地震から大切なペットを守りたい|地震の前と後にすること・できること
大切な家族であるペットがいるご家庭において、地震が起きたときにペットのためにどんな備えが必要かわからない、万が一大地震が起きた場合はどうすればよいかわからないという方は意外と多いのではないでしょうか。
過去に起きた大規模地震では多くのペットが津波の犠牲となったり、置き去りとなったペットが野生化して問題となったり、ペットを連れて避難所に行くことができず自家用車での避難生活を余儀なくされたケースも多くみられました。
これらを受け、政府も「人とペットの災害対策ガイドライン(2013年作策定・2018年改訂)」を策定しています。
ペットを飼っている場合は地震からペットを守るために、どのような準備が必要で、地震が発生した時はどのような行動をとればよいのかは知っておかなければなりません。
今回の記事では地震が起きる前と後にペットを守るためにすべきこととについてしたご紹介します。
・地震からペットを守るために事前にできること、地震が起きたときに取るべき行動がわかります。
目次
地震が起きる前にペットのためにすべきこととは
私たちは地震などの災害に備えて、非常持ち出し袋の準備や備蓄品の準備など様々な対策をおこなっていると思います。
同様にペットに対して事前にすべきことも、次のように沢山あります。
- ペットの住まいの対策
- ペットのしつけ
- ペットの健康管理
- ペット用の避難用品・備蓄品の確保
- ペットが迷子にならないための対策
- 避難所や避難ルートの確認
- 避難訓練への参加
- ペットを飼っている仲間とのネットワークづくり
ではそれぞれを具体的にみてみましょう。
ペットの住まいの対策
人間と同様に、ペットの住まいも地震への対策が必要です。
住まいの対策には次のような内容が挙げられます。
- 家具やケージの固定・転倒防止・落下防止
- ケージなどペットの避難場所(隠れ場所)の確保
- 屋外飼養の場合は飼養場所の安全確認
ペットを室内で放し飼いにしている場合はまずペットの行動範囲を把握しましょう。
そして転倒しそうな家具、落下してきそうな家電や飾り物などがないかをチェックします。
これは人間でもそうですが、たとえばペットの上に大型家具はもちろん、テレビや小さめであってもポットなどが落下した場合は大変危険なので、家具や家電類の転倒・落下防止対策をしておきましょう。
あわせて室内にペットが隠れることのできるケージやハウスなどがなければ、設置しておきましょう。
窓ガラスにフィルムを張るなどの飛散防止も行っておくとよいでしょう。
ペットを家の外で飼っている場合は、犬であれば犬小屋の場所を塀やガラス窓の近くを避けた場所など、地震が起きたときに安全を確保できる場所にしておきましょう。
特にブロック塀の周辺は倒壊の恐れがあり大変危険です。
ペットのしつけ
ペットへのしつけをしておくのも、地震が起きたときへの大事な備えとなります。
- ケージやハウスに入れるようにしておく
- 排せつを所定の場所でできるようにしておく
- 人や他の動物を怖がったり攻撃的にならないように慣らしておく
- むやみに吠えないようにしておく(犬の場合)
特に犬であれば、飼い主の掛け声で「ハウス」「呼び戻し」「待て」「お座り」「伏せ」ができるようにしておくとよいでしょう。
これらができると地震発生時に犬を安全な場所へ誘導することができるだけでなく、避難所へ行った時にも周囲に迷惑をかけることが少なく過ごすことができます。
排せつのしつけや、ある程度人に慣らしておくのも大切です。
ペットの健康管理
ペットの健康管理はペットの日常生活においてはもちろん、地震などの災害時の対策としても大事です。
- 各種ワクチンの接種
- 寄生虫駆除
- 不妊去勢措置
- シャンプーやトリミング・爪切りなど清潔を保つ
基本的には、ペットを飼う上で普段から行う、常識的な健康管理をしておけばよいでしょう。
ペット用の避難用品・備蓄品の確保
ペット用の避難用品や備蓄品として、最低でも次のものは備えておきましょう。
- ペットフード(療養食)、水、常備薬(最低5日分・できれば7日分以上)
- キャリーバッグ、クレート、ケージ
- 首輪
- リード(犬の場合)
- ペットシーツ
- 排泄物の処理用具(ビニール袋・新聞紙・トイレットペーパーなど)
- トイレ用品(猫の場合は使い慣れた猫砂、または使用済猫砂の一部)
- 餌用の食器(お皿、水飲み用の器具)
- 洗濯ネット(猫の場合:保護時や診療時に動きを制限するため)
- ビニール袋(多用途に利用可能)
- ガムテープ、油性マジック(段ボールで仕切りをつくる際など多用途に利用可能)
- 風呂敷(ケージを囲うときなど多用途に利用可能)
また、普段から使っている物があれば以下の物も用意しておくと便利です。
- お気に入りのおもちゃなど匂いがついた用品
- タオル、ブラシ
