オーバーハング建築とは?メリットやデメリットについてご紹介!
限られた土地に戸建て住宅を建築する場合になどによく用いられる「オーバーハング建築」。
多くのメリットがありますが、その特徴は意外と知られていません。
そこでこの記事ではオーバーハング建築のメリットとデメリットについて、建築する際の注意点もあわせてご紹介します。
これから戸建て住宅の建築をお考えの方はぜひご参考下さい。
この記事を読んだらわかること
・オーバーハング建築とは2階以上部分が1階よりも張り出した形状の建物のことです。
・土地を有効活用できデザイン性も高いというメリットがあります。
・1階より上階が大きくなる為、耐震性にやや劣るというデメリットがあります。
目次
オーバーハング建築とは
オーバーハング建築とは、「2階以上の部分が1階よりも外側へ張り出した形状の建物」のことです。
戸建て住宅の庇やベランダ・バルコニー、マンション等の集合住宅の外部廊下などによく用いられます。
外側へ張り出した部分を「キャンティ」もしくは「キャンティレバー」と呼ぶこともあります。
オーバーハング建築のメリット
オーバーハング建築にすることで、次のようなメリットを得ることができます。
狭い土地を有効に使うことができる
オーバーハング建築のメリットとしてまず挙げられるのが、2階以上の床面積を広くすることができる点です。
オーバーハング建築で張り出した部分は居室スペースとしての利用の他に、収納スペースやベランダにも利用することができます。
建物の2階以上に広い空間を確保することができることによって、限られた土地に最大限広い建物を建築できるため、狭い土地を有効に活用することができます。
建築費用を抑えることができる
オーバーハング建築では1階の面積分の基礎工事で建築されるため、広さに対する基礎工事費用を抑えることができます。
もっとも、屋根や居住スペースの面積は広くなるのでその分の建築費用は増えますが、戸建て住宅の建築費用の中でも基礎工事にかかる費用はとても大きいので、基礎工事費用を抑えられるのは大きなメリットといえます。
張り出し部分の下を有効に使える
オーバーハング建築では、張り出し部分の下を様々な用途に活用することができます。
例えば多くみられるのが、玄関ポーチやリビング窓の庇代わりに活用しているパターンです。
わざわざ庇を取り付けなくても、オーバーハングの張り出し部分が雨除けや日差しの緩和に一役買ってくれます。
また、張り出し部分の下を駐車場スペースや駐輪スペースとして活用するケースも多いです。
特に都市部などで車を保有している場合は住宅以外の場所に駐車場を借りる必要もなくなるので、利便性も高く経済的にもよい設計です。
デザイン性が高い
オーバーハング建築では効率や利便性などの実用面以外に、デザイン性の高さが実現できるというメリットもあります。
一般的な戸建て住宅は総2階や2階以上が1階部分より小さい形状が多いですが、オーバーハング建築の2階部分が張り出した形状は、それだけで他の住宅と差別化を図ることができます。
例えば2階以上部分の外壁を塗り壁にして1階部分の外壁は木材にする、などのように1階と2階以上で外壁の素材を変えたり、部分的にカラーを変えるだけでもデザイン性が大きくアップし洗練された雰囲気になります。
オーバーハング建築のデメリット
一方で、オーバーハング建築にもデメリットがあります。
どのようなデメリットがあるのか、デメリットをカバーする対策はあるのかみてみましょう。
耐震性に劣る
オーバーハング建築の一番のデメリットは、一般的な戸建て住宅と比較して耐震性に劣るという点です。
1階部分が上階に比べて小さい建物であるため、形状的にどうしても揺れには弱くなってしまいます。
総2階等と比較すると建物の重心も高くなり、過度なオーバーハングは不安定さが増してしまいます。
しかし木造住宅の場合、 オーバーハング建築の張り出し部分の幅は最大で「1.5メートル」という制限が設けられています。
建築の際には建築士や設計士が耐震性に問題のない範囲で計算を行うので、耐震性を著しく損なということはないでしょう。
建物のデザイン等場合によっては、基礎の延長や構造材の補強といった工夫が必要となります。
メンテナンス費用がかかるケースがある
オーバーハング建築は一般的な住宅の建物と比較して、「角」が多いつくりになっています。
外壁は塗りであってもサイディングであっても、「角」から劣化していきやすいという特徴があります。
したがって、外壁塗装や補修のメンテナンス費用がかかる可能性が高くなるのもオーバーハング建築のデメリットのひとつといえます。
オーバーハング建築にする際の注意点
建ぺい率に注意する
建ぺい率とは「敷地面積(建物を建てる土地の面積)に対する建築面積(建物を真上から見たときの面積)の割合」を算出したもので、各市町村の定める用途地域によって異なります。
建ぺい率をオーバーして建物を建てることはできません。
