日本の地震ランキング【関東版】を調べてみました|近隣地域によって建物への危険度は変化する
地震発生時、大きな揺れには大きな関心が集まります。
しかし同じ近隣地域であっても、危険度は大きく変化します。
関東エリアではどのような違いがあるのかを調べてみました。
これからの地震対策に活かす方法と地震に強い家にするポイントを解説します。
あなたの大切な家族を守ること、そして大切な財産を守り切る家づくりにぜひお役立てください。
・地震といっても暮らすエリアによっても危険度は変化します。今回は関東圏にしぼった情報から、その危険度の違いを確認することができます。
・近隣での地震に対する危険度を知ることにより、これからの地震対策検討などにも活かすことができます。
目次
今後30年以内に起こる大地震の発生確率は
日本は世界の中でも有数の地震国とされています。
過去にも数多くの大きな地震が発生しています。
世界で起きている火山活動の約1%は日本で起きており、世界で起きている地震活動の約15%が日本で起きていると言われています。
広い世界の中でも15%という高い数値から、日本で生活する上での地震対策は必須です。
効果的な地震対策を施すために、いろいろな分析が日々行われています。
そのひとつが地震調査研究推進本部です。
地震調査研究推進本部では、「同じ場所で同じような地震がほぼ定期的に繰り返す」という仮定のもとに、大きな被害をもたらす可能性が高い、活断層で起きる地震、プレート境界やその付近で起きる地震(海溝型地震)について地震発生確率値を含む長期評価結果を公表しています。
ここでは、活断層の地震発生確率と海溝型地震の発生確率から「日本全体の危険度」を確認してみましょう。
活断層の地震発生確率
過去の活断層が要因となった地震では、
- 世界最大の加速度を観測した、2008年の「岩手・宮城内陸地震」
- 大都市の直下にある活断層で発生した、1995年の「兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)」
- 山間部で発生した、2004年の新潟県中越地震などがあります。
そして日本国内でも数多くの活断層が確認されています。
陸域・沿岸域の活断層から発生する地震の今後50・100年以内の地震発生確率の一例は、下のようになっています。
断層帯名 | 長期評価で予想した 地震規模 (マグニチュード) |
我が国の主な 活断層における 相対的評価 (注3) |
50年以内 | 100年以内 |
糸魚川-静岡構造線断層帯(中北部区間) | 7.6程度 | S*ランク | 20%~50% | 40%~70% |
糸魚川-静岡構造線断層帯(北部区間) | 7.7程度 | S*ランク | 0.02%~20% | 0.05%~40% |
日奈久断層帯(八代海区間) | 7.3程度 | S*ランク | ほぼ0%~30% | ほぼ0%~50% |
境峠・神谷断層帯(主部) | 7.6程度 | S*ランク | 0.04%~20% | 0.09%~40% |
中央構造線断層帯(石鎚山脈北縁西部区間) | 7.5程度 | S*ランク | ほぼ0%~20% | ほぼ0%~40% |
阿寺断層帯(主部/北部) | 6.9程度 | S*ランク | 10%~20% | 20%~30% |
三浦半島断層群(主部/武山断層帯) | 6.6程度もしくは それ以上 |
S*ランク | 10%~20% | 20%~30% |
※3 活断層における今後30年以内の地震発生確率が3%以上を「Sランク」、0.1~3%未満を「Aランク」、0.1%未満を「Zランク」、不明(すぐに地震が起きることが否定できない)を「Xランク」と表記している。地震後経過率(注2)が0.7以上である活断層については、ランクに「*」を付記している。Zランクでも、活断層が存在すること自体、当該地域で大きな地震が発生する可能性を示す。
もっと詳しい詳細を知りたい方は、こちらから>>今までに公表した活断層及び海溝型地震の長期評価結果一覧(令和4年1月13日現在)
地震調査研究推進本部では、「長期評価が行われている活断層が近くにある場合は、その場所で過去に何度も激しい揺れに見舞われている」と警告を発信しています。
海溝型地震の発生確率
次は海が関係する海溝型地震です。
過去には2003年に発生した十勝沖地震や、皆さんの記憶にも大きな傷跡として残っている2011年に発生した東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)などがあります。
海溝型地震の今後50・100年以内の地震発生確率の一例は、下のようになっています。
領域または地震名 | 長期評価で予想した地震規模 (マグニチュード) |
我が国の海溝型 地震の相対的評価 (注3) |
50年以内 | 100年以内 |
超巨大地震 (17世紀型) |
