地震火災の恐ろしさ|被害を防ぎ減らすために私たちができる行動とは
「地震が来ても震度が大きくなければ大丈夫」
そんな風に思っていませんか?
大きな揺れはもちろん恐ろしいですが、地震で恐ろしいのは震度の大きさだけではありません。
大規模な地震の後にはさまざまな二次災害が発生し、より大きな被害をもたらします。
その中でも今回注目するのが「地震火災」です。
地震火災は「阪神淡路大震災」や「東日本大震災」でも地震火災が多発し、甚大な被害をもたらしています。
しかし、地震発生後の行動や日頃行っておく対策によって、地震火災の被害を防いだり減らしたりすることができるのです。
そこで今回ははじめに総務省が作成している地震火災に関する動画をご紹介し、地震火災の恐ろしさと現状や防ぐために取るべき行動、事前の対策についてお伝えします。
・地震被害が拡大する原因のひとつに、地震の後に発生する「地震火災」が挙げられます。
・地震火災は、地震が起きた後の行動や事前の対策によって防ぐことが可能です。
目次
地震火災とは
地震火災とは、「地震の揺れに伴う電気機器類からの出火や、停電が復旧した際に発生する火災」のことです。
大規模な地震が発生したときには 地震火災は同時多発的に発生するおそれがあり、消防活動にかかる人員等が不足してしまいます。
そのため多くの箇所で消火活動が困難な状態となり、特に住宅密集地などでは延焼が広がり大規模な火災につながりやすくなります。
地震火災が起きる原因
地震火災が起きる原因は大きく分けて、
- 通電による火災(通電火災)
- ストーブ・暖房器具による火災
の2つが考えられます。
特に通電などの電気に起因する火災は多く、2011年3月11日に発生した「東日本大震災」では330件もの地震火災が発生していますが、原因が特定されたもの中で実に過半数が電気に関係したものでした。
また、1995年1月17日に発生した「阪神淡路大震災」でも地震火災が293件発生しており、その原因の多くは電気に関するものと考えられています。
ではそれぞれについて詳しくみてみましょう。
地震火災の原因①「通電による火災(通電火災)」
通電による火災(通電火災)は、「停電から電気が復旧し再通電した際に発生する火災」のことを指します。
通電火災の例には次のような内容があります。
●地震によって落下した洗濯物や本などの可燃物が、アイロンや照明器具などの電気機器に接触し、再通電した際に接した部分が過熱し出火 ●家具等の落下にや転倒によって損傷した配線に再通電し出火 ●電線や屋内の配線が地震によって損傷した状態で再通電し、ショートや漏電によって出火 |
大規模な地震にが起きると長時間に及ぶ停電が発生します。
しかし再通電した時には住人が避難しておし、万が一火災が発生していても誰も気づかないケースが多く、初期消火が遅れて大火事へと発展する恐れがあり、大変危険です。
地震火災の原因②「 ストーブ・暖房器具 」
季節が限定されますが、冬場はストーブや各種暖房器具に起因する火災も多くみられます。
地震の揺れによって洗濯物やカーテンなどの可燃物がストーブ等の暖房器具の上に落下し、それらに引火して火災となります。
このような火災は普段の生活でも火災の原因の上位に挙がっていますが、大規模な地震の後は落下物が増えるためさらに注意が必要です。
地震後に取るべき行動とは?
最初にお伝えした通り、 地震火災は地震発生後の行動や事前の対策によって、被害を防いだり減らしたりすることができます。
ではまず、地震の後に私たちが取るべき行動からお伝えします。
停電中はスイッチオフ&プラグを抜く
大規模地震によって停電が起きた場合、すみやかに電気機器のスイッチを切り、コンセントプラグを抜いておきましょう。
通電火災の多くはスイッチが入ったままの電気機器への再通電が原因となっています。
スイッチを切ってプラグを抜いておくことで、再通電した際の火災を未然に防ぐことができます。
避難時はブレーカーを落とす
その場から非難する場合は、ブレーカーを落としておきます。
大規模地震によって避難所へ向かうことになった場合、自宅等の元の場所にはすぐに戻らないケースがほとんどです。
その間の通電火災を防ぐためにも、避難時にはブレーカーを落としておく必要があります。
再通電時は電気機器や配線の異常を確認
地震が落ち着いて停電が復旧すると、再び電気機器の使用するでしょう。
その際はすぐに電気機器を使用せず、電気機器本体や配線等から煙やにおいが出ていないか、破損や損傷などの異常がないかを確認してから使用します。
また、通電後も何か異常が生じないかしばらく様子を見るようにしましょう。
灯油の漏れを確認
石油ストーブやファンヒーターがある場合、それらから灯油漏れが起きていないかを確認します。
灯油が室内に漏れていた場合、万が一小さな出火でもたちまち大火事に発展してしまい大変危険です。
また、再通電後に再び使用する前にも、灯油の漏れがないかを確認しておきます。
もしも灯油が漏れていた場合は速やかに拭いておきましょう。
万が一火災が発生したら初期消火をおこなう
もしも火災が発生したら、 初期消火をおこないます。
初期消火とは、人命を第一であることを念頭に置きながら、火災の被害を最小限に抑えることです。
初期消火の基本は
- 火事を知らせる
- 消火活動をおこなう
- 避難する
の3ステップです。
まずはドアを開けて逃げ道を確保し、速やかに大きな声で周辺に火事を知らせましょう。
そして慌てずに揺れがおさまるのを待ってから、基本的に住宅用消火器で可能な範囲の初期消火をおこないます。
ここで大切なのが、いつまでも初期消火をせずに、難しいと判断した場合は速やかに避難するということです。
目安となるのは炎の高さです。
炎は身長よりも高くなると初期消火では困難お言われているため、炎が自身の身長よりも高くなったら消火活動はやめて避難しましょう。
何においても人命が一番であることを忘れずに行動することが大切です。
地震火災を防ぐために事前にできる対策とは?
