「南海トラフ巨大地震」の危険地域はどこだろう|正しく把握しておこう
南海トラフ巨大地震では、広い範囲に被害が及ぶであろうことが想像に難くありません。
しかし具体的にどこが危険地域となっているのかは、知らない人が多いのではないでしょうか。
甚大な被害が予測される南海トラフ巨大地震については政府でも様々な対策や研究等をすすめられており、特に被害が大紀伊ことが予測される危険地域は「推進地域」や「特別強化地域」といった名称で指定しています。
今回の記事では「推進地域」及び「特別強化地域」についてご説明し、南海トラフ巨大地震における危険地域とは一体どの地域なのかお伝えします。
・南海トラフ巨大地震で危険な地域として指定されている「推進地域」および「特別強化地域」について知ることができます。
目次
南海トラフ巨大地震の概要
南海トラフ地震とは南海トラフ沿いで発生する地震のことで、揺れは最大で震度7、津波高は最大で30mを超えると想定されています。
南海トラフ巨大地震は過去に100~150年間隔で何度も繰り返し発生しており、今後10年以内に発生する確率は30%程度、30年以内に発生する確率は70~80%、40年以内に発生する確率は90%程度といわれています。
日本列島の周辺では太平洋プレート、フィリピン海プレート、北米プレート(陸のプレート)、ユーラシアプレート(陸のプレート)の4つのプレートが接しており、それらの境界に日本海溝、相模トラフ、南海トラフとよばれる区域があります。
南海トラフとはフィリピン海プレートと陸のプレート(ユーラシアプレート)が接する海底の溝状の地形を形成する区域のことで、日本列島の下にある陸のプレート(ユーラシアプレート)にフィリピン海プレートが動いて沈み込む状態となっています。
陸のプレート(ユーラシアプレート)が、フィリピン海プレートの沈み込みや引きずり込みによって蓄積された「ひずみ」耐えられなくなり、跳ね上がることで地震が発生します。
「推進地域」と「特別強化地域」とは
南海トラフ巨大地震に関して、国は「推進地域」と「特別強化地域」を指定しています。
それぞれどのような地域が指定されているのか順にご説明します。
推進地域(南海トラフ地震防災対策推進地域)とは
「推進地域」は、正式には「南海トラフ地震防災対策推進地域」といいます。
国は、南海トラフ巨大地震によってもたらされる災害から国民の生命・身体・財産を保護することを目的として、「南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法」を策定しています。
同措置法では、推進地域の指定に関して以下のように定められています。
(南海トラフ地震防災対策推進地域の指定等)
引用:e-gov法令検索 南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法
第三条 内閣総理大臣は、南海トラフ地震が発生した場合に著しい地震災害が生ずるおそれがあるため、地震防災対策を推進する必要がある地域を、南海トラフ地震防災対策推進地域(以下「推進地域」という。)として指定するものとする。
このように推進地域とは、政府が試算している南海トラフ巨大地震の被害想定等から、深刻な地震災害が想定されるので地震防災対策を推進する必要があるとされた地域のことです。
指定された地域では国・地方公共団体・関係事業者等により、建物の耐震化やハザードマップの整備等ハード面・ソフト面の両方から総合的な地震防災対策の強化を推進することとなります。
推進地域の指定基準
推進地域の指定基準は次の通りです。
【推進地域(南海トラフ地震防災対策推進地域)の指定基準】
- 震度6弱以上の地域
- 津波高3m以上(大津波)で海岸堤防が低い地域
- 過去の被災履歴への配慮
- 防災体制の確保への配慮
■震度に関する基準
まず震度に関する基準として、「震度6弱以上」が想定されることが設けられています。
これには政府の想定震度が震度6弱以上となっている地域だけでなく、関係する都府県等が管轄している地域の防災対策として、その地域で個別に実施した被害想定や防災アセスメントの結果として震度6弱以上となった市町村が含められています。
