まずはリテラシーそのもの意味から解説します。
リテラシーとは
リテラシー(literacy)とは本来、「読解記述力(読み書きの能力)」を表す言葉です。
そこから転じて現代の日本では、「物事や知識に関する理解力と応用力」そしてそれらを「適切に活用できる能力」といった意味で用いられることがほとんどです。
防災リテラシーとは
では防災リテラシーとは具体的にどういう内容を指しているのでしょうか。
災害や防災の定義は、災害対策基本法によって次のように定められています。
災害対策基本法 第一章 総則 第二条 一
災害 暴風、竜巻、豪雨、豪雪、洪水、崖崩れ、土石流、高潮、地震、津波、噴火、地滑りその他の異常な自然現象又は大規模な火事若しくは爆発その他その及ぼす被害の程度においてこれらに類する政令で定める原因により生ずる被害をいう。
引用元: e-gov 法令検索
<引用>
災害対策基本法 第一章 総則 第二条 二
防災 災害を未然に防止し、災害が発生した場合における被害の拡大を防ぎ、及び災害の復旧を図ることをいう。
引用元: e-gov 法令検索
すなわち「防災リテラシー」とは、“防災の正しい知識を持ち、災害を未然に防ぐとともに災害発生時に被害を最小限にとどめるため、適切に判断して行動をするための力”といえます。
地震への防災リテラシーを高めるために知っておきたい事
一言で防災リテラシーと言っても、先述の通り災害の範囲はとても広いものとなっており、私たちはできる限り、様々な災害に対する防災リテラシーを高めておきたいところです。
まずは「南海トラフ地震」「首都直下型地震」などが懸念され、日本各地で発生の恐れがある一番身近な災害として「地震」について防災リテラシーを高めるために知っておきたい事をお伝えしてきます。
地震の防災リテラシーを高めるために知っておきたい事は、次の4つの項目に大きく分けることができます。
- 地震そのものについて
- 想定される被害や現象
- 地震に対する備え
- 実際に地震が起きたときの行動
次項より、それぞれについて詳しく解説していきます。
1.地震について知る
地震に関する防災リテラシーの向上のために、まずは地震がなぜ起こるのか、震度によってどんな状況が想定されているのかなど、“地震そのもの”についても知っておきましょう。
地震が発生する仕組み
地震の発生には、海底や大陸の下にある「プレート」の配置と動きが大きく関与しています。
これらは更に、
- 海溝型(プレート境界型)地震
- 内陸型(直下型)地震
の2つに分けることができます。
海溝型(プレート境界型)地震 は発生頻度が100年に1回程度と高いのが特徴で、地震の規模も大きく、津波が発生する場合もあります。
また、内陸型(直下型)地震はいわゆる活断層のずれによるもので、震源地が比較的浅いという特徴がありますが、人々が生活をしている都市部の下で起こるため、地震の規模が小さくても甚大な被害をもたらします。
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2.想定される被害や現象について知る
防災リテラシーを高めるには、今後起こる事への予測を把握しておくこともとても重要になってきます。
ある程度の予測があるからこそ、予防や対策につながります。
震度ごとの想定被害
地震が起きたときに発表されるマグニチュードと震度の違い、そして震度ごとに想定される被害を把握しておきましょう。
- マグニチュード:地震の規模の大きさ
- 震度:地震の揺れの大きさ
【震度ごとに想定される被害】
地震によって引き起こされる現象・被害
地震では揺れだけでなく、地震によって次のような現象や被害が起きることが想定されます。
- 長周期地震動
- 津波
- 液状化
- 地震火災
- 土砂災害
私たちは揺れへの対策だけでなく、それぞれの被害についても過去に起きた被害の状況を把握し、必要に応じて対策をとっておく必要があります。
住んでいる地域で津波や液状化等の恐れがないかをハザードマップで確認したり、長周期地震動の影響を受けやすい建物かどうかを確認したりして、あらかじめできる対策をとっておきましょう。
また、地震火災を起こさないための予防策や対処法について学んでおきましょう。
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今後想定される地震