8.8程度以上 | Ⅲ*ランク | 7%~40% | 10%~60% |
青森県東方沖及び 岩手県沖北部 |
7.9程度 | Ⅲランク | 10%~30% | 70%程度 |
宮城県沖 | 7.9程度 | Ⅱランク | 20%程度 | 40%程度 |
南海トラフ | 8~9クラス | Ⅲ*ランク | 70%~80% | 90%程度 もしくはそれ以上 |
注3 海溝型地震における今後30年以内の地震発生確率が26%以上を「Ⅲランク」、3%~26%未満を「Ⅱランク」、3%未満を「Ⅰランク」、不明(すぐに地震が起きることを否定できない)を「Xランク」と表記している。地震後経過率が0.7以上である海溝型地震については、ランクに「*」を付記している。
もっと詳しい詳細を知りたい方は、こちらから>>今までに公表した活断層及び海溝型地震の長期評価結果一覧(令和4年1月13日現在)
海溝型地震はどうしても津波の発生など、地震被害をより大きくさせてしまうケースも考えられます。
住宅の備えに合わせ、迅速に避難を行える体制づくりなど、幅広い地震対策が必須となります。
活断層など危険要素がない場所では、地震は起きないのか
活断層による地震、海溝型地震など、様々な地震のタイプがあります。
例えば地震の要因になる活断層さえなければ安全と言えるのかという疑問の答えは、NOとなります。
活断層では、地震の規模がある程度大きくなければ、地表に断層のずれが現れません。
また、断層のずれが地表に現れていた場合でも、その後の浸食や土壌の堆積により痕跡が不明瞭になり、見つかっていない活断層もあるかもしれません。
目に見える、今発見されている活断層だけが危険という訳ではないと言うことです。
今すぐとは言わなくても、中にはパーセンテージの高い数値を示しているものがあるのも現状です。
しかし日本で暮らす以上、どこにいても陸域の浅い地震に対する備えが重要です。
日本の地震ランキング【関東版】
過去のコラム「日本で地震の多い場所はどこだろう」では「10年間に発生した地震回数」を調べてみました。
人口の多いエリアである関東圏のデータは、下のようになっています。
エリア | 震度1 | 震度2 | 震度3 | 震度4 | 震度5弱 | 震度5強 | 震度6弱 | 震度6強 | 震度7 | 合計 | 都道府県順位 |
茨城 | 3918 | 1969 | 603 | 173 | 24 | 4 | 3 | 2 | 0 | 6696 | 2 |
栃木 | 1901 | 906 | 297 | 87 | 7 | 3 | 0 | 1 | 0 | 3202 | 8 |
群馬 | 1341 | 454 | 129 | 31 | 2 | 1 | 1 | 0 | 0 | 1959 | 16 |
埼玉 | 1269 | 513 | 168 | 53 | 5 | 0 | 1 | 0 | 0 | 2009 | 14 |
千葉 | 2102 | 943 | 297 | 77 | 7 | 2 | 1 | 0 | 0 | 3429 | 6 |
東京 | 1395 | 506 | 141 | 24 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 2072 | 12 |
神奈川 | 723 | 393 | 102 | 25 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1247 | 20 |
東日本大震災で大きな被害のあった福島県が1位ではありますが、地震の発生回数を関東圏だけ見ても、茨城は2位、千葉は5位、栃木は6位など上位を占めています。
では今現在の関東圏では、どのような危険度を含んでいるのでしょうか。
国立研究開発法人 防災科学技術研究所のデータから、関東圏の情報をご紹介します。
- 都・県をクリックすると、詳しい地震ハザードカルテを見ることができます。
- 地震ハザードカルテの見方は、こちらをご参照ください。>>地震ハザードカルテの見方
茨城県
深部地盤では数値が低いものの30年・50年地震ハザードでは全体的に数値が高くなっています。
今後30年間にある震度以上の揺れに見舞われる確率の値は、震度5弱 99.0%、震度5強 73.8%となっています。
一部の地域が「首都直下地震緊急対策区域」に指定されています。
栃木県
栃木県では、上の地域を基点にデータを分析しています。
そのエリアでの総合評価は、下のようになっています。
先ほどの茨城県と違い、30年・50年地震ハザードの数値は低くなっています。
今後30年間にある震度以上の揺れに見舞われる確率の値も、震度5弱75.4%、震度5強23.0%と低めになっていることが分かります。
一部の地域が「首都直下地震緊急対策区域」に指定されています。
群馬県
群馬県では、上の地域を基点にデータを分析しています。