■津波に関する基準
推進地域に指定される津波の基準は、「大津波」が予想される地域の中でこの水位よりも高い海岸堤防がない地域とされています。
大津波とは、津波警報を発令する際に用いられる津波高等の区分にいおて、「津波高3m以上」の場合の津波を指します。
■過去の被災履歴
冒頭でお伝えしたように、南海トラフ巨大地震は過去に何度も繰り返し起きています。
このように過去に発生した南海トラフ巨大地震で大きな被害を受けた地域は今後の南海トラフ巨大地震でも同様の被害を受けないとはいえない、つまりまた被害を受ける可能性があるという点から、過去の被災履歴に対する配慮も基準のひとつとなっています。
なおこれら過去の被害のについては、信憑性のある古文書や調査記録など各市町村の被害記録に基づいて現代の震度に換算したものが、震度6弱以上になっている市町村としています。
■防災体制の確保
推進地域の指定基準には防災体制の確保の観点から、これらを配慮した地域も含まれています。
具体的には、
- 広域防災体制の一体性(消防、水防、医療、ごみ処理、上水道など)
- 周囲が指定候補市町村に囲まれている市町村
というような、周辺の市町村が連携することではじめて的確な防災体制がとれる地域に対する配慮となっています。
特別強化地域(南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域)とは
「特別強化地域」は、正式には「南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域」といいます。
先述の「南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法」において、指定に関して以下のように定められています。
(南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域の指定等)
引用:e-gov法令検索 南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法
第十条 内閣総理大臣は、推進地域のうち、南海トラフ地震に伴い津波が発生した場合に特に著しい津波災害が生ずるおそれがあるため、津波避難対策を特別に強化すべき地域を、南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域(以下「特別強化地域」という。)として指定するものとする。
このように南海トラフ巨大地震の特別強化地域とは、推進地域の中でも津波による甚大な災害が想定され、津波避難への対策を特別に強化すべきとされる地域のことです。
指定された地域では、国による財政支援の拡充や、市町村による推進計画や津波避難対策緊急事業計画の作成などの対応を進め、津波による防災対策の強化を推進することとなります。
特別強化地域の指定基準
特別強化地域の指定基準は次の通りです。
【特別強化地域(南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域)の指定基準】
- 津波により30cm以上の浸水が地震発生から30分以内に生じる地域
- 特別強化地域の候補市町村に挟まれた沿岸市町村
- 同一府県内の津波避難対策の一体性の確保
陸地では、地震発生から30分以内に、津波によって30cm以上の浸水が生じる地域である点が基準とされています。
また、特別強化地域の指定基準には防災体制の確保の観点から、特別強化地域の候補市町村に挟まれている沿岸市町村となる地域も含まれています。
上記基準以外にも、同一府県内で市町村が実施している津波避難対策について一体性の確保を図らなければならない場合、浸水深、浸水面積等の地域の実情を踏まえて津波避難の困難性が考慮され基準としています。
南海トラフ巨大地震の「推進地域(南海トラフ地震防災対策推進地域)」一覧
推進地域の一覧は最新版が平成26年3月28日付けとなっており、その数は1都2府26県707市町村(平成26年3月28日現在)にのぼります。
具体的な都府県名、市町村郡名は次の通りです。
