実家のリフォーム時に知っておきたい|デザイン以外にも大切なポイントと耐震性
実家が古くなってくると、「この先実家をどうしようか?」といった話題になる事が増えるのではないでしょうか。
少し前までは家が古くなると建て替える場合が多かったのですが、最近では親が住んでいる実家をリフォームする、実家をリフォームして一緒に住む、あるいは実家を譲り受けて住むというように、実家をリフォームして活用するケースが増えています。
実家はある程度築年数が経っている物が多いためリフォームの際にはデザインを整えることに目が行きがちですが、耐震性について知っておくことも大切です。
そこで今回の記事では実家のリフォーム時に知っておきたいポイントをまとめてお伝えするとともに、後半では実家をリフォームする際に検討したい耐震補強についてお伝えします。
・実家をリフォームする際に、デザイン性以外に考えるべきポイントと耐震性の大切さについて知ることができます。
目次
実家をリフォームする3つのケースとメリット
実家をリフォームするケースとして、大きく分けると次の3つが考えられます。
それぞれのケースとメリットを整理してみましょう。
親たちがそのまま住むためのリフォーム
現在実家に住んでいるご両親などがそのまま住むためのリフォームでは、老朽化した屋根や外壁、設備の刷新だけでなく、将来介護の必要性で出た場合を想定したリフォームをおこなうケースが多いです。
段差をなくしたり手すりをつけるバリアフリー化や、ヒートショック現象を避けるための断熱材や暖房器具の設置などもよく取り入れられます。
【メリット】
- 建て替えるよりも費用を抑えることができる。
- 愛着のある家にそのまま住み続けられる。
- 介護リフォームの場合ご家族が要介護認定されていて条件に合致すれば補助金を受けられる。
実家で同居するためのリフォーム
親との同居を機に実家をリフォームするケースもあります。
この場合、親世帯と自分たちの世代で希望のバランスをうまくとってリフォームを行うことで、その後の生活がぐんと快適になります。
二世帯で住むためのリフォームでは上記のような通常のリフォームに加えて、たとえば世帯間のプライバシーがちゃんと保たれるよう間取りを変更したり、玄関を新たに設けたり、壁や床に防音リフォームを施したりといったリフォームが取り入れられる傾向にあります。
【メリット】
- 老後の親の様子を見守ることができる。
- 子世代が共働きの場合は孫を見てもらいやすくなる。
- 建て替えるよりも費用を抑えることができる。
- 親から子へ、子から孫へと愛着のある家を引き継いでいくことができる。
実家を譲り受けて自分たちが住むためのリフォームする
親世帯が住み替えでもう実家に住まない、あるいは亡くなってしまった等の理由で実家を譲り受けて、自分たちの世帯だけでリフォームして住むケースも多々あります。
この場合、いわゆる「リノベーション」と呼ばれるガラリと印象が変わるようなリフォームをすることが多いです。
中には外観も一新し、まるで新築のような仕上がりのリフォームをする場合もあります。
【メリット】
- 相続の際、建て替えた場合よりも税金面で有利となる。
- 売却や賃貸運用の際も売りやすい・貸し出しやすい物件となる場合が多い。
- 自分たちで土地から購入して家を建てるよりも費用を抑えることができる。
- 親から子へ、子から孫へと愛着のある家を引き継いでいくことができる。
建て替えた場合は建物の評価額が上がるため、支払う固定資産税も高くなります。
また、建物の評価額が高ければ相続した際の相続税も高くなります。
実家のリフォームで考えるべきポイント
冒頭にお伝えしたように、古くなった実家をリフォームとなると最新のお風呂やトイレなど新しい設備、間取り変更など大掛かりなリフォームの場合はまるで新築のようなリビングダイニングなど、やはり見た目に新しく素敵に見える点に目が行きがちです。
ここではそういったデザイン的な部分以外で大切な、快適にそして安全に生活をおくるためにぜひ考えておきたいポイントをご紹介します。
まずは家の状態を把握
実家のリフォームで一番大切なのが、今の家がどんな状態なのかを把握することです。
現状で実家に住んでいて困っていることや直したい部分を箇条書きにして書き出し、困り度の高い物、必ず直したいものなど優先順位をつけてみましょう。
たとえば「この箇所に段差があってつまづきやすい」「お風呂が寒い」「ドアの立て付けがおかしい」「洗濯物を干しに出にくい」など、些細なことまで網羅しておきましょう。