そのエリアでの総合評価は、下のようになっています。
群馬県のデータを見ると、震度5弱58.4%、震度5強12.8%と低めですが、震度5以上となる確率が高くなっている部分が気にかかります。
一部の地域が「首都直下地震緊急対策区域」に指定されています。
埼玉県
埼玉県では、上の地域を基点にデータを分析しています。
そのエリアでの総合評価は、下のようになっています。
茨城県でも比較的30年・50年地震ハザードの数値が高くなっていましたが、埼玉県ではさらに赤い範囲が広くなっています。
震度5弱100.0%、震度5強97.6%という指数が計算されています。
全域が「首都直下地震緊急対策区域」に指定されています。
千葉県
千葉県では、上の地域を基点にデータを分析しています。
そのエリアでの総合評価は、下のようになっています。
千葉県では、深部地盤の数値が高くなってきています。
深部地盤とは、深部地盤の内、盆地や平野の特徴をよく反映していると考えられる速度層上面深さの値です。
深いほど堆積層が厚くより揺れが大きくなります。
震度5弱99.5%、震度5強80.1%という数値が計算されています。
全域が「首都直下地震緊急対策区域」に指定されています。
東京都
東京都では、上の地域を基点にデータを分析しています。
そのエリアでの総合評価は、下のようになっています。
東京都ではグラフ全面の色の範囲がとても広くなっていることが分かります。
震度5弱99.7%、震度5強86.0%と計算されていますが、過去には関東大震災などの大規模を地震も発生しています。
今後も注意が必要と言えるでしょう。
全域が「首都直下地震緊急対策区域」に指定されています。
神奈川県
神奈川県では、上の地域を基点にデータを分析しています。
そのエリアでの総合評価は、下のようになっています。
最後は神奈川県です。
先ほどの東京と見比べてみると、かなり色の変わっている部分は少なくなっています。
震度5弱 92.7%、震度5強 56.3%と計算されていますが、南海トラフ地震の注意が促されているエリアに近いことから、しっかりとした地震対策を検討することをおすすめします。
全域が「首都直下地震緊急対策区域」に指定されています。
まとめ:地震ランキングの危険度をふまえ、繰り返す地震に負けない対策を
今回は関東圏にしぼって、エリアでの危険度の違いを比較してきました。
近隣とはいえ、このように数値や危険度、注意点も大きく変化します。
そのため必要となる地震対策にも、違いが現れるでしょう。
制震ダンパーを活用した地震対策も、その方法の中のひとつです。
- 年月が経つことにより起こる「経年劣化」
- 地震や強風・台風などの揺れによるダメージの蓄積
上記のような建物自体の強さを低下させる、風土の影響をふまえた対策にも対応できる!有効的な方法が「制震ダンパーの設置」です。
トキワシステムの制震ダンパー「αダンパーExⅡ」は、オイルダンパーの制震装置です。
オイルダンパーの「αダンパーExⅡ」は、小さな揺れから大きな揺れまで「あらゆる揺れに効果を発揮できる」ことが最大のメリットです。
そのため地震のみならず、台風などの強風からも大切な我が家を守ってくれます。
制震装置にはゴムダンパーや鋼材ダンパーなどがありますが、αダンパーExⅡは圧倒的に小型なのが特徴です。
上の写真のように、小さなボディゆえ建物の強さを守る耐力壁や筋交いに影響をあたえづらいことが分かります。
また上のデータでも分かるように、「耐震工法だけ」の場合建物の変位が約3㎝起こる反面、「耐震工法+制震ダンパー」ではその半分の約1.5㎝に抑えることが可能です。
地震対策の必要性は分かってはいても、なかなか行動に移すことは難しいものです。
「どんなことをしたらいいの?」などご不安な方は、ぜひプロの力を借りてみてください。
我が家にも付けられる?本当に効果があるの?など採用に迷っている方は、ぜひお気軽にご相談ください。
<参考コラム> 制震ダンパーが選ばれる理由|αダンパーEx Ⅱ
大切なあなたの家族を守りたい ―KEEP YOUR SMILE―
地震大国と呼ばれる日本では、繰り返される大規模地震や余震への対策が大きな課題とされています。
制震装置を導入することにより、建物の揺れをしっかり抑え、ダメージを減らし建物を守ります。
「αダンパーExⅡ」を導入した場合、最大55%の地震の揺れを吸収します。
繰り返しの地震にも強く、小さな揺れからもその効果を発揮することが特徴です。
16,000棟以上の供給実績、東海地区No.1の採用数で培った知識やノウハウが活きてくるのです。
家族の生命と財産を守る住宅を目指して!「αダンパーExⅡ」がしっかりとバックアップします。
耐震住宅にαダンパーExⅡをプラスしてみませんか。
ご不明な点等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。