【推進地域(南海トラフ地震防災対策推進地域)一覧】
都府県名 | 市町村郡名 |
茨城県 | 水戸市、日立市、ひたちなか市、鹿嶋市、神栖市、鉾田市、東茨城郡大洗町、那珂郡東海村 |
千葉県 | 銚子市、館山市、旭市、勝浦市、鴨川市、富津市、南房総市、匝瑳市、山武市、いすみ市、大網白里市、山武郡(九十九里町、横芝光町)、長生郡(一宮町、長生村、白子町)、夷隅郡御宿町、安房郡鋸南町 |
東京都 | 大島町、利島村、新島村、神津島村、三宅村、御蔵島村、八丈町、青ヶ島村、小笠原村 |
神奈川県 | 横浜市、横須賀市、平塚市、鎌倉市、藤沢市、小田原市、茅ヶ崎市、逗子市、三浦市、秦野市、厚木市、伊勢原市、海老名市、座間市、南足柄市、三浦郡葉山町、高座郡寒川町、中郡(大磯町、二宮町)、足柄上郡(中井町、大井町、松田町、山北町、開成町) 足柄下郡(箱根町、真鶴町、湯河原町) |
山梨県 | 甲府市、富士吉田市、都留市、山梨市、大月市、韮崎市、南アルプス市、北杜市、甲斐市、笛吹市、上野原市、甲州市、中央市、西八代郡市川三郷町、南巨摩郡(早川町、身延町、南部町、富士川町)、中巨摩郡昭和町、南都留郡(道志村、西桂町、忍野村、山中湖村、鳴沢村、富士河口湖町) |
長野県 | 岡谷市、飯田市、諏訪市、伊那市、駒ヶ根市、茅野市、南佐久郡(川上村、南牧村)、諏訪郡(下諏訪町、富士見町、原村)、上伊那郡(辰野町、箕輪町、飯島町、南箕輪村、中川村、宮田村)、下伊那郡(松川町、高森町、阿南町、阿智村、平谷村、根羽村、下條村、売木村、天龍村、泰阜村、喬木村、豊丘村、大鹿村)、木曽郡(上松町、南木曽町、大桑村、木曽町) |
岐阜県 | 岐阜市、大垣市、多治見市、関市、中津川市、美濃市、瑞浪市、羽島市、恵那市、美濃加茂市、土岐市、各務原市、可児市、山県市、瑞穂市、本巣市、郡上市、下呂市、海津市、羽島郡(岐南町、笠松町)、養老郡養老町、不破郡(垂井町、関ヶ原町)、安八郡(神戸町、輪之内町、安八町)、揖斐郡(揖斐川町、大野町、池田町)、本巣郡北方町、加茂郡(坂祝町、富加町、川辺町、七宗町、八百津町、白川町、東白川村)、可児郡御嵩町 |
静岡県 (全域) | 静岡市、浜松市、沼津市、熱海市、三島市、富士宮市、伊東市、島田市、富士市、磐田市、焼津市、掛川市、藤枝市、御殿場市、袋井市、下田市、裾野市、湖西市、伊豆市、御前崎市、菊川市、伊豆の国市、牧之原市、賀茂郡(東伊豆町、河津町、南伊豆町、松崎町、西伊豆町)、田方郡函南町、駿東郡(清水町、長泉町、小山町)、榛原郡(吉田町、川根本町)、周智郡森町 |
愛知県 (全域) | 名古屋市、豊橋市、岡崎市、一宮市、瀬戸市、半田市、春日井市、豊川市、津島市、碧南市、刈谷市、豊田市、安城市、西尾市、蒲郡市、犬山市、常滑市、江南市、小牧市、稲沢市、新城市、東海市、大府市、知多市、知立市、尾張旭市、高浜市、岩倉市、豊明市、日進市、田原市、愛西市、清須市、北名古屋市、弥富市、みよし市、あま市、長久手市、愛知郡東郷町、西春日井郡豊山町、丹羽郡(大口町、扶桑町)、海部郡(大治町、蟹江町、飛島村)、知多郡(阿久比町、東浦町、南知多町、美浜町、武豊町)、額田郡幸田町、北設楽郡(設楽町、東栄町、豊根村) |
三重県 (全域) | 津市、四日市市、伊勢市、松阪市、桑名市、鈴鹿市、名張市、尾鷲市、亀山市、鳥羽市、熊野市、いなべ市、志摩市、伊賀市、桑名郡木曽岬町、員弁郡東員町、三重郡(菰野町、朝日町、川越町)、多気郡(多気町、明和町、大台町)、度会郡(玉城町、度会町、大紀町、南伊勢町)、北牟婁郡紀北町、 南牟婁郡(御浜町、紀宝町) |
滋賀県 (全域) | 大津市、彦根市、長浜市、近江八幡市、草津市、守山市、栗東市、甲賀市、野洲市、湖南市、高島市、東近江市、米原市、蒲生郡(日野町、竜王町)、 愛知郡愛荘町、犬上郡(豊郷町、甲良町、多賀町) |
京都府 | 京都市、宇治市、亀岡市、城陽市、向日市、長岡京市、八幡市、京田辺市、南丹市、木津川市、乙訓郡大山崎町、久世郡久御山町、 綴喜郡(井手町、宇治田原町)、相楽郡(笠置町、和束町、精華町、南山城村) |
