地震による液状化現象とは?起きる仕組みや被害と対策を知っておこう
地震による被害のひとつに「液状化現象」があるのはよく知られています。
その一方で、液状化現象とはどのような事が起きるのかはあまり知られていません。
この記事では地震による「液状化現象」に注目し、液状化が起きる仕組みや具体的な被害、そして対策についてご紹介します。
この記事を読んだらわかること
・液状化現象とは、地震の振動によって地下水位の高い砂の地盤が液体状になる現象の事をいいます。
・液状化現象が起きると建物の傾斜や沈下、地中の構造物の浮き上がり、地盤の移動、噴砂や噴水などが起こります。
・液状化現象への対策は事前の調査や地盤改良などがあります。
目次
液状化現象とは
液状化現象とは、地震が発生した際の振動によって地盤が液体状になる現象のことです。
地震の多い日本では、過去の大きな地震のたびに液状化による被害が発生しました。
中でも地震による液状化の被害を世間に大きく知らしめたのが、1964年に起きた「新潟地震」です。
河畔のアパートが何棟も傾き、中には液状化現象によって横倒しになったアパートもありました。
その後、1995年の「阪神淡路大震災」、2004年の「新潟県中越地震」、2011年の「東日本大震災」、2016年の「熊本地震」、2018年の「北海道胆振東部地震」といった大きな地震で液状化による被害が起きています。
地震によって液状化現象が起きる仕組みとは
地盤は土や砂の粒子が集まった状態でできていますが、その粒子間を「地下水」とよばれる水で満たして支えています。
地震の振動によって地下水の圧力が高まると土や砂の粒子の結合がなくなってしまい、地下水に浮いた状態、いわゆる「液状化」した状態になります。
液状化後は土や砂が沈殿し、地下水と分離して泥水のようになってしまいます。
こうなると建物の傾斜や噴砂などの現象が起き、建物やインフラなどに大きな被害をもたらします。
液状化現象による被害
地震の振動によって液状化現象が起きた場合には、次のような被害が起きる可能性があります。
建物の傾斜・沈下
液状化現象が起きるとまず考えられるのが、建物の傾斜や沈下の被害です。
地盤が液状化したことによって建物が一方へ傾いたり、不均一に沈み込んだりします。
建物が傾くと、ドアや窓の開け閉めが困難になったり窓の鍵がかからなくなったりといった建具に関する被害の他、気密性の低下や基礎部分への亀裂の発生、排水が流れないといった被害にも及びます。
場合によっては建物自体が横だおしになることもあります。
地中構造物の浮き上がりや破損
地震によって液状化現象が起きると、地中にあるマンホールなどの構造物が浮き上がったり、地中に埋められている水道やガスなどの埋没管が破損したりする場合があります。
マンホールが浮き上がると通行に危険なだけでなく、避難や救急搬送、支援物資の運搬の妨げになるなどの深刻な被害をもたらします。
また、水道やガスの菅が破損すると、周辺地域のライフラインに大きなダメージを与えてしまいます。
噴水や噴砂
先述の通り、液状化現象は地震の揺れによって地盤の地下水の圧力が高まることによって起きますが、その地下水や地中の砂が地上に噴き出すことがあります。
これを噴水や噴砂といい、液状化現象特有のものです。
噴水や噴水によって、道路や田畑、住宅などが冠水したり埋もれたりするといった被害が発生します。
側方流動
側方流動とは、地震による液状化が起きた地盤が水平方向に移動することです。
側方流動が発生すると、地滑り、護岸・擁壁の崩壊、河川や道路の沈下や埋塞、建物の基礎部分へのダメージによる倒壊などの恐れがあります。
液状化現象への対策とは
このように道路や建物だけでなくライフラインにも深刻な被害をもたらす液状化現象への対策には、次のような事が考えられます。
液状化しやすい土地の特徴を知っておく
液状化しやすい土地の特徴をあらかじめ知っておくことで、液状化現象が発生する可能性が高い場所かどうかを予測することができます。
液状化しやすい土地には、地盤の粒子に砂が多く柔らかい砂地盤や、地下水の水位が地表に近く浅いといった特徴があります。
したがって、強固な地盤や地下水の水位が深い山間部や丘陵部では地震が発生しても液状化現象はあまり見られず、海岸や埋め立て地や低地では液状化しやすいといわれています。