これまでの過去の実績や現在のデータ等に基づいて、現時点で今後発生が想定される大規模地震が下記の通りいくつか挙げられています。
- 南海トラフ地震
- 首都直下型地震
- 日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震
- 中部圏・近畿圏直下地震
- 相模トラフ沿い海溝型地震
しかし地震に関する観測や分析の技術等は日々進歩しているとはいえ、地震の発生はまだまだ予知しにくいと言われています。
直前のアラームによる緊急警報などはかなり発達しましたが、具体的に何日後に発生する、などといった予測はたてられないのが現状です。
いつ起きても慌てないよう、まずは自身の住んでいる地域で予測されている地震だけでも詳細を把握しておきましょう。
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3.地震に対する備えについて知る
繰り返しになりますが、地震はいつ起きるかわかりません。
ある日突然大規模な地震が起きても慌てたり困ったりしないよう、
- 物質的な備え
- 情報の収集や共有
- 物理的な予防
について何が必要なのか、どんな方法があるのかを把握し、しっかりと準備を行っておきましょう。
非常持ち出し、備蓄品
いつ地震が起きても数日間は困ることがないよう、地震に備えてどのようなものが必要かを知っておき準備しておく必要があります。
「多分これだけあればよいかな?」となんとなく準備するのではなく、家族の人数や年齢などに留意して必要なものを揃えておきましょう。
また、ペットを飼っているご家庭ではペットへの備えも忘れず行っておきましょう。
情報収集・情報の共有
食料品などの物質的な備えはもちろん、災害時には必要な情報をあらかじめ共有しておくこともとても大切です。
- 緊急時の連絡方法
- 会社・学校・幼稚園・保育園の災害時の対応方法
- 避難所・避難所までの経路
- ハザードマップ・防災マップ・危険箇所
これらの情報は家族や必要であればご近所、親戚、友人等とも共有しておくとよいでしょう。
過去の震災時では、家族と連絡が取れなくて困ったり心配が募ったりという事例がとても多くみられました。
連絡方法や集合場所などはしっかりと話し合っておきましょう。
家具の転倒防止・配置の工夫
転倒防止にはどのような方法があるか知ることで防災リテラシーも高まり、被害も最小限にとどめることができます。
1995年に起きた阪神淡路大震災では、死因の8割近くが家具や建物による圧死と言われています。
もしも夜中や早朝などに家で就寝中に大規模地震が起きた場合、逃げる前に家具の下敷きになることも考えられます。
大型家具・家電の下敷きにならないよう、転倒防止や配置の工夫をおこなっておきましょう。
住宅の耐震化
住宅の耐震化等は最近の住宅ではデフォルトになりつつありますが、既に住宅を取得している場合に意外と見落としがちです。
マンション等では耐震補修工事などが行われているケースが多いですが、特に築年数の古い戸建て住宅では耐震化されてない家もまだ多くみられます。
地震に関する防災リテラシーを高めるには、住宅の耐震、制震などの地震対策について正しく理解し、お住まいの家にも対策をしておくことが大切です。
繰り返しになりますが、阪神大震災では死因の8割近くが家具や建物による圧死と言われています。
家具家電の固定等だけでなく、家そのものを耐震化等によって強く安全にしておきましょう。
また、最近では耐震にプラスして制震技術を住宅に取り入れたいというニーズが増えており、大手ハウスメーカーや工務店でも制振装置(制震ダンパー)が標準となっているケースが増えています。
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制震装置(制震ダンパー)についてもっと詳しく知りたいという方は、下のバナーからお気軽にご請求ください。
4.実際に地震が起きたときの行動について知る
いざ地震が起きたときに「どんな行動をとればよいかわからない」という方は意外と多いのではないでしょうか。
- 自宅にいた場合
- マンションや集合住宅の中にいた場合
- エレベーターの中にいた場合
- スーパーや商業施設の中にいた場合