大阪府 | 大阪市、堺市、岸和田市、豊中市、池田市、吹田市、泉大津市、高槻市、貝塚市、守口市、枚方市、茨木市、八尾市、泉佐野市、富田林市、寝屋川市、河内長野市、松原市、大東市、和泉市、箕面市、柏原市、羽曳野市、門真市、摂津市、高石市、藤井寺市、東大阪市、泉南市、四條畷市、交野市、大阪狭山市、阪南市、三島郡島本町、豊能郡豊能町、泉北郡忠岡町、泉南郡(熊取町、田尻町、岬町)、南河内郡(太子町、河南町、千早赤阪村) |
兵庫県 | 神戸市、姫路市、尼崎市、明石市、西宮市、洲本市、芦屋市、伊丹市、相生市、加古川市、赤穂市、宝塚市、三木市、高砂市、川西市、小野市、加西市、南あわじ市、淡路市、加東市、たつの市、加古郡(稲美町、播磨町)、揖保郡太子町 |
奈良県 (全域) | 奈良市、大和高田市、大和郡山市、天理市、橿原市、桜井市、五條市、御所市、生駒市、香芝市、葛城市、宇陀市、山辺郡山添村、生駒郡(平群町、三郷町、斑鳩町、安堵町)、磯城郡(川西町、三宅町、田原本町)、宇陀郡(曽爾村、御杖村)、高市郡(高取町、明日香村)、北葛城郡(上牧町、王寺町、広陵町、河合町)、吉野郡(吉野町、大淀町、下市町、黒滝村、天川村、野迫川村、十津川村、下北山村、上北山村、川上村、東吉野村) |
和歌山県 (全域) | 和歌山市、海南市、橋本市、有田市、御坊市、田辺市、新宮市、紀の川市、岩出市、海草郡紀美野町、伊都郡(かつらぎ町、九度山町、高野町)、有田郡(湯浅町、広川町、有田川町)、日高郡(美浜町、日高町、由良町、印南町、みなべ町、日高川町)、西牟婁郡(白浜町、上富田町、すさみ町)、東牟婁郡(那智勝浦町、太地町、古座川町、北山村、串本町) |
岡山県 | 岡山市、倉敷市、玉野市、笠岡市、井原市、総社市、備前市、瀬戸内市、赤磐市、浅口市、和気郡和気町、都窪郡早島町、浅口郡里庄町、小田郡矢掛町 |
広島県 | 広島市、呉市、竹原市、三原市、尾道市、福山市、府中市、大竹市、東広島市、廿日市市、安芸高田市、江田島市、安芸郡(府中町、海田町、熊野町、坂町)、豊田郡大崎上島町 |
山口県 | 下関市、宇部市、山口市、防府市、下松市、岩国市、光市、柳井市、周南市、山陽小野田市、大島郡周防大島町、玖珂郡和木町、熊毛郡(上関町、田布施町、平生町) |
徳島県 (全域) | 徳島市、鳴門市、小松島市、阿南市、吉野川市、阿波市、美馬市、三好市、勝浦郡(勝浦町、上勝町)、名東郡佐那河内村、名西郡(石井町、神山町)、那賀郡那賀町、海部郡(牟岐町、美波町、海陽町)、板野郡(松茂町、北島町、藍住町、板野町、上板町)、美馬郡つるぎ町、三好郡東みよし町 |
香川県 (全域) | 高松市、丸亀市、坂出市、善通寺市、観音寺市、さぬき市、東かがわ市、三豊市、小豆郡(土庄町、小豆島町)、木田郡三木町、香川郡直島町、綾歌郡(宇多津町、綾川町)、仲多度郡(琴平町、多度津町、まんのう町) |
愛媛県 (全域) | 松山市、今治市、宇和島市、八幡浜市、新居浜市、西条市、大洲市、伊予市、四国中央市、西予市、東温市、越智郡上島町、上浮穴郡久万高原町、伊予郡(松前町、砥部町)、喜多郡内子町、西宇和郡伊方町、北宇和郡(松野町、鬼北町)、南宇和郡愛南町 |
高知県 (全域) | 高知市、室戸市、安芸市、南国市、土佐市、須崎市、宿毛市、土佐清水市、四万十市、香南市、香美市、安芸郡(東洋町、奈半利町、田野町、安田町、北川村、馬路村、芸西村)、長岡郡(本山町、大豊町)、土佐郡(土佐町、大川村)、吾川郡(いの町、仁淀川町)、高岡郡(中土佐町、佐川町、越知町、梼原町、日高村、津野町、四万十町)、幡多郡(大月町、三原村、黒潮町) |
福岡県 | 北九州市、行橋市、豊前市、京都郡苅田町、築上郡(吉富町、築上町) |
熊本県 | 宇城市、阿蘇市、天草市、阿蘇郡高森町、上益城郡山都町、球磨郡(多良木町、湯前町、水上村、あさぎり町)、天草郡苓北町 |
大分県 | 大分市、別府市、中津市、佐伯市、臼杵市、津久見市、竹田市、豊後高田市、杵築市、宇佐市、豊後大野市、由布市、国東市、東国東郡姫島村、速見郡日 出町、玖珠郡九重町 |