地震火災を防ぐために、私たちが日頃からしておけることがあります。
どんな事前対策があるか順にみていきましょう。
家具家電の転倒防止
通常の地震対策でも行う家具や家電の転倒防止対策は、地震火災を防ぐうえでもとても効果を発揮します。
これは先述にもある通り、家具や家電の転倒によって配線が損傷したり、ストーブ等の暖房機器の上に可燃物が落下して火災へつながるケースが多いためです。
ストーブ・暖房器具周りの整理整頓
冬季の場合は、日頃からストーブなどの暖房器具周りを整理整頓しておきましょう。
周囲に洗濯物や紙類が散乱している場合、地震でストーブ等が倒れたときに容易に引火してしまいます。
地震が起きてない場合でも暖房器具周りには物を置かないことが好ましいです。
安全装置のついた製品の使用
主に電気ストーブやファンヒーターなどの暖房器具は、地震などによって倒れた場合自動的に電源が切れる「安全装置」がついているものがあります。
これらの暖房器具を使用する際は、安全装置がついた製品を使用するように心がけましょう。
消火器や火災報知器の設置
初期消火にか欠かせない住宅用の消火器や、火災報知機の設置もしておきましょう。
特に消火器に関しては、「阪神淡路大震災」において消火器による初期消火の成功率は50%と言われています。
消火器を設置しておくだけでなく、地域や会社、学校などの防災訓練に参加して消火器の使い方も知っておくとよいでしょう。
感震ブレーカーの設置
感震ブレーカーとは、一定以上の地震の揺れを感知すると自動的にブレーカーを落として電気を止めてくれる装置のことです。
あらかじめ感電ブレーカーを設置しておけば、家にいない時やすぐさま避難しなければならない時でもブレーカーを落としてくれるため、通電火災を防ぐのに高い効果があります。
感震ブレーカーには
- 分電盤タイプ(内蔵型・後付型)
- コンセントタイプ
- 簡易タイプ
などがあり、種類によって電気工事が必要なものとそうでないものとがあります。
費用も3,000~10万円弱までと幅広いですが、自宅の分電の種類に合ったものを選ぶようにしましょう。
まとめ:地震火災を防いで地震による被害を最小限に
大規模な地震が起きた後には、地震火災の恐れが非常に高くなります。
いざ地震が発生したらすぐにすべきことはいくつかありますが、まずは揺れがおさまるのを待っておこない、危険であれば避難を優先させることを念頭に置いておきましょう。
地震火災はあらかじめ対策を講じておけば、地震火災や火災による被害を最小限にとどめることが可能です。
私たちは地震対策とあわせて、地震火災への対策も万全に行っておくことが大切です。
自宅に取り入れられる地震対策は?「制震ダンパー」設置のすすめ
一般的に地震対策と言えば備蓄の準備やハザードマップの確認、住宅の耐震化や家具家電の固定などが思い浮かぶのではないでしょうか。
地震対策には今回ご紹介した地震火災への対策のように、意外と気付いていないことや知らないことも多くあります。
そんな中、最近住宅に対する地震対策として注目を集めているのが「制震ダンパー」の設置です。
制震ダンパーとは、「地震による揺れを吸収して建物の揺れを低減するための装置」で、耐震化された住宅に制震ダンパーを設置することで大きな相乗効果を発揮し、建物の倒壊防止に高い効果が期待できます。
制震ダンパー「αダンパーExⅡ」
トキワシステムがおすすめする制震ダンパー「αダンパーExⅡ」は、特殊オイルを用いたオイルダンパーです。
- 建物の変形を約1/2に低減し、建物の損傷を大幅に軽減する高い性能
- 副資材が不要、半人工以下の簡易施工を実現する施工性の高さ
- 120年の製品保証とメンテナンスフリーの実現による耐久性の高さ
- コストパフォーマンスの高さ
- さまざまな研究機関などで実施した実証実験による信頼性
- 18,000棟以上にもおよぶ採用実績
このような点において、 数ある制震ダンパーの中でも安心・高品質な制震装置です。
圧倒的な小型化により施工も容易なため、 住宅の新築時の施工はもちろん、既存住宅への設置も可能です。
次の実証実験結果をご覧ください。
耐震工法で建てられた住宅に制震ダンパー「αダンパーExⅡ」を設置することで、柱の変位量が最大55%低減できることがわかります。
<参考コラム>制震ダンパーが選ばれる理由|αダンパーEXⅡとは
大切なあなたの家族を守りたい ―KEEP YOUR SMILE―
いつ起きるかわからない地震。
恐ろしい地震から、誰もが家族や住宅を守りたいと願うものです。
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