制震ダンパーは後付けできるの?選び方のポイントを施工例とともにご紹介
地震大国日本では、私たちが住む家から公共の建物まで、耐震などの地震対策が非常に重要です。
そんな中で最近注目を集めているのが、かつては大型建築物に用いられていた「制震ダンパー」を一般の住宅にも取り入れる方法です。
制震ダンパーは新築時に取り付けるイメージが強いですが、種類によってはリフォーム時などに後付けすることも可能です。
今回のコラムでは制震ダンパーを後付けした施工例を中心に、後付けに適した制震ダンパーの選び方について解説していきます。
・制震ダンパーを後付けした実例を知ることができます。
・後付けにおすすめな制震ダンパーがわかります。
目次
後付けにおすすめな制震ダンパーとは
制震ダンパーにはオイル・ゴム・摩擦・バネ・テープなどいくつか種類がありますが、大手ハウスメーカーなどでも新築時に制震ダンパーの設置を標準搭載しているところが増えてきたように、その多くは新築時に設置されます。
しかし冒頭でもお伝えしたように、制震ダンパーは後付けも可能なものがあります。
近年は既存住宅の耐震化や、リフォーム等の際にあわせて制震ダンパーを設置したいというニーズも増えています。
後付けする際に制震ダンパーを選ぶときのポイントとして、次の3つが挙げられます。
制震ダンパーを後付けする時のポイント①「制震ダンパーの大きさ」
制震ダンパーの種類には先述の通りオイルダンパー、ゴムダンパー等の素材の違いがありますが、素材とともに大きな違いとなるのが制震ダンパーの「大きさ」です。
制震ダンパーにはサイズが「大きいもの」と「小さいもの」とがあります。
基本的にサイズの大きな制震ダンパーは新築時に取り付けられるケースがほとんどです。
なぜなら大きい制震ダンパーでは壁面の床、柱、梁などに固定して取り付けるというような筋交いタイプが多く、工事も大掛かりになるためです。
また、このタイプの多くは断熱材にも影響を及ぼすため注意が必要です。
大きな制震ダンパーでは「新築時のみ取り付け可能」と謳われている製品も多いですが、中には新築用とリフォーム用が区別されており後付けできるものもあります。
対して大きさが小さい制震ダンパーは後付けに向いている、といえます。
なぜなら小さい制震ダンパーでは柱と梁、土台と柱、といった比較的小さい角への取り付けが多く、狭いスペースへの取り付けも可能です。
施工も大きなものと比較して容易で、基本T根木に大掛かりな工事を必要とせず、断熱材への影響もほとんどありません。
また、工法や間取りなど設置に関する条件も少ないものが多いのも小さい制震ダンパーの特徴のひとつです。
したがってリフォームなどで既存の住宅へ制震ダンパーを後付けする際は、大きさがコンパクトで小さい制震ダンパーがおすすめです。
制震ダンパーを後付けする時のポイント②「住宅の工法」
制震ダンパーを後付けする際は、住宅の工法も確認しておかなければなりません。
新築時に制震ダンパーをとりるける場合もそうですが、製品ごとに設置条件や適応範囲があります。
一般的な戸建住宅では在来軸組工法(木造軸組工法)が多く、制震ダンパーの多くもこちらの工法を対象としている物がほとんどです。
製品によってはツーバイフォー工法(2×4工法)にも対応しているものもあるので、後付けを考えている既存住宅の工法がなにかを確認し、対応している制震ダンパーを選ぶ必要があります。
<参考コラム>
制震ダンパーを後付けする時のポイント③「既存住宅の耐震性」
既存の住宅へ制震ダンパーを後付けする際は、その住宅の耐震性も知っておく必要があります。
なぜなら制震ダンパーを用いた「制震」の技術は「耐震」と組み合わせることで相乗効果を発揮し、お互いのメリットをより高く発揮できるからです。
「耐震」とは建物そのものの強度を向上させることで地震の揺れに耐えられるようにする技術のことで、住宅をはじめ建物の地震対策の基本です。
しかし耐震にも繰り返しの地震に弱いといった弱点があります。
繰り返し受けてしまったダメージはどうしても建物に蓄積され、耐えきれなくなってしまうと建物の倒壊や大規模損壊につながってしまいます。
「制震」とは建物に制震装置を設置し地震の揺れを吸収して抑制する技術のことで、建物の変形を大きく低減し、繰り返しの揺れにも効果を発揮するという強みがあります。
つまり、揺れに耐えられるよう建物を頑丈にする「耐震」と、揺れを吸収し繰り返しの揺れにも対応する「制震」の技術を組み合わせることで、弱点をカバーして両方を効果をより高くすることができるのです。
そのため、制震ダンパーを後付けする際には既存住宅の耐震性がどれくらいかを知っておく必要があります。
既存住宅の耐震性は、その家が建てられた年月日や耐震等級、耐震診断などによって知ることができます。
<参考コラム>
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実際に後付けした際の施工例
では実際にオイルダンパーである制震ダンパー「αダンパーExⅡ」を後付けした際の、施工例をご覧ください。
後付けの施工例①:【埼玉県】株式会社エム・ジェイ様
こちらの写真は埼玉県にオフィスを構える株式会社エム・ジェイ様より、リフォーム時に制震ダンパーαダンパーExⅡを設置した際の施工写真を頂いたものです。
狭いスペースにもしっかりと制震ダンパーを設置出来ている様子がわかります。