宮崎県 (全域) | 宮崎市、都城市、延岡市、日南市、小林市、日向市、串間市、西都市、えびの市、北諸県郡三股町、西諸県郡高原町、東諸県郡(国富町、綾町)、児湯 郡(高鍋町、新富町、西米良村、木城町、川南町、都農町)、東臼杵郡(門川町、諸塚村、椎葉村、美郷町)、西臼杵郡(高千穂町、日之影町)、五ヶ瀬町 |
鹿児島県 | 鹿児島市、鹿屋市、枕崎市、阿久根市、指宿市、西之表市、垂水市、 摩川内市、日置市、曽於市、霧島市、いちき串木野市、南さつま市、志布志市、 奄美市、南九州市、伊佐市、姶良市、鹿児島郡(三島村、十島村)、薩摩郡さつま町、出水郡長島町、姶良郡湧水町、曽於郡大崎町、肝属郡(東串良町、錦江町、南大隅町、肝付町)、熊毛郡(中種子町、南種子町、屋久島町)、大島郡(大和村、宇検村、瀬戸内町、龍郷町、喜界町、徳之島町、天城町、伊仙町、和泊町、知名町、与論町) |
沖縄県 | 名護市、糸満市、豊見城市、うるま市、宮古島市、南城市、国頭郡(国頭村、東村)、島尻郡(与那原町、渡嘉敷村、座間味村、南大東村、北大東村、伊平屋村、八重瀬町)、宮古郡多良間村 |
全域が推進地域に指定されている県も多く、南海トラフ巨大地震で想定されている被害の甚大さや危険地域の範囲の広さがうかがい知れます。
また、沿岸地域だけでなく内陸部にある地域が多数含まれていることからも、地震の規模がとてつもなく大きいことも想像できるのではないでしょうか。
推進地域は基本的に震度6弱以上、津波高3m以上が想定されている地域です。
これだけの広い範囲で震度6以上の地震が起きるとなると、どれだけの被害が生じるでしょうか。
少しでも被害を小さくするために事前にできる地震への備えをしておくことはもちろん、地震が起きたときにどうすべきなのかも知っておかなければなりません。
<参考コラム>
震度7の地震はどのくらいなのか?震度の段階とマグニチュードの関係性について解説
地震が起きたときに取るべき行動とは?正しく把握して安全に避難しよう
南海トラフ巨大地震の「特別強化地域(南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域)」一覧
特別強化地域の一覧も最新版が平成26年3月28日付けとなっており、その数は1都13県139市町村(平成26年3月28日現在)となっています。
具体的な都府県名、市町村郡名は次の通りです。
【特別強化地域(南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域)一覧】
都府県名 | 市町村郡名 |
千葉県 | 館山市、南房総市、安房郡鋸南町 |
東京都 | 大島町、利島村、新島村、神津島村、三宅村、御蔵島村、八丈町、青ヶ島村 |
神奈川県 | 横須賀市、平塚市、鎌倉市、藤沢市、小田原市、茅ヶ崎市、逗子市、三浦市、三浦郡葉山町、中郡大磯町、同郡二宮町、足柄下郡真鶴町、同郡湯河原町 |
静岡県 | 静岡市、浜松市、沼津市、熱海市、伊東市、富士市、磐田市、焼津市、掛川市、袋井市、下田市、湖西市、伊豆市、御前崎市、牧之原市、賀茂 郡東伊豆町、同郡河津町、同郡南伊豆町、同郡松崎町、同郡西伊豆町、榛原郡吉田町 |
愛知県 | 豊橋市、田原市、知多郡南知多町 |
三重県 | 津市、四日市市、伊勢市、松阪市、鈴鹿市、尾鷲市、鳥羽市、熊野市、志摩市、三重郡川越町、多気郡明和町、度会郡大紀町、同郡南伊勢町、北牟婁郡紀北町、南牟婁郡御浜町、同郡紀宝町 |
兵庫県 | 洲本市、南あわじ市 |
和歌山県 | 和歌山市、海南市、有田市、御坊市、田辺市、新宮市、有田郡湯浅町、同郡広川町、日高郡美浜町、同郡日高町、同郡由良町、同郡印南町、同郡みなべ町、西牟婁郡白浜町、同郡すさみ町、東牟婁郡那智勝浦町、同郡太地町、同郡古座川町、同郡串本町 |
徳島県 | 徳島市、鳴門市、小松島市、阿南市、海部郡牟岐町、同郡美波町、同郡海陽町、板野郡松茂町 |
愛媛県 | 宇和島市、八幡浜市、西予市、西宇和郡伊方町、南宇和郡愛南町 |
高知県 | 高知市、室戸市、安芸市、南国市、土佐市、須崎市、宿毛市、土佐清水市、四万十市、香南市、安芸郡東洋町、同郡奈半利町、同郡田野町、同郡安田町、同郡芸西村、高岡郡中土佐町、同郡四万十町、幡多郡大月町、同郡黒潮町 |
大分県 | 大分市、佐伯市、臼杵市、津久見市 |