- 職場・学校にいた場合
- 地下にいた場合
- 屋外にいた場合
など、地震の発生はあらゆるシーンが考えられます。
また、自宅の中と言っても居室、キッチン、トイレ、お風呂などで対応は変わってきます。
平時から万が一地震が起きたときにどうすればよいかを知っておくのと知らないのとでは、被害の程度に大きな差が出ます。
あらゆる場合についてまず取るべき行動を頭に入れておきましょう。
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まとめ
今回は防災リテラシーとは何かについてお伝えするとともに、地震に関する防災リテラシーを高めるために知っておきたい内容についてお伝えしました。
いつどこで起きるかわからない地震。
日頃から防災リテラシーを高め、万が一の時でも慌てないよう備えておきましょう。
住まいの地震対策として注目の「制震ダンパー」
法改正等により住宅の耐震化が当たり前となってきている今、耐震化された住宅へ「制震」の技術をとりいれる方法は住宅への地震対策として年々広がりを見せています。
住宅を新築する際はもちろん、リフォームやリノベーションと合わせて制震ダンパーを設置したり、耐震工事と合わせて制震ダンパーを設置するケースも増えています。
制震の技術は耐震性の継続に効果を発揮し、耐震の弱点をカバーします。
防災リテラシーが高まった今だからこそわかる制震のメリットを、大切な住まいへ取り入れてみてはいかがでしょうか。
制震の技術を取り入れるには、どんな制振装置でもよいわけではありません。
- 確かなエビデンスに基づいた性能
- 確固たる実績
を必ずご確認ください。
制震ダンパー「αダンパーExⅡ」とは
トキワシステムの制振装置である制震ダンパー「αダンパーExⅡ」は特殊オイルを用いたオイルダンパーです。
トキワシステムの振動計測器メーカーとしての経験と技術が認められ、名古屋の国立研究機関からの要請による「木造住宅専用の振動測定装置」の開発を経て、振動を吸収する技術に特化した「αダンパーExⅡ」を開発しました。
10年以上、そして中部圏(東南海地震警戒地区)を中心に18,000棟の実績があり、おかげさまで東海地域ではナンバーワンの実績です。
また、「αダンパーExⅡ」は東京工業大学・静岡大学・豊田工業高等専門学校・岐阜県立森林文化アカデミーなどの数多くの学術研究機関による性能試験をクリアし、その確かな性能が認められています。
制振装置「αダンパーExⅡ」の特徴をまとめると、次の通りです。
- 建物の変形を約1/2に低減し、建物の損傷を大幅に軽減する高い性能
- 副資材が不要、半人工以下の簡易施工を実現する施工性の高さ
- 120年の製品保証とメンテナンスフリーの実現による耐久性の高さ
- コストパフォーマンスの高さ
- さまざまな研究機関などで実施した実証実験による信頼性
- 18,000棟以上にもおよぶ採用実績
- 新築へも既存住宅へもフレキシブルに施工可能
次の制震装置付き耐力壁の実験動画をご覧ください。
続いて、次の実証実験結果をご覧ください。
耐震工法で建てられた住宅に制震装置『αダンパーExⅡ』 を設置すると、設置前に比べて大きく地震の揺れが軽減されることがわかります。
(※radとは、radian(ラジアン:層間変形角を意味する国際単位)の略で、柱の傾きを示し、分母の数字が大きくなるほど実際の傾きは少なくなります。)
このように数ある制震ダンパーの中でもトキワシステムの制震ダンパー「αダンパーExⅡ」は十分な採用実績、きちんとした裏付けに基づいた安心の技術でお施主様のご自宅をお守りします。
大切なあなたの家族を守りたい ―KEEP YOUR SMILE―
いつ起きるかわからない地震。
恐ろしい地震から、誰もが家族や住宅を守りたいと願うものです。
トキワシステムの制震ダンパー「αダンパーExⅡ」は、耐震化された住宅の弱点を補いつつ、建物の倒壊防止に効果を発揮します。
「この住宅には設置できるの?」
「取り入れてみたいけれどどうやって設置するの?」
などご質問やご不明な点等ございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
お問い合わせフォームはこちらからどうぞ。
資料請求フォームからもご質問等受け付けております。