【耐震等級3″相当”】って何?メリット・デメリットとともに解説します
建売住宅でも、注文住宅でも「耐震等級3相当です」と記載されている宣伝を見たことがあるでしょう。「耐震等級3」と聞くと、何となく地震に強そうなイメージが湧きますが、語尾に「相当」が付いた途端に、よく分からなくなってしまいます。
そこで本記事では「耐震等級3″相当”」について、そもそも何を意味するのか。そしてメリットとデメリットは何か解説します。 地震に強い家を建てたいと考えている人は知っておいて損はないので、最後まで読んで「耐震等級3相当」の意味を知りましょう。
・耐震等級3″相当”が何かが分かります。
・耐震等級3″相当”を達成するメリット・デメリットが分かります。
目次
耐震等級3″相当”って何?耐震等級3と何が違う?
耐震等級3”相当”について解説するには「耐震等級3」が何を示すのか、元となるキーワードの意味を知る必要があります。それぞれの意味するところを知るところから始めましょう。
①耐震等級3とは?
耐震等級とは「住宅の耐震性能をレベル分け」したものです。
耐震等級1・2・3の3段階に分かれており、1が最も低く3が最も高い耐震性能を持ちます。 現行の建築基準法では、耐震等級1を満たすことが求められているので、新築で住宅を建築する場合は必ず耐震等級1は満たされていると考えてよいでしょう。耐震等級2は1の1.25倍、耐震等級3は1の1.5倍の耐震性能を持つ住宅を指します。
耐震等級3の性能を持つことが正式に認められるには、認定機関による審査・承認を受ける必要があります。設計及び審査などの手数料を合わせると、20~30万円を超える費用が必要になるでしょう。
②耐震等級3″相当”とは?
耐震等級を取得した住宅は、地震に強い住宅だと認定機関に認められた家のことを指します。では、耐震等級3”程度”とされる家は、どんな家なのでしょうか。
答えは「認定機関による審査・承認を得ている訳ではないが、取ろうと思えば耐震等級3を取得できる住宅」です。 耐震等級3と同程度の強度の家を作りながら、申請を行わないため耐震等級1の家と同等の扱いをされる。そのメリットとデメリットを考えてみましょう。
耐震等級3相当を選択するメリット
まずは耐震等級3相当の家を選択する「メリット」から見てみましょう。
①地震に強い強固な家が手に入る
1つ目のメリットは「地震に強い強固な家が手に入る」ことです。
耐震等級3相当は、認定機関による審査・承認を受けていないものの、耐震等級3の認定を受けた住宅と同等の強度を持つことが期待されます。一般的な耐震等級1の住宅と比べて、地震への耐久度合いが高い住宅が手に入るでしょう。
地震への耐久力が高い住宅になれば、大規模な地震を受けても家が倒壊する可能性を抑えられ、ご自身や家族が安心して生活できます。
関連記事:【地震に強い家の特徴10選】揺れても安心の住まいを手に入れよう
②認定機関への申請料が不要になる
2つ目のメリットは「認定機関への申請料が不要になる」ことです。
先述したとおり、耐震等級3が認められるためには、ハウスメーカーで耐震等級3が認められるための計算を行うこと、認定機関で申請し承認を得る必要があります。耐震等級3の計算までで止めて、申請だけ行わなければ申請費用を節約できます。
③売却時に評価が加わる
住宅を売却する事になった場合に「耐震等級3を持つと高額で売れる可能性」があります。
中古住宅を購入する立場で考えると、地震に強いことを認定機関が認めた住宅なら、少し高額になっても欲しいと思うでしょう。また、「耐震等級3を取得した住宅」を購入の条件にする人もいるでしょう。 こうした人にも、高額で売却できる可能性が高くなります。
耐震等級3相当を選択するデメリット
耐震等級3相当を選択する場合は、メリットだけではなくデメリットも抱えることを認識しましょう。
①本当に耐震性が高いかはわからない
1つ目は「本当に耐震性が高まっているか確かめられない」ことです。 耐震等級3を認定機関で取得する場合、ハウスメーカーが行った耐震についての計算が本当に合っているか、検証し問題があれば指摘・是正を受けます。
一方で認定機関を通さずに、ハウスメーカー独自で耐震等級3を計算し、”相当”であることを宣伝する場合は、計算や耐震についての考えた方が合っているか、誰にも分かりません。
関連記事:新築建売住宅の耐震性は安心?耐震等級や強度を知るポイントとは?
