平屋に制震ダンパーを設置することで得られる9つのメリットとは?

平屋に制震ダンパーを設置することで得られる9つのメリットとは?

注文住宅を建築するとき、気になってしまうのは「地震」のことです。特に2階建てや3階建て住宅を建築する人は、地震に強い家になるように「耐震」「制震」のことを深く考えるのではないでしょうか。

一方で平屋の人はどうでしょう。一般的に地震に強いと言われることの多い平屋。実は2階建て・3階建て住宅と同様に、地震への対策が必要であることを知っていますか? 本記事では、地震対策として平屋住宅に制震ダンパーを設置することで、一体どんなメリットが得られるのかを解説します。

「平屋だから安心」「平屋だから地震への対策は行わなくてよい」などと思わず、自分や家族の安全のために地震への対策は万全にしましょう。

この記事を読んだらわかること

・平屋でも地震対策が必要な理由とは?

・平屋に制震ダンパーを設置することで得られる9つのメリットを紹介。

どうして平屋でも制震ダンパーを設置するべきなの?

どうして平屋でも制震ダンパーを設置するべきなの?

はじめに、平屋でも制震ダンパーを設置するべき理由を解説します。主な理由は「平屋でも大きな地震に遭えば倒壊の危険性があること」「全ての建物は繰り返し発生する地震に弱いこと」の2点です。

平屋でも地震で倒壊する可能性はある

平屋を建築すれば、地震に強いから耐震等級取得や制震ダンパーといった対策は不要である。こうした意見は頻繁に聞かれますが、実は間違っています。

地面を起点にして揺さぶられるため、建造物の高さが高いほど、揺れによる影響が大きいことは確かながら「平屋でも建物が破損したり倒壊する危険性」は低くはありません。 平屋でも建物を構成する部材には、地震動による負担がかかるからです。

建物は繰り返し発生する地震に弱い

加えて、建物が「繰り返し発生する揺れに弱いこと」も制震ダンパーを設置する理由に挙げられます。

建物が地震動を受けると、柱や梁、桁、耐力壁や釘など、様々な部材が軽微でも損傷することになります。損傷はつまり、小さなキズや変位を表します。こうした損傷は、繰り返し地震を受けることで徐々に広がったり、破断を起こしてしまい徐々に建物の地震に対する耐力を奪ってしまいます。

このため、何度も繰り返し地震動を受けても耐力を維持できるように、平屋でも制震ダンパーを取り付けるべきといえるでしょう。

『平屋に制震ダンパー』得られるメリット9選

平屋に制震ダンパーを設置するべき理由は、平屋でも繰り返し地震動を受けることで損傷が広がること、そして平屋であっても建物が倒壊する危険性があるためでした。
では、制震ダンパーを利用することで、どのようなメリットが得られるのでしょうか。

建物全体の揺れが抑えられる

建物全体の揺れが抑えられる

1つ目のメリットは「建物全体の揺れが抑えられる」こと。

地震動を受けたとき、一般的には建物の高さが高くなるほど、地震の揺れは大きく感じられます。一方で平屋は高さが低いことから、体感する地震動は小さく感じられます。

しかし、2階建て・3階建てと比較しての話で、平屋でも大きな地震動を体感することになります。 制震ダンパーを設置しておけば、ダンパーが建物の変位を吸収してくれて、転倒や物の落下といった被害を防げるでしょう。

関連記事:地震の揺れを吸収する「制震」について

瓦・太陽光など屋根が重い場合は効果的

2つ目のメリットは「瓦屋根を利用している場合や太陽光発電システムを導入している場合に揺れを抑えられる」ことです。

先述したとおり、地震を受けたときに建物の高さが高いほど体感する地震動は大きくなります。さらに、高い位置に重いものがあるほど、建物は振られることになり、体感震度は大きくなります。
制震ダンパーを利用すれば、屋根に各種機器が載っていて本来大きな地震動を感じる場合でも、体感する揺れの大きさを小さくできるでしょう。

関連記事:【地震に強い家の特徴10選】揺れても安心の住まいを手に入れよう

吹き抜け・高天井を採用する場合も効果的

吹き抜け・高天井を採用する場合も効果的

3つ目のメリットは「吹き抜け・高天井を採用したときに揺れを抑えられる」ことです。

建物を頑強にするためには、建物の構造部材を四角形でがっちり組み、さらに構造用合板などで床・天井を結合することが大切です。しかし平屋でも、吹き抜けや高天井を採用すると天井の結合が為されず、地震による柱・梁の接合部への影響が大きくなってしまいます。
ここで制震ダンパーを利用すれば、建物の変位量を抑えられ建物へのダメージを軽減できます

