制振ダンパーはどこがいいの?メーカーや製品を選ぶ目安を知りたい
新築時や、リフォームで耐震に加えてさらなる地震対策を検討される際には、高額な費用や大掛かりな工事をせずに確実な地震対策をしたいという理由で制振ダンパーを選ぶケースは少なくありません。
制振ダンパー確実な効果を得るため、制振ダンパーのメーカー、設置のしやすさ、購入方法、施工の依頼先などの具体的なことを確認していきましょう。
制振ダンパー確実な効果を得るため、制振ダンパーのメーカー、設置のしやすさ、購入方法、施工の依頼先などの具体的なことを確認できます。
目次
制振ダンパーはどこに設置するの?
制振ダンパーには大きく分けて3つのタイプがあり、それぞれ設置方法と設置のしやすさが異なります。3つのタイプのそれぞれの特徴と設置場所を見ていきましょう。
オイルダンパーの特徴
オイルダンパーはオイルとピストンで構成される制振ダンパーです。地震の揺れを受けるとピストンが動き、ピストンに開けられた小さな穴からオイルがバルブに流れ出たり戻ったりします。
その結果、この移動によって生まれた熱がエネルギーとなって地震の揺れを吸収して、住宅が地震の揺れから受ける負担を軽減します。
オイルダンパーの設置場所と設置のしやすさ
柱や梁など必要な個所に複数に取り付けるため、仕口ダンパーとも呼ばれます。オイルダンパーは他の制震ダンパーに比べて極めてコンパクトに作られている為、施工がしやすい、楽に運搬できるというコストダウンにつながる強みがあります。
関連コラム:制振ダンパーの施工画像20選を住宅タイプ別に紹介!地震後の画像もあり
鋼材ダンパーの特徴
力が加わると折れ曲がるという金属の性質を利用した制振ダンパーです。地震の揺れを受けて、折れ曲がる時に生まれる熱がエネルギーとなって、地震の揺れを吸収して住宅が受ける負担を軽減する仕組みです。
ただ、小さな揺れでは金属が折れ曲がるほどの力が加わらない為、熱が生じず、揺れを吸収する働きができません。
大きな揺れに対しては効果を発揮しますが、大きな揺れが続くと金属疲労によって折れてしまうというリスクも持っています。
鋼材ダンパーの設置場所
鋼材ダンパーは、壁の内部に筋交いのように設置する為、筋交いダンパーとも呼ばれます。
筋交いとは耐震性を高めるために耐力壁の中に斜め、又はたすき掛けにいれる部材を指しますが、木造住宅でのほとんどの筋交いには木材が使われています。
筋交いを入れた壁の量は耐震性を確保する為、建築基準法において最低減必要な量が定められています。筋交いと壁の組み合わせで線と面の両方で地震の揺れを受け止め、変形を防ぐ為です。
この筋交いの他に筋交いダンパーを取り付けることによって、筋交いと壁が受けとめる揺れの大きさを、筋交いダンパーの揺れを吸収する働きが小さくします。
その結果、揺れによる変形のリスクがより抑えられます。
ゴムダンパーの特徴
ゴムの弾力性を利用し揺れを柔軟に受け止めて吸収し、住宅にかける負担を抑える制振ダンパーです。
金属のように繰り返しの大きな揺れに対して、金属疲労を起こし折れてしまう心配がありません。
ただ、素材の性質上、温度の変化に対しても伸びたり縮んだりしてしまう為、地域の気候によっては劣化が起こりやすいという弱点があります。
ゴムダンパーの設置場所と設置
ゴムダンパーも鋼材ダンパーと同じように筋交いダンパーです。壁の中に設置します。
関連コラム:制振ダンパーは意味ない?制振の効果と必要性を徹底検証
3つの制震ダンパーの設置のしやすさの比較
オイルダンパーは仕口ダンパー、鋼材ダンパーとゴムダンパーは筋交いダンパーです。どれも壁の中に設置する為、リフォーム時には外壁、又は内壁を取り壊して取り付けます。そこまでは同じなのですが、サイズの違いによる設置にしやすさが異なります。
オイルダンパーはコンパクトなので、職人一人で短時間のうちに施工が完了します。リフォーム時に後付けする場合には、壁を取り壊す範囲も少ないので、他の制振ダンパーより手軽に地震対策ができます。
また、オイルダンパーにはコンパクトである故に、間取りに影響を与えないという良さがあります。家族の理想の家にする為には、新築時の間取りが大きく影響します。
地震対策の為に、家族の夢が詰め込まれた間取りに制限が出てしまえば、思い描いた暮らしができないかもしれません。
リフォームの際にも間取りや、柱や梁の位置によって設置できないという心配がありません。
新築住宅での効果
リフォーム・リノベーションの様子
一方、鋼材ダンパーとゴムダンパーはサイズが大きいので複数の職人の手が必要です。さらにリフォームの場合には、取り壊す部分が広くなるため、手間と時間がかかります。
また、間取りや柱、梁の位置などによっては、設置できないケースもあります。新築時には間取りに制限が出ることもあります。
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制振ダンパーのメーカーはどこがいいの?