②間取りに制限がかかってしまう
「間取りに制限がかかる」ことも耐震等級3相当を取得するデメリットといえるでしょう。
実は耐震等級3を取得するだけであれば、柱や壁の本数を増やすことで思ったより簡単に達成できます。しかし柱や壁を増やしすぎると、1部屋ごとの区切りが多くなってしまい、閉鎖的な間取りになる可能性があります。
開放的な間取りにしようとすると耐震等級が下がってしまい、耐震等級を上げようとすると間取りに制限が生じてしまう。耐震等級にこだわりはじめると、このジレンマに陥ってしまうかもしれません。
③住宅ローン金利の引き下げが受けられない
住宅ローンの借り入れを行うとき、耐震等級3を取得していると、優遇金利を受けられる可能性がありますが、耐震等級3相当では「金利の引き下げが受けられません」。
たとえば、住宅金融支援機構が貸し付けを行っているフラット35では、10年間に渡って年間0.25%の金利の引き下げが受けられます。しかし、金利の引き下げを受けるためには、認定機関による承認を受ける必要があります。 3,000万円、35年ローンで固定金利1.5%と1.25%の場合を比較すると、返済総額は約150万円の差が生じます。
耐震等級3相当よりも、耐震等級3を取得する方が金銭的なメリットが大きいケースがあるので注意しましょう。
④地震保険料の割引を受けられない
住宅ローンに加えて、耐震等級3を取得していると地震保険料の割引を受けられる可能性があります。
地震保険は万が一自宅が被災したとき、生活費用や生活再建費用として有用な保険ですが、年間2~3万円ほどの支払い(補償内容によります)が必要です。決して小さな金額ではないので、できれば節約したいところ。耐震等級3の認定があれば。保険料を50%も割引が受けられます、 耐震等級3相当の住宅では住宅ローンと同様に、認定機関による承認が必要になるので「割引を受けることができません」。
まとめ:内容を把握してから耐震等級を取得しよう
「耐震等級3”相当”」について、耐震等級とは何か、相当とは何か、解説しました。
現行の住宅で必ず守ることが求められる、耐震等級1の1.5倍もの強度を持つ耐震等級3に匹敵する耐力を持つのが耐震等級3相当です。 一方で認定機関による審査を受けていないので、本当に計算や考え方が正しいのかは誰も分からない点、住宅ローンや地震保険に関する優遇が受けられない点など、デメリットがあることも分かりました。
どちらが正解ということはありません。メリット・デメリットを把握したうえで、あなたにとって最良の選択をしていきましょう。
耐震等級3″相当”で「制震ダンパー」を選択
「耐震等級3相当でもいいかな。認定機関による審査費用が浮いた分、もっと地震への抵抗が増す対策はないかな」こう思う人におすすめなのが「制震ダンパー」です。
①同じ費用をモノに投資する
制震ダンパーとは、地震が発生したときのエネルギーを吸収する装置です。度重なる地震に対しても、何度も吸収する性質があるため、耐震等級3程度に加えて「地震への抵抗を増す設備が欲しい」人におすすめです。
耐震等級3程度の家を建てるとき、認定機関のお墨付きをもらうのもよいですが、建物を更に強くしてくれる「モノ」に投資するのは一項の価値があります。
②制震ダンパー「αダンパーExⅡ」とは
トキワシステムがおすすめする制震ダンパー「αダンパーExⅡ」は特殊オイルを用いたオイルダンパーで、次のような特長があります。
- 建物の変形を約1/2に低減し、建物の損傷を大幅に軽減する高い性能
- 副資材が不要、半人工以下の簡易施工を実現する施工性の高さ
- 120年の製品保証とメンテナンスフリーの実現による耐久性の高さ
- コストパフォーマンスの高さ
- さまざまな研究機関などで実施した実証実験による信頼性
- 18,000棟以上にもおよぶ採用実績
次の実証実験結果をご覧ください。
耐震工法で建てられた住宅に制震ダンパー「αダンパーExⅡ」を設置することで、柱の変位量が最大55%低減できることがわかります。
このように数ある制震ダンパーの中でもトキワシステムの制震ダンパー「αダンパーExⅡ」は安心・高品質な制震装置で、小型化により施工も容易なため住宅の新築時の施工はもちろん、既存住宅への設置も可能です。
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