オーバーハング建築のように各階で床面積が異なる場合、1階ではなく一番広い階の床面積を建物面積として建ぺい率の計算に用いるため、注意が必要です。
容積率に注意する
容積率とは「土地の面積に対する延べ床面積の割合」を算出したもので、こちらも各市町村の定める用途地域によって異なります。
建ぺい率と同様に、定められた容積率をオーバーして建物を建てることができません。
「狭い土地だからオーバーハング建築の3階建てにしよう」と思っていても、用途地域によっては容積率で建築できないというケースもあるので、注意が必要です。
間取りや設備配置に注意する
オーバーハング建築の張り出し部分に重量負荷の高い設備や家具が配置されないよう、間取りや配置にも注意が必要です。
構造計算された建築物とはいえ、はやり張り出し部分が非常に重くなるのはバランスが崩れるため避けたほうがよいでしょう。
張り出し部分の幅に注意する
先述の通り、木造の場合はオーバーハング建築の張り出し部分の幅には最大で「1.5メートル」という制限があるため、木造の場合は制限を過ぎないよう注意が必要です。
耐震性の面から考えても、張り出し部分の幅は小さい方が有利に働きます。
なお、鉄骨造やRC造であれば1.5メートル以上の張り出しも可能で建物強度や耐震性も増しますが、その分建築費用が高くなることも把握しておきましょう。
張り出し部分を支えている壁に窓を設置しないようにする
建物の構造として窓がある壁は、窓のない壁と比較して耐久力が弱く圧や負荷にも弱いです。
オーバーハング建築の張り出し部分を支えている壁には、通常の壁よりも圧や負荷が多くかかります。
したがって、張り出し部分を支えている壁には大きな窓の設置は避けたほうがよいでしょう。
水切りを設置する
水切りとは、建物外部の突き出した箇所にかかる雨水が内部に侵入ないように、建物の基礎や土台部分、窓枠、手入り口枠の下などに取り付けられるL字型の雨仕舞用金物のことです。
オーバーハング建築の張り出し部分にも水切りを設置することで、1階部分への雨水の侵入を防ぐことができます。
雨水の侵入は外壁だけでなく躯体の劣化にもつながるため、設置を忘れないようにしたい部分です。
地震への対策に「耐震」プラス「制震」という発想を
オーバーハング建築は土地を有効に使えるうえに、お洒落なデザインの住宅を手に入れることができます。
しかし耐震性がやや劣るという点が気になる人も多いのではないでしょうか。
地震が頻発する昨今、できる限りの地震対策はしておきたいものです。
そこでおすすめしたいのが、耐震住宅に「制震装置」を設置することによって「制震」の機能をプラスするという方法です。
「制震」とは、制震装置を設置することで建物が地震の揺れエネルギーを吸収・抑制する技術のことをいいます。
「制震」によって建物の揺れが低減し、建物の損傷軽減にもつながります。
新築住宅へ制震装置をプラスして
現在の新築住宅は新建築基準法に基づいているため、一定基準以上の耐震性が確保されています。
そんな耐震住宅に「制震装置」をプラスすることで、繰り返す揺れへの対応など耐震では補いきれない部分をカバーすることが可能になります。
トキワシステムがおすすめする制震装置「αダンパーExⅡ」は、新築住宅にも既存住宅にも設置が可能です。
制震装置「αダンパーExⅡ」の製品紹介
トキワシステムの制震装置「αダンパーExⅡ」は、地震による建物の揺れを吸収して小さくすることができます。
制震装置「αダンパーExⅡ」を用いたシミュレーション結果をご覧ください。
耐震住宅に制震装置「αダンパーExⅡ」を設置することで、 設置前と比較して建物の変位性が小さくなっており、地震の揺れが軽減されることがわかります。
トキワシステムの制震装置「αダンパーExⅡ」は、特殊オイルを利用した制震ダンパーです。
圧倒的な小型化によって設置が容易であり、既存の住宅への設置でも新築住宅への設置でも間取り等の制約を受けることがありません。
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トキワシステムの制震装置「αダンパーExⅡ」は、お陰さまで中部圏を中心に18,000棟、東海地域ではナンバーワンの実績があり、多くのお客様に満足いただいています。
トキワシステムの制震ダンパー「αダンパーExⅡ」製品サポート
トキワシステムの制震ダンパー「αダンパーExⅡ」よくある質問
大切なあなたの家族を守りたい ―KEEP YOUR SMILE―
地震大国といわれる日本。
万が一に備えて、住宅には「耐震」だけでなく、耐震の弱点を補ってくれる「制震」も取り入れて大切な建物と家族を守りたいものです。
間取りなど住宅に対しての制約が少なく導入しやすいトキワシステムの制震装置「αダンパーExⅡ」であれば、建物をしっかりとサポートしてくれます。
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