宮崎県 | 宮崎市、延岡市、日南市、日向市、串間市、児湯郡高鍋町、同郡新富町、同郡川南町、同郡都農町、東臼杵郡門川町 |
鹿児島県 | 西之表市、志布志市、曽於郡大崎町、肝属郡東串良町、同郡南大隅町、同郡肝付町、熊毛郡中種子町、同郡南種子町 |
繰り返しになりますが、特別強化地域の基準として「津波により30cm以上の浸水が地震発生から30分以内に生じる地域」となっています。
30㎝以上の浸水は私たちの想像以上に大変危険です。
津波は高くなるにつれて海水全体の動きも大きくなり、高さ20~30cm程度の津波でも人間が流れに巻き込まれてしまう恐れがあります。
また、津波の速度はとても速く、2010年2月28日に発生したチリ地震による津波では平均時速が770㎞でした。
津波の速度は水深が浅くなるにしたがって遅くなるとはいえ、海岸近くでも時速36㎞とオリンピック選手並の速さで押し寄せてくるので走って逃げることはほぼ不可能です。
地震はもちろん、津波への対策や避難方法をしっかりと把握しておくことが大切です。
まとめ:南海トラフ巨大地震では広範囲が危険地域となっている
お伝えしたように、南海トラフ巨大地震ではとてつもなく広い範囲が危険地域となっています。
震度6弱以上の大きな地震や津波が発生した場合、私たちが今までに経験したことの無い想像できないくらいの被害が広い範囲で生じることでしょう。
被害を少しでも小さくするためには平時である今こそ地震への意識を高め、備蓄品・非常持ち出しの準備や住宅の耐震化、避難訓練への参加や緊急時の連絡方法の共有など、できるところから取り掛かってみてはいかがでしょうか。
巨大地震に備えて住宅に対策を―「制震ダンパー」設置のすすめ
南海トラフ巨大地震における建物被害では、建物の全壊・焼失が最大で約2,386,000棟と想定されています。
私たちが普段過ごしている住宅の地震対策は万全でしょうか?
住宅を耐震化するだけで本当に安心でしょうか?
普段過ごす住宅への地震対策は私たちの命を守るうえでとても重要で、住宅など建物への地震対策は過去の大規模地震を教訓に政府が主導して住宅の耐震化が進み、その効果も発揮されつつあります。
しかし、耐震化だけでは繰り返す余震に対応できないことはご存知でしょうか。
耐震化は最も一般的で効果のある建物への地震対策ですが、繰り返しの地震や余震に対する建物へのダメージへの効果は期待できず、建物への損害は蓄積してしまいます。
そこで昨今、住宅への地震対策として注目されているのが、耐震化された住宅へ「制震」の技術を取り入れる方法です。
住宅へ制震技術をプラスすることで、耐震だけでは補いきれない弱点をカバーすることができます。
制震を取り入れるには、住宅に「制震ダンパー」と呼ばれる制震装置を設置する方法が最も一般的です。
制震ダンパーとは、「地震による揺れを吸収して振動伝達量を抑えるための装置」です。
制震ダンパー「αダンパーExⅡ」とは
トキワシステムがおすすめする制震ダンパー「αダンパーExⅡ」は特殊オイルを用いたオイルダンパーで、次のような特長があります。
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- 副資材が不要、半人工以下の簡易施工を実現する施工性の高さ
- 120年の製品保証とメンテナンスフリーの実現による耐久性の高さ
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次の実証実験結果をご覧ください。
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(※radとは、radian(ラジアン:層間変形角を意味する国際単位)の略で、柱の傾きを示し、分母の数字が大きくなるほど実際の傾きは少なくなります。)
このように数ある制震ダンパーの中でもトキワシステムの制震ダンパー「αダンパーExⅡ」は安心・高品質な制震装置で、小型化により施工も容易なため住宅の新築時の施工はもちろん、既存住宅への設置も可能です。
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