家電製品や自動車などは、どなたもがすぐにいくつかのメーカーを頭に思い浮かべることができると思います。一方、制振ダンパーのメーカーとなると、思いつかないのではないでしょうか?
さらに、数年前に、免震ダンパーのデータ改ざんというニュースを目にした方にとっては、不信感もあるかもしれません。どのメーカーなら信用できるのだろう…?そもそもどんなメーカーがあるのかということもわからない…という方が多いと思います。
地震に対する備えはできれば使わずにすむことが理想です。しかし、地震が発生した際には、確実な効果を発揮しなくてはなりません。
自動車なら試乗する、家電製品なら電気店が行っているデモンストレーションを見るなどの方法で、使いやすさや効果を試すことができますが、制振ダンパーでは試すことができません。
その為、信頼できるメーカーという基準で選ぶ以外に確実な方法がありません。
では、メーカーを選ぶ際には何を目安にすればよいのでしょうか?
導入実績
制振ダンパーはほとんどの場合、新築の際には住宅会社、後付けの場合にはリフォーム会社が設置をします。個人で購入してDIYで取り付けるというケースは少ないです。
その為、導入実績が多いということは、住宅の専門家である住宅会社やリフォーム会社からの信頼が厚いということです。
住宅会社やリフォーム会社にとって、確実な効果をあげる制振装置を取り付けるということは、自社の信頼にもかかわるので、選び抜いた制振装置を取り付けるからです。
従って、新築やリフォームを依頼するハウスメーカーや工務店がどのような地震対策をしているのかということを調べることもメーカーを選ぶ目安にできます。
このメーカーはどうだろう…?と目星がついたら、その会社のサイトを見て導入実績を確認してみることも判断の基準にできます。
効果の高さを知ることができる実証件数
制振ダンパーで最も気になることは効果が出るかどうか…ということだと思います。効果は取り付けた後に地震が起こるまではわからないので、検証実験の結果で判断するしかありません。
制振ダンパーのメーカーの中には、研究機関や専門の大学と連携して数々の検証実験を行い、成果を出しているメーカーもあります。その実証された内容や件数も判断の基準にできます。
施工のしやすさ
これは制振ダンパーの種類によってほぼ決まります。施工がしやすく間取りに影響しない制振ダンパーはオイルダンパーです。
施工のしやすさを求めるならオイルダンパーのメーカーを先に調べるという方法も考えられます。 では具体的にどうやってメーカー名を調べたらいいの?という場合にはランキングなどを参考にするという方法があります。
ランキングを鵜呑みにするという意味ではなく、そこでメーカー名を知り、それぞれのメーカーのサイトで製品についての説明を見る為の参考にするのです。
制振ダンパーのランキングは少ないのですが、参考の為、イプロス都市まちづくりというサイトが発表している「製品ランキング 免振・制振・耐震工事」の中から、木造住宅向けの制振ダンパーのメーカーを見ていきましょう。
第6位
- 制震システム『GVA(ジーバ)』株式会社アイ・エム・エー 鋼材ダンパー
第12位
- 木造住宅用 制震ダンパー「αDamperExII」 トキワシステム オイルダンパー
- 制震装置 国土交通大臣認定耐力壁『Kダンパー』富士工業株式会社 ゴムダンパー
第19位
- 木造建物制振装置 「DYNACONTI(ダイナコンティ)」株式会社オーディーエム オイルダンパー
第21位
- 木造住宅用制振装置 MER-SYSTEM 株式会社アイジーコンサルティング オイルダンパー
第29位
- 木造住宅用制振装置「 MER システム」日本制震システム株式会社
第29位
- 『Hiダイナミック制震工法』江戸川木材工業株式会社 オイルダンパー
制振ダンパーの種類を選んだ上で、それぞれのメーカーの導入実績や実証件数などを確認してみると、信頼できるメーカーが見えてくるのではないでしょうか?
参考サイト 免振・制振・耐震工事 製品ランキング 1~39位
関連コラム:制振ダンパーを比較 メーカーや制震の方法による違いはあるの?
制振ダンパーはどこで購入、又は施工を依頼するの?
制振ダンパーは楽天やモノタロウなどのネットストアの金物店で購入できます。対象は個人ではなく工務店などの施工業者であることが多いです。
では、購入する以外にどうやって制振ダンパーを取り付けるのでしょうか?