- ウェットティッシュ、清浄綿
- 消臭スプレー
次のようなペットに関する情報がわかるものも携帯しておくと、万が一ペットがいなくなった時などに役立ちます。
- 飼い主の連絡先
- ペットに関した飼い主以外の緊急連絡先・預け先などの情報
- ペットの写真、携帯電話などで撮影した画像
- ワクチン接種状況、既往症、投薬中の薬情報、検査結果、健康状態
- かかりつけの動物病院の名称と連絡先
いつも食べているペットフードや水は最低でも5日分、できれば7日分の準備があるとよいでしょう。
病気があるペットの場合、療養食や薬も忘れずに準備しておかなければなりません。
備品だけでなく、買主の連絡先などの情報も準備しておきましょう。
印刷された写真の裏にペットの名前や連絡先を書き込んでおくのもよいですね。
ペットが迷子にならないための対策
突然の大地震など、災害時には室内飼いのペットであってもパニックとなって逃げだしてしまうことがあります。
また、飼い主が不在時に地震が起きる可能性もあり、大きな災害が起きた際にはペットが迷子になる事も考えられます。
迷子にならないための対策には次のようなことがあります。
- 迷子札(犬・猫の場合は首輪、鳥の場合は足環、その他耳標など)
- マイクロチップ
- 鑑札・狂犬病予防接注射済票(犬の場合)
環境省では、迷子札とあわせて体内へのマイクロチップの装着を推奨しています。
マイクロチップは2022年6月より新たに飼われる犬と猫には装着が義務付けられており、すでに飼われている犬や猫については努力義務となっています。
なお、マイクロチップを装着する場合は「AIPO(動物 ID 普及推進会議)」への登録が必要です。
こちらへ登録してない場合、マイクロチップを装着していても飼い主が判明しなかったケースもあるので、装着する場合は忘れずに登録もおこなっておきましょう。
避難所や避難ルートの確認
人間が避難する時と同様に、避難所の場所や避難所までのルートなど次のことを事前に確認しておきましょう。
- ペットの受入れが可能な指定避難所の把握
- ハザードマップでの危険箇所の把握
- 避難所までの所要時間の確認
- 避難ルート上の危険な場所の把握(ガラスの破損や看板落下など)
- 通行できないときの迂回路の確認
ここで大切なのが、避難所でペットの受け入れが可能かどうかの確認です。
避難所でペットの受け入れが可能かどうかは住んでいる自治体で確認することができるので、ペットの受入れが可能な指定避難所を把握しておきましょう。
そして避難所までの所要時間やルート上に危険箇所がないか、万が一危険な場合の迂回ルートも確認しておくとよいでしょう。
万が一避難所でペットの受け入れがない場合に備えて、親戚や友人などペットの緊急の預け先をいくつか探して決めておくことが望ましいです。
避難訓練への参加
特にペットが犬の場合、地域で実施されている避難訓練へ参加しておきましょう。
その際には近所や地域に住んでいる方々と、ペット同伴の避難についてや避難所での対応について話し合っておくことも大切です。
同じくペットを飼っている住民同士で協力体制を整えておくのもよいでしょう。
また、避難所に着いてからのペットの反応や、一般の避難者とどの様に住み分けるのかなどの飼養環境も確認しておきましょう。
ペットを飼っている仲間とのネットワークづくり
普段からペットを飼っている飼い主同士のネットワークを作っておくと、いざという時にお互いに助け合うこともできます。
普段や災害時の情報交換ができるだけでなく、避難所でペット用品など足りない部分を助け合ったり、被災地外に住んでいる仲間であれば一時的に預かってもらうこともできます。
ペットという大事な存在を介してつながっている仲間がいることは、思った以上に心強いかもしれません。
地震が起きたときのペットとの行動とは
では実際に、ペットを飼っていて地震が起きたときはどうすればよいのでしょうか。
まずは人間の安全を確保しペットの安全を確保する
大きな地震が発生したらまずは人間の安全を確保し、次に落ち着いてペットの安全を守ります。
飼い主が無事でなければ、大事なペットを守ることも出来ません。
まずは自身の身の安全を一番に確保しましょう。
基本は「同行避難」
政府が策定している「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」によると、地震に限らず避難を余儀なくされるほどの大きな災害が起きたとき、ペットとの行動は「同行避難」が基本となっています。
落ち着いて人間とペットの非常用持ち出しを用意し、電気のブレーカーやガスの元栓を切って一緒に避難所へ向かいます。
同行避難:災害発生時に飼い主が飼育しているペットを同行し、避難所まで安全に避難すること |
ここで注意が必要なのは、同行避難とは「避難所で人とペットが同じ空間で一緒に居住できることを意味するものではない」ということです。
