活断層とは?どこにあるの?活断層と地震の関係を知って適切な対策を
地震の多い日本では、「活断層」が気になる方はとても多いのではないでしょうか。
国土交通省によると日本では2千以上もの「活断層」が見つかっており、まだ地下に隠れていて地表に現れていないものもたくさんあるとのことです。
そこでこの記事では「活断層」に焦点を当て、活断層とは具体的にどのようなものなのかその種類や特徴・場所などをお伝えするとともに、地震ととどのような関係があるのかについてご説明したいと思います。
記事の後半では、住宅に対する地震対策として近年注目されている、制震の取り入れ方についてもご紹介します。
・活断層とはどのようなもので、どこにあるのかがわかります。
・活断層と地震の関係性がわかります。
目次
活断層とは
まずは活断層とはどういうものなのか、その種類や特徴についてご紹介します。
活断層とは
ご存知の通り、地球の表面は「プレート」と呼ばれる板のような大きな岩盤で覆われており、私たちの住んでいる日本列島は4つのプレートの境界上にあります。
岩盤に大きな力が加わることによってひずみが生じ、蓄積されたひずみが大きくなると内陸部の岩盤の弱い部分や割れ目で急激な「ずれ」がおこり、そのずれの部分を「断層」と呼びます。
この「断層」のうち、 過去(特に数十万年前以降)に繰り返し活動し、将来も活動すると考えられる断層のことを「活断層」と呼んでいます。
活断層の種類
活断層では「断層運動」といって、断層面の両側の地面がずれ動きます。
その中でも断層の両側の地層や地面が上下にずれる「縦ずれ断層」と、水平方向にずれる「横ずれ断層」との2つに大別され、縦ずれ断層は「正断層」「逆断層」、横ずれ断層は「右横ずれ断層」「左横ずれ断層」とうふうに、変位様式によってそれぞれ2種類に分けられています。
①正断層:傾斜した断層面に沿って上盤(断層面より上側の地盤)がずり下がったもの
②逆断層: 傾斜した断層面に沿って上盤(断層面より上側の地盤)がずり上がったもの
③右横ずれ断層:相対的な水平方向の変位で断層線に向かって手前側に立った場合、向こう側の地塊が右にずれたもの
④左横ずれ断層: 相対的な水平方向の変位で断層線に向かって手前側に立った場合、向こう側の地塊が左にずれたもの
「縦ずれ断層」の中でも「正断層」は岩盤に「伸張力」が働いている場合に、「逆断層」は岩盤に「圧縮力」が働いている場合に形成されます。
また、「横ずれ断層」は岩盤に「圧縮力」が働いている場合に形成され、一方の地面に立って断層を見たときに向こう側となる地塊が、右方向にずれるものを「右横ずれ断層」、左方向へずれるものを「左横ずれ断層」といいます。
活断層の特徴
活断層には、次のような特徴があると言われています。
- 一定の時間をおいて繰り返して活動する
- いつも同じ向きにずれる
- ずれの速さは断層ごとに大きく異なる
- 活動間隔は極めて長い
- 長い断層ほど大地震を起こす
ではそれぞれについて、もう少し詳しく見てみましょう。
1.一定の時間をおいて繰り返して活動する
活断層は、「固着状態→ひずみの限界による地震→ひずみ解消→固着状態」を繰り返しています。
通常は断層面が固着していますが、断層面の両側の岩盤には常に大きな力による「ひずみ」がかかっており、このひずみが限界に達した時に岩盤がずれ動き、地震が発生します。
地震発生後はひずみは解消され、活断層はまた一定の期間は固着され、またひずみの限界に達するまで動かない、というのを繰り返して活動しています。
2.いつも同じ向きにずれる
活断層にかかる大きな力はプレート運動によるもので、その向きや速さは長期的には変化しないため、 基本的に活断層では同じ動きが繰り返され、いつも同じ向きにずれることになります。
3. ずれの速さは断層ごとに大きく異なる
活断層に生じる「ずれ」の量が増加していく速さを「平均変位速度」といいます。
「平均変位速度」は断層ごとに大きな差があり、これによってその活断層の活動度を知ることができます。
4. 活動間隔は極めて長い
日本には活断層の数がとても多いため活断層が頻繁に活動しているように思いがちですが、実は1つの活断層による活動間隔は「1000~数万年」と非常に長い、という特徴があります。
5. 長い断層ほど大地震を起こす
断層の長さが長いものほど、大きな地震を起こす可能性があります。
活断層と地震の関係性
日本で発生する地震はメカニズムによって、
- 活断層型地震
- 海溝型地震
の2つに大きく分けられます。
活断層の特徴でも少し触れましたが、活断層の岩盤に加わる大きな力によって「ひずみ」が蓄積され、ひずみが限界に達した時に岩盤がずれ動くことによって地震が発生します。
これを「活断層型地震」と呼んでいます。
「活断層型地震」は場合によって「直下型地震」と呼ばれることもあります。
活断層型地震は震源が浅いため、 初期微動継続時間が短く被害が大きくなりやすいといった特徴があります。
先述の通り活断層の活動周期自体は1000~数万年と長く、活断層型地震の発生間隔も長いとされていますが、海溝型地震と連動して発生するケースもあります。
ちなみに海溝型地震の発生間隔は、活断層型地震と比べてとても短くなっています。
たとえば今懸念されている「南海トラフ巨大地震」は海溝型地震ですが、発生間隔は100年程度となっており、過去に何度も巨大地震を引き起こしています。
活断層はどこにあるの?
では日本の中で活断層はどこにあるのでしょうか?
政府が地震対策として設置した特別機関である「地震調査研究推進本部事務局」では活断層の長期評価を行っており、次のように示しています。
同機関のHPでは「主要活断層帯の概略位置図」として、各活断層のさらに詳しい情報を個別にみることができます。
お住まいのエリアで活断層がどこにあるのかを参考にしたい場合は、概略位置図で確認してみるのもよいでしょう。
<参考リンク> 地震調査研究推進本部事務局HP「主要活断層帯の概略位置図」
まとめ
活断層について、その特徴や「活断層型地震」についてお伝えしました。
日本には今回ご紹介した活断層や、そのほかにもプレート境界といった、地震を発生させる要因となるものがたくさん存在します。
ただただ情報を知って「怖い」と不安になるのではなく、事前に調べられる情報はなるべく把握しておき、「いつでも地震が起きる可能性がある」ということを前提にして対策をおこなっておくことで、被害を最小限にすることができるのではないでしょうか。
活断層型地震に備えて住宅に設置したい「制震ダンパー」
これから住まいの建築をお考えの方や現在のお住まいに地震対策をお考えの方、そして、お客様により地震に強い住宅を提案したいとお考えの工務店やハウスメーカの方は、とても多いのではないでしょうか。
「活断層型地震」や「海溝型地震」を問わず、住宅の地震対策はいまや必須となっています。
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制震ダンパーとは、「地震による揺れを吸収して振動伝達量を抑えるための装置」です。
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<参考コラム>制震ダンパーは効果や種類を検討し最適なものを設置しよう
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