新築の場合は建築を依頼するハウスメーカーや工務店、リフォームの場合は、新築時に依頼したハウスメーカーや工務店、又はリフォーム会社に依頼して取り付けてもらいます。
地震対策に力を入れているハウスメーカーや工務店から新築時に勧められるケースもあれば、断られるケースもあります。
この制震ダンパーをつけたいという製品が見つかっている場合、その制振ダンパーのメーカーに問い合わせると、ハウスメーカーや工務店を確認できます。
その中から、地域や建築コスト、外観や内装の好みなどに合う施工先を見つけるという方法も考えられます。
よくある質問
Q αダンパーExⅡは誰が設置するのですか?
A 住宅を建てられる工務店様や建設会社様に、制震装置の施工も一緒にお願いしております。
地震対策が必要な地震が多い県はどこ?
日本国内でどの地域に地震が多く発生しているのでしょうか?象庁の震度データベースから調査した県別の地震回数を見てみましょう。
地震の発生日時【2010年6月/10日~2020年6月9日】 震度1から震度7までの地震の合計
この結果を見ると日本国内で最も地震が多い県は福島県です。2011年の東日本大震災の影響もあり、この10年間で最も多くの地震が発生しました。
2番目に多かった県は茨城県、次が宮城県でした。 4番目からの地震が多かった県は、岩手県、熊本県、千葉県、栃木県、北海道、青森県で、10番目は長野県でした。
※ 出典:震度データベース検索より算出|気象庁
関連コラム:日本で地震の多い場所はどこだろう
参考サイト:気象庁 地震・津波 福島県内で観測した震度1以上の地震回数表
大きな地震が発生しても見た目には何の被害もなかったということがあります。ただし、見えない部分で揺れによる影響を受けている可能性が全くない訳ではありません。
そして数年後、数か月後に地震が再度発生した時には、1回目の地震でダメージを受けていた住宅は、全く受けていなかった住宅より大きなダメージを受けてしまいます。
耐震は地震に耐える力であって、地震の揺れから受けるダメージを軽減する働きはないからです。
そこで考えたいことが、地震の揺れから受けるダメージを軽減する地震対策です。その働きをする制振ダンパーを取り付けることで、地震の揺れを吸収し、地震の揺れが住宅に与える影響を抑えるという考え方です。
制振ダンパーの中でもオイルダンパーは小さな揺れから大きな揺れまでくまなく吸収すること、コンパクトなので新築時にもリフォーム時にも設置がしやすいという良さがあります。
関連コラム:南海トラフ地震は過去にも繰り返し発生している!経緯を知って未来に備えよう
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地震対策に有効なオイルダンパーなら「αDamperExII」
上記のランキングの中でオイルダンパーの第一位は「αDamperExII」です。オイルダンパーにはコンパクトで設置しやすく、間取りに影響を与えないという強みがあります。
また「αDamperExII」のメーカーであるトキワシステムは、豊田工業専門学校、静岡大学、森林文化アカデミー、東京工業大学、台湾国立交通大学等で多数の性能実験を行い、効果を実証しています。
さらに東海地域では、ナンバーワンの実績、中部圏(東南海地震警戒地区)を中心に16,000棟の実績があります。その為、取引先も多くその中から施工先を見つけることも確実にできます。
しっかりした耐震が地震対策の基本ですが、それだけでは十分ではありません。高い耐震性をより活かす為には、制振が必要不可欠です。
新築時はもちろんのこと、後付けが可能です。いつ発生するかわからない地震に備えて、耐震性が高い住宅でも安心することはできません。制振ダンパーで万一に備えたより安全な住まいを実現してください。
参考のため、2018年6月の大阪北部地震直後に制震装置「αダンパーExⅡ」を施工した様子をご覧ください。
Zelkova Design株式会社様・O様邸【大阪府高槻市】
大切なあなたの家族を守りたい トキワシステムの制震ダンパー「αダンパーExⅡ」 ―KEEP YOUR SMILE―
いつ起きるかわからない地震。 恐ろしい地震から、誰もが家族や住宅を守りたいと願うものです。トキワシステムの制震ダンパー「αダンパーExⅡ」は、耐震住宅の弱点を補いつつ建物の倒壊防止に効果を発揮します。
多くの研究機関で実証
「αダンパーExⅡ」は、東京工業大学・静岡大学・豊田工業高等専門学校・岐阜県立森林文化アカデミーなどの数多くの学術研究機関による性能試験をクリアして、その効果が認められています。
16,000棟以上の導入実績
「αダンパーExⅡ」は、木造住宅用の油圧制震ダンパーとして信頼と実力No.1で、16,000棟以上の供給実績があります。これからもより多くのお住まいを地震や自然災害から守り続けていきます。
グッドデザイン賞を受賞
制震装置「αダンパーExⅡ」は、2021年度グッドデザイン賞(主催:公益社団法人日本デザイン振興会)を受賞いたしました。
低コストで高い効果
「αダンパーExⅡ」は、『免震』工法に比べて、施工効率が高く、低コストでの設置が可能です。『耐震』工法では、対応できない繰り返しの地震にも有力です。
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