また、プロの目による現状把握をしたい場合はリフォームの前に「ホームインスペクション」を受けるのもおすすめです。
ホームインスペクションとは、第三者である専門家の診断士が住宅全体を細かい部分まで検査し、補修が必要な個所や欠陥のある場所を見つけ出し、補修方法や大体の費用目安などをアドバイスしてくれるものです。
素人の目では気づかないような重大な欠陥を見つけてくれたり、補修が必要な箇所の優先順位やまとめてした方がよい箇所などを教えてもらうことで、不必要な工事をする無駄を省くことができます。
耐震性
実家の築年数が古い場合は、耐震性をチェックしておきましょう。
耐震性を高めることで、地震対策としてはもちろん住宅の耐久性も高くなります。
地震大国日本に住んでいる限り、地震の危険性とは縁が切れることはほぼありません。
特に実家が1981年以前に建てられている場合、「旧耐震基準」と呼ばれる古い耐震基準に基づいて建てられている可能性が高いです。
住宅の耐震性を高めるには耐震補強工事(耐震化リフォーム)をおこないます。
詳しくは後半の項目でご説明しますのでご参照ください。
気密性・断熱性
実家の築年数がある程度経っている場合、気密性と断熱性があまり高くない場合が多いです。
ご存知の通り、最近の新しい住宅は高気密・高断熱がデフォルトとなりつつあります。
気密性の高い住宅は、防湿シートや気密テープ等によって住宅のすき間を限りなくつくらないように建てられた住宅です。
断熱性の高い住宅は、断熱材を外壁と内壁の間に入れたり、サッシを複層ガラス(ペアガラス)やLow-E複層ガラスといった断熱性の高い物を使用して建てられた住宅です。
気密性と断熱性が高ければ室内の空気が外へ逃げにくく外気の温度の影響も受けにくくなるため、冬でも室内が暖かく、急激な温度変化によるヒートショックの防止にもつながります。
また、暖房だけでなく冷房の効率もよくなり省エネにもつながるというメリットがあります。
親世帯が住む場合、ヒートショックを防ぐという観点からぜひ検討したいリフォームのひとつであり、省エネの観点からもおすすめです。
バリアフリー化
親世帯が住む場合は特に考えたいリフォームがバリアフリー化です。
バリアフリー化のリフォーム例には次のような内容があります。
- 段差の解消
- 手すりの設置:玄関、階段、廊下、トイレ、浴室など
- 住宅設備の交換:浴室、トイレ、キッチン
- ドアの変更:開き戸から引き戸へ
- 床材の変更:滑りにくい床材、クッション性の高い床材へ
- 間取りの変更:車いすでも通りやすい広さの確保、一階部分へ寝室の確保
これらは高齢になった時の安全や介護の可能性を想定してリフォームします。
バリアフリー化は親世帯だけでなく小さなお子様がいる場合でも安全面で安心でき、また子世帯がいずれ歳を重ねていくうえでも役に立つリフォームです。
リフォーム時に実家の耐震性を補強しよう
さて、先述の耐震性についてもう少し掘り下げてご説明します。
住宅は快適性やデザイン性はもちろんですが、一番大切なのが安全性ではないでしょうか。
ここ最近全国各地で増えている地震に加え、必ず起きると言われている南海トラフ巨大地震や首都直下型地震といった大規模地震の発生も懸念されています。
そんな状況の中、実家のリフォームの際にはぜひ耐震性の補強もおこなっておきたいものです。
実家はいつ建てられた?
建物を建てるときの法律である建築基準法では、耐震基準が定められています。
耐震基準は何度か改正されていますが、1981年に大きな改正があったことからそれまでの耐震基準を「旧耐震基準」、それ以降の耐震基準を「新耐震基準」といいます。
したがって実家がいつ建てられたかを知ることで、新旧どちらの耐震基準で建てられたかがわかります。
これまでにあった大震災では、建物の倒壊被害の多くは旧耐震基準で建てられている住宅に集中していたという調査結果が出ているように、旧耐震基準で建てられている家は耐震面で不安が残ります。
実家が新旧どちらの耐震基準で建てられているかを知るには、実家が完成した年月日ではなく確認申請を受けた年月日を確認することでわかります。
1981年5月31日までに確認申請を受けた建物は、旧耐震基準に基づいて建てられているということになります。
<参考コラム>古い住宅の耐震性を知るには築年数が目安になる~耐震基準を知るには~
耐震基準はいつ改正されたの?「旧耐震基準」と「新耐震基準」の違いとは?