ちなみに人とペットが同じ空間で避難生活を送ること同伴避難といい、盲導犬・介助犬・聴導犬などは認められています。
一般的な避難所ではペットと人間の居住スペースは分けられていることが多いので、避難所のルールに従う必要があります。
また、必ず同行避難しなければならないと決まっているわけではありません。
たとえば自宅が安全である場合や避難所から定期的にお世話に帰れる状況である場合、預け先へ依頼できる場合などであれば、避難所へペットを同行しないというのもひとつの方法です。
避難所でのマナー遵守と周囲への配慮
避難所では多くの人が一緒に生活をすることになります。
自分達にとってはかけがえのないペットでも、中には動物が苦手な方や動物アレルギーのある方がいることなども理解しておき、周囲へ配慮することも必要です。
先述のようなしつけを普段からおこなっておくことで、迷惑やトラブルを防ぐことができます。
避難中は飼い主は普段よりも周囲へ気を配りながら、責任をもってお世話をしましょう。
ペットの健康管理
避難所ではペットの健康状態へも注意を払いましょう。
大きな地震が起きるとペットも動揺しますし、いつも違う環境では人間だけでなくペットへもストレスがかかります。
環境、物資の両面でなかなか制限されて厳しい状況下ではありますが、
- 衛生を保つ(排泄物の速やかで適切な処理など)
- 食欲が低下してないか確認する
- いつもと違う様子がないか確認する(元気がない、無駄吠えが増えるなど)
- スキンシップや声掛けを行う
というように、ペットの体調面をよく観察し、なるべくストレスや不安が軽減されるように注意しましょう。
まとめ
地震はいつ起きるかわからず、大きな地震が来ると人間でも恐怖でパニックになる事があります。
地震が恐ろしいのはペットも同じです。
地震からペットを守るには、人間と同様
- 事前の準備と対策
- 地震発生後の行動の把握
- 落ち着いた行動
が大切です。
普段から地震に備えて準備や対策をおこなっておき、いざというときに慌てず行動できるよう意識を高めておきましょう。
ペットを地震から守るには住宅の「倒壊防止を強化」する方法も
普段過ごす住宅への地震対策は私たち人間だけでなく、大切なペットの命を守るうえでとても重要です。
住宅の地震対策という点では、現在は過去の大規模地震を教訓に政府が主導して住宅の耐震化が進められており、その効果も発揮されつつあります。
しかし、耐震化だけでは繰り返す余震に対応できないことはご存知でしょうか。
耐震化は最も一般的で効果のある建物への地震対策ですが、繰り返しの地震や余震に対する建物へのダメージへの効果は期待できず、建物への損害は蓄積してしまいます。
そこで昨今、住宅への地震対策として注目されているのが、耐震化された住宅へ「制震」の技術を取り入れる方法です。
住宅へ制震技術をプラスすることで、耐震だけでは補いきれない弱点をカバーすることができます。
制震を取り入れるには、住宅に「制震ダンパー」と呼ばれる制震装置を設置する方法が最も一般的です。
制震ダンパーとは、「地震による揺れを吸収して振動伝達量を抑えるための装置」です。
<参考コラム>制震ダンパーは効果や種類を検討し最適なものを設置しよう
制震ダンパー「αダンパーExⅡ」とは
トキワシステムがおすすめする制震ダンパー「αダンパーExⅡ」は特殊オイルを用いたオイルダンパーで、次のような特長があります。
- 建物の変形を約1/2に低減し、建物の損傷を大幅に軽減する高い性能
- 副資材が不要、半人工以下の簡易施工を実現する施工性の高さ
- 120年の製品保証とメンテナンスフリーの実現による耐久性の高さ
- コストパフォーマンスの高さ
- さまざまな研究機関などで実施した実証実験による信頼性
- 18,000棟以上にもおよぶ採用実績
次の実証実験結果をご覧ください。
耐震工法で建てられた住宅に制震装置『αダンパーExⅡ』 を設置すると、設置前に比べて大きく地震の揺れが軽減されることがわかります。
(※radとは、radian(ラジアン:層間変形角を意味する国際単位)の略で、柱の傾きを示し、分母の数字が大きくなるほど実際の傾きは少なくなります。)
このように数ある制震ダンパーの中でもトキワシステムの制震ダンパー「αダンパーExⅡ」は安心・高品質な制震装置で、小型化により施工も容易なため住宅の新築時の施工はもちろん、既存住宅への設置も可能です。
大切なあなたの家族を守りたい ―KEEP YOUR SMILE―
いつ起きるかわからない地震。
恐ろしい地震から、誰もが家族や住宅を守りたいと願うものです。
トキワシステムの制震ダンパー「αダンパーExⅡ」は、耐震化された住宅の弱点を補いつつ、建物の倒壊防止に効果を発揮します。
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