繰り返し地震がある場合も効果的

4つ目のメリットは「繰り返しの地震への対策になること」です。

何度も地震を受けると、柱や梁の接合部、柱と耐力壁の接合部など、建物を支える部材への損傷が積み重なっていきます。この損傷は地震を受けるたびに広がっていくので、何らかの対策は取りたいところです。
制震ダンパーなら、1度だけでなく何度でも地震動への減衰効果を示すため、本震前後の余震回数が多い地震に対しても効果的です。

関連記事:繰り返し地震から家を守る!本震と繰り返される余震に備える方法

壁のひび割れ・屋根からの浸水を防ぐ

壁のひび割れ・屋根からの浸水を防ぐ

5つ目のメリットは「壁のひび割れを防いでくれて、屋根からの浸水も防ぐ」こと。

ここまで述べたとおり、制震ダンパーは平屋住宅であっても、地震で受ける際の変位量を減らしてくれる効果があります。変位量が少なくなれば、外壁に本来発生する可能性のあったひび割れや、屋根材のズレを未然に防いでくれるでしょう。 壁に亀裂が入ったり、屋根材にズレがあれば、雨水の侵入経路になってしまいます。
制震ダンパーの設置は。こうした地震発生後のトラブルも避けられます。

地震以外の外圧にも効果を発揮する

6つ目のメリットは「地震以外の外圧に対しても効果を発揮する」ことです。

実は地震以外にも、台風を始めとした風で建物は大きく揺られて悪影響を及ぼします。こうした地震以外の外圧に対しても制震ダンパーは効果を発揮するでしょう。

窓・玄関ドアの破損を軽減してくれる

窓・玄関ドアの破損を軽減してくれる

7つ目のメリットは「窓・玄関ドアといった開口部の破損を軽減してくれる」こと。

地震が発生して建物が変形してしまうと、一緒に窓・玄関ドアといった開口部も悪影響を受けて開閉しづらくなる可能性があります。 もし制震ダンパーを設置していれば、建物の変位量を減らせるので、窓・ドアといった開口部が開きづらい。開けられないといった状況を避けられる可能性があります。

関連記事:「地震で窓ガラスが割れるのが怖い…」万が一の行動や対策を解説します

建具・シーリングなど室内の破損も軽減

8つ目のメリットは「室内の破損も軽減される」ことです。

外壁や屋根だけではなく、地震が起きたときは建具を中心に様々な室内の部材も破損してしまいます。 しかし制震ダンパーがあれば、建具の破損、クロスのズレ、シーリングの剥離といったトラブルを避けられるかもしれません。普段は意識しないクロスやシーリング、建具ですが、実際にずれたり動きが悪くなったりすると、気になってしまうものです。

家の資産価値が守られる

家の資産価値が守られる

9つ目は「家の資産価値が守られる」こと。

地震動を受けて、建物の外壁にひびが入ったり、内装クロスに大きな隙間ができてしまえば、家を売ることになった場合に売却価格が低くなってしまうことも。 制震ダンパーがあれば、各種変位が小さくなるため、売却時の評価への悪影響を抑えられるでしょう。

まとめ:平屋も制震ダンパーの恩恵を受けられる

平屋住宅に制震ダンパーを設置することで得られるメリットを9つに分けて解説しました。改めてメリットは以下の9つです。

  • 建物全体の揺れが抑えられる
  • 瓦・太陽光など屋根が重い場合は効果的
  • 吹き抜け・高天井を採用する場合も効果的
  • 繰り返し地震がある場合も効果的
  • 壁のひび割れ・釘穴の広がりを防ぐ
  • 地震以外の外圧にも効果を発揮する
  • 窓・玄関ドアの破損を軽減してくれる
  • 建具・シーリングなど室内の破損も軽減
  • 家の資産価値が守られる

2階建て・3階建て住宅に比べて、制震ダンパーを設置するメリットが低いと思われがちですが、実はたくさんメリットがあるのです。「平屋だから大丈夫」と決めつけずに、住んでいる地域では自分たちにとって必要なのかな?と改めて考えてみましょう。

平屋は地震に強い!でも繰り返す地震には…?

平屋=制震ダンパー不要論の根底にあるのは「平屋は地震に強い」という一種の刷り込みです。

しかし本震の前後、余震として比較的強い地震が何度も発生する地震に巻き込まれてしまった場合は、耐震だけを考慮した住宅は脆いものです。 何度も発生する揺れに対応できる、制震ダンパーの利用を検討してみましょう。  

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監修者情報

株式会社トキワシステム

株式会社トキワシステム

制震ダンパー・地震対策の情報について発信しています。
トキワシステムが提供する制震ダンパー『αダンパーExⅡ』は、地震から建物を守り、住まいの安心と安全をご提供いたします。

保有資格
・二級建築士
・フォークリフト運転技能者
・木材加工用機械作業主任者
・第二種電気工事士

受賞歴
・GOOD DESIGN AWARD 2021