地震の規模や地盤ごとの特徴にもよりますが、一般的に次のような地域は液状化現象が起きやすいとされています。
・埋立地
・かつて池、沼、川であった場所
・自然堤防(大きな河川の近く)
・砂丘間低地(砂丘列と砂丘列との間の細長い低地)
・干拓地
・三角州
・盛り土
・埋め戻した土地
・かつて液状化が起きた場所
マップ等で調べる
万が一地震が起きたときに液状化現象が起きやすい土地かどうかは、ハザードマップなどで発生傾向を調べることができます。
国土交通省による「ハザードマップポータルサイト」では、災害リスク情報などを地図に重ねて表示できる「重ねるハザードマップ」と、各市町村が作成しているハザードマップにリンクされている「わがまちハザードマップ」を閲覧することができます。
地盤改良をおこなう
これから建物を建てる予定の土地の地質調査をした結果、液状化現象が起きやすい地盤だと分かることがあります。
地盤が軟弱な場合、どんなに耐震性に優れた建物を建てたとしても、液状化などによって傾斜や沈下のリスクが伴います。
このような場合は、地盤改良をおこなうことで地震が起きたときの液状化のリスクを減らすことができます。
地盤改良には表層改良工法、柱状改良工法、鋼管杭工法の3つの方法があります。
その土地の状態に応じていずれかの方法を用います。
一般的な軟弱地盤への対策には、地盤改良を行わずに杭で建物を支持する方法が用いられる場合もあります。
既存の建物がある場合の対策
既に建物がある場合にできる液状化現象への対策としては、基礎の下部分への薬剤等の注入という方法もあります。
建物の基礎の下に「クラウド材」と呼ばれるすき間を埋める液体状のものや薬剤を、ボーリングマシンで注入します。
既存の建物でも地盤改良を行いたい場合は、建物の土台の下に油圧ジャッキを入れてジャッキアップをする必要があり多くの費用がかかるため、一般的にあまり用いられていないのが現状です。
まとめ
地震のゆれをきっかけとする液状化現象は、建物や道路、ライフラインなどさまざまな箇所に被害をもたらします。
私たちは事前に液状化の仕組みを理解し、液状化現象が発生しやすい土地の特徴や箇所を知っておくことで、地盤改良などの対策をとることができ住宅への被害リスクを低減することができます。
地震はいつ起きるか分かりません。
平時の時にこそあらかじめ予測できる被害を把握しておき、いざというときに慌てることの無いようにしておきたいものです。
地震対策におすすめの制震ダンパー「αダンパーExⅡ」
地震大国である日本。
液状化リスクのない場所でも、地震への備えは大切です。
私たちトキワシステムが提供する制震装置「αダンパーExⅡ」は、建物にプラスすることで地震による損傷や倒壊のリスクを低減することができます。
制震装置「αダンパーExⅡ」を耐震性を備えた住宅に追加で設置することで、地震の揺れによる建物の変形を最大55%低減させることができ、あなたの大切なお住まいを守ります。
また、トキワシステムの制震装置「αダンパーExⅡ」は東京工業大学・静岡大学・豊田工業高等専門学校・岐阜県立森林文化アカデミーなどの数多くの学術研究機関による性能試験をクリアして、その効果が認められています。
おかげさまで中部圏を中心に15,000棟の供給実績を誇り、信頼と実力No.1の木造住宅用制震ダンパーとして、多くのお客様に満足いただいています。
大切なあなたの家族を守りたい ―KEEP YOUR SMILE―
繰り返し起こる地震への対策は、日本の地震対策において大きな課題のひとつです。
トキワシステムの制震装置「αダンパーExⅡ」は、そんな耐震住宅の弱点を補いつつ、建物の倒壊防止に効果を発揮します。
しかも圧倒的な小型化により、新築の住宅はもちろん、既存の住宅にも設置が可能です。
あなたの大切なお住まいに「αダンパーExⅡ」をプラスして、家族と財産を守る住宅を目指しませんか?
技術力の高いトキワシステムが提供する安心・高品質な制震装置 「αダンパーExⅡ」 であれば建物をしっかりとサポートし、お施主様からのさまざまなご要望にもお応えします。
ご不明な点等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。