現場の大工さんから、「施工マニュアルを確認しながら行ったが、制震ダンパー自体が小さいので設置は難しくなかった。」というお声を頂いております。
後付けの施工例②:【三重県】寺本工業株式会社様
こちらの写真は三重県桑名市にオフィスを構える寺本工業株式会社様より、リフォーム時に制震ダンパーαダンパーExⅡを設置した際の施工写真を頂いたものです。
壁の一部分のみを剥がして制震ダンパーを取り付けています。
小型で取り付けが簡単なため、1人でも楽に施工できます。
現場監督さんから、「施工が非常に簡単で良い。そして、小さいから楽。リフォームだから壁を剥がす工程で少し時間が掛かったが、新築ならば2時間程度で済むのではないだろうか。」というお声を頂いております。
>寺本工業株式会社様・M様邸【三重県桑名市】の施工写真をもっと見る
後付けの施工例③:【愛知県】株式会社くらしのリーザ様
こちらの写真は愛知県常滑市にオフィスを構える株式会社くらしのリーザ様より、増改築時に制震ダンパーαダンパーExⅡを設置した際の施工写真を頂いたものです。
既に制震ダンパーαダンパーExⅡを導入頂いていた住宅へ増築工事をおこなうため、その増改築部分へ追加で制震ダンパーを設置した際の施工写真です。
こちらも取り付けが簡単なため、1人でも楽に施工できる様子がわかります。
現場監督さんからは「これ施工簡単だよね。」というお声を、H様からは「これからはこういうのが大事。」というお声を頂きました。
>株式会社くらしのリーザ様・H様邸【愛知県】の施工写真をもっと見る
リフォームなど後付け時の設置方法
コンパクトなオイルダンパーである、制震ダンパー「αダンパーExⅡ」を後付けする際の動画をご紹介します。
築年数の経った住宅をリノベーションする際に、制振装置を設置しています。
ご覧の通り、狭い箇所でも容易に設置できることがわかります。
まとめ
制震ダンパーはリフォームや増改築時、耐震工事とあわせて等、後付けすることが可能です。
後付けの際には既存住宅の工法や耐震性などを確認し、最も適した制震ダンパーを選ぶようにしましょう。
設置スペースをとらず断熱材への影響もほとんどない、コンパクトな制震ダンパーがおすすめです。
南海トラフ地震、首都直下型地震などさまざまな大規模地震が予測されている今、新築だけでなく既存の住宅へも制震ダンパーを設置して備えておくことをおすすめします。
<参考コラム>
「南海トラフ巨大地震」の危険地域はどこだろう|正しく把握しておこう
【最新版】活断層の危険度ランキング|大規模地震に備えて安全な住宅に住むために
住まいへ取り入れたい「制震ダンパー」
法改正等により住宅の耐震化が当たり前となってきている今、耐震化された住宅へ「制震」の技術をとりいれる方法は住宅への地震対策としてより注目されています。
住宅を新築する際はもちろん、お伝えしたようにリフォーム・リノベーションと合わせて制震ダンパーを設置したり、耐震工事と合わせて制震ダンパーを設置するケースが増えています。
耐震のよい点を高め、耐震の弱点をカバーする。
そんな制震の技術を住まいへ取り入れてみてはいかがでしょうか。
制震ダンパー「αダンパーExⅡ」とは
トキワシステムの制震ダンパー「αダンパーExⅡ」は特殊オイルを用いたオイルダンパーです。
圧倒的にコンパクトなサイズと施工性・品質の高さで、新築住宅だけでなく、今回のテーマである後付けにも適しています。
在来軸組工法はもちろん、ツーバイフォー工法(2×4工法)にも設置可能です。
制震ダンパー「αダンパーExⅡ」の特長をまとめました。
- 建物の変形を約1/2に低減し、建物の損傷を大幅に軽減する高い性能
- 副資材が不要、半人工以下の簡易施工を実現する施工性の高さ
- 120年の製品保証とメンテナンスフリーの実現による耐久性の高さ
- コストパフォーマンスの高さ
- さまざまな研究機関などで実施した実証実験による信頼性
- 18,000棟以上にもおよぶ採用実績
- 新築へも既存住宅へもフレキシブルに施工可能
次の制震装置付き耐力壁の実験動画をご覧ください。
続いて、次の実証実験結果をご覧ください。
耐震工法で建てられた住宅に制震装置『αダンパーExⅡ』 を設置すると、設置前に比べて大きく地震の揺れが軽減されることがわかります。
(※radとは、radian(ラジアン:層間変形角を意味する国際単位)の略で、柱の傾きを示し、分母の数字が大きくなるほど実際の傾きは少なくなります。)
このように数ある制震ダンパーの中でもトキワシステムの制震ダンパー「αダンパーExⅡ」は十分な採用実績、きちんとした裏付けに基づいた安心の技術でお施主様のご自宅をお守りします。
大切なあなたの家族を守りたい ―KEEP YOUR SMILE―
いつ起きるかわからない地震。
恐ろしい地震から、誰もが家族や住宅を守りたいと願うものです。
トキワシステムの制震ダンパー「αダンパーExⅡ」は、耐震化された住宅の弱点を補いつつ、建物の倒壊防止に効果を発揮します。
「この住宅には設置できるの?」
「取り入れてみたいけれどどうやって設置するの?」
などご質問やご不明な点等ございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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