耐震リフォームの流れ
実家の耐震性を補強するには先にも少し述べましたが、耐震補強工事(耐震化リフォーム)をおこなう方法が一般的です。
耐震補強工事をおこなうにはまず耐震診断を受けてからになり、一般的に次のような流れで進めていきます。
①耐震診断
②耐震補強設計・見積もり
③耐震補強工事の実施
耐震診断は専門家によって行われるもので、診断の結果によって耐震リフォームの必要性の有無を判断してくれます。
耐震診断は自治体によって補助金がある場合もあるので、上手に活用したいですね。
詳しくは各自治体の窓口に問い合わせて確認するとよいでしょう。
<参考>地方公共団体の耐震支援制度に関する問い合わせ窓口(国土交通省HP 住宅・建築物の耐震化について)
リフォームと同時に更なる地震対策をするには
ここまで実家をリフォームする際は、耐震性などのリフォームも大切だとお伝えしてきました。
一方で、
「耐震補強工事を施してもなんだか心配…」
「せっかくだからもっと地震に強い家にする方法はないのかな?」
とお考えの方も多いのではないでしょうか。
このような場合におすすめなのが、耐震化した住宅に制振装置(制震ダンパー)を設置する方法です。
住宅の地震対策は「耐震・制震・免震」の3つの方法がありますが、この中で実家などの既存の住宅に施しやすいのが、耐震と制震です。
この二つはとても相性がよく、耐震化だけでは補いきれない「繰り返しの揺れに弱い」といった弱点を制震で補うことができるのです。
制振装置(制震ダンパー)はいくつか種類があり、既存住宅に向いている物やそうではない物があるので、実家の状態に適した制振装置を選ぶとよいでしょう。
まとめ:実家のリフォーム時には耐震補強も検討しよう
実家を綺麗に機能的にリフォームすることは、親子どちらにとっても仕上がりがとても楽しみですね。
せっかくのリフォームです。
長く大切に住まうためにもぜひ実家の耐震性を確認し、必要であれば耐震補強もおこないましょう。
耐震化リフォームをおこなうのであれば、同時に制震装置も設置もあわせて検討してみてはいかがでしょうか。
住宅の地震対策として今注目の方法「制震ダンパー」
地震大国日本では、どこに住んでいても地震に遭う可能性はあります。
30年以内に発生する確率が約80%といわれている南海トラフ巨大地震では、建物の全壊・焼失が最大で約2,386,000棟と想定されています。
私たちが普段過ごしている住宅の地震対策は万全でしょうか?
耐震化された住宅をより安全にするための方法として今、制震ダンパーの設置が注目されています。
制震とは、制震装置(制震ダンパー)を設置することで建物が地震の揺れエネルギーを吸収・抑制する技術のことです。
耐震化された住宅へ制震技術をプラスすることで、耐震だけでは補いきれない弱点をカバーすることができるのです。
制震ダンパー「αダンパーExⅡ」とは
トキワシステムがおすすめする制震ダンパー「αダンパーExⅡ」は特殊オイルを用いたオイルダンパーで、次のような特長があります。
- 建物の変形を約1/2に低減し、建物の損傷を大幅に軽減する高い性能
- 副資材が不要、半人工以下の簡易施工を実現する施工性の高さ
- 120年の製品保証とメンテナンスフリーの実現による耐久性の高さ
- コストパフォーマンスの高さ
- さまざまな研究機関などで実施した実証実験による信頼性
- 18,000棟以上にもおよぶ採用実績
次の実証実験結果をご覧ください。
耐震工法で建てられた住宅に制震装置『αダンパーExⅡ』 を設置すると、設置前に比べて大きく地震の揺れが軽減されることがわかります。
(※radとは、radian(ラジアン:層間変形角を意味する国際単位)の略で、柱の傾きを示し、分母の数字が大きくなるほど実際の傾きは少なくなります。)
このように数ある制震ダンパーの中でもトキワシステムの制震ダンパー「αダンパーExⅡ」は安心・高品質な制震装置で、小型化により施工も容易なため住宅の新築時の施工はもちろん、既存住宅への設置も可能です。
大切なあなたの家族を守りたい ―KEEP YOUR SMILE―
いつ起きるかわからない地震。
恐ろしい地震から、誰もが家族や住宅を守りたいと願うものです。
トキワシステムの制震ダンパー「αダンパーExⅡ」は、耐震化された住宅の弱点を補いつつ建物の倒壊防止に効果を発揮します。
耐震性の優れた住宅に制震ダンパーをプラスして、より安心・安全な住宅を目指してみませんか?
技術力の高いトキワシステムが提供する制震ダンパー「αダンパーExⅡ」であれば、住宅をしっかりとサポートいたします。
「制震ダンパーについてもっと知りたい」
「こんな場合に設置はできるの?」
などご不明な点等ございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。