地震の後に津波が来たらどうする?国の対策や避難方法を知っておこう
日本でも頻発している地震。
その後に来る「津波」の恐ろしさも、私達の記憶に刻まれているのではないでしょうか。
今回は地震の後に来る可能性のある「津波」に注目し、津波で想定される被害や国の対策、避難方法、そして個人で出来る対策方法についてお伝えします。
この記事を読んだらわかること
・日本ではさまざまな津波対策が行われています。
・万が一津波が発生したら迅速に逃げなければなりません。
・日頃から個人で準備しておける津波対策、建物に対する地震対策を知ることができます。
目次
地震で恐ろしいのは「津波」
津波とは、港(津)に押し寄せる非常に大きな波のことをいいます。
津波はご存知の通り、地震によって発生します。
地震は、断層面に沿ってその面の両側の岩盤がずれ動く現象(断層運動)です。
地震の震源が海底下にある場合、震源に近い海底に地殻変動が起こり、海底から海面までの海水が全体的に動かされます。
このように海水が上下に大きく変化したものが「津波」となり、広がっていきます。
また、一度だけで終わらない可能性があるという点も津波の恐ろしいところです。
第一波の津波が来た後に、第二波や第三波が訪れるケースもあります。
津波で想定される被害とは
大規模な津波が起きると、沿岸地域の内陸部に侵入します。
そのスピードは水深が深いほど速く伝わり推進が浅くなるほど遅くなりますが、沿岸部に到達した地点でもオリンピックの短距離選手並の速さのため、通常は津波が見えてから走っても逃げ切るのが難しいといわれています。
このような高スピードで来る津波は市街地や集落などを破壊しながら、なぎ倒した浮遊物と一緒にさらに内陸の深い部分まで侵入し、被害をひろげていきます。
過去にはバスや電車や大型船が海側から陸へ打ち上げられたケースや、20m以上の高台に避難していたにもかかわらず背後から回り込んできた津波に襲われたケースもあります。
また、第一波より第二波や第三波など後から来襲する波の方が高い場合もあり、中には 第一波が引いた後にいったん家に戻った際に被害に遭われてしまったケースもあります。
<参考コラム>東京で地震が起こったら どのくらいの津波が来るのだろうか
日本の津波に対する対策
地震大国、そして海に囲まれている我が国では、どのような津波対策が行われているのでしょうか。
構造物による被害の抑止
津波の被害から人々や街を守るために、次のような構造物による防災設備が整備されています。
●海岸堤防
津波・高潮・高波対策として、これらによる被害を防ぐために海岸に沿って設けられた堤防を海岸堤防といいます。
●津波防波堤
湾部にある港湾など、水際線に高い構造物を設けることに支障がある場合には、津波防波堤を設けて津波の高さや波力を低減させるための対策を行っています。
●水門・陸閘(りっこう)
津波の河川への進入を防ぐための対策として水門を設け、道路が堤防と交差する場合には陸閘を設置しています。
●津波・高潮防災ステーション
津波や高潮に関する気象庁からの警報や注意報や観測施設のデータ等を収集し、いち早く伝達するためのステーションも設けられています。
これによって海岸利用者や関係機関等へのいち早い伝達、水門や陸閘などの海岸保全施設を遠隔操作など、津波に対する迅速な対応を行うことができます。
東日本大震災を踏まえた津波対策の取り組み
これまで日本では最大級の地震を想定して地震対策を講じてきました。
しかし、東日本大震災ではそれをはるかに超える地震や津波による甚大な被害を受けてしまいました。
このような経験を踏まえ、新たに次のような津波対策に取り組んでいます。
●L2(最大クラスの津波)への対策
ハード面の対策、まちづくり、ソフト面(警戒避難体制の確立など)の対策を組み合わせた「多重防御」による減災に取り組んでいます。
●L1(比較的発生頻度の高い津波)への対策
従来から引き続き海岸堤防など海岸保全施設の整備や、津波に耐え得るような構造物の技術開発と整備を進めています。
「津波防災地域づくりに関する法律」の制定
上記の多重防御による「津波防災地域づくり」を進めるため、平成23年12月に「津波防災地域づくりに関する法律(平成23年法律第123号)」が成立しました。
これによって、都道府県知事による津波浸水想定の設定や、それに応じた各種対策、推進計画の作成及び実施、津波防護施設の管理や特別警戒区域の指定など、地域に沿った「津波防災地域づくり」が効果的に進められています。
<参考コラム>小さい地震でも注意が必要な話【大きな津波の可能性も】
もしも津波が来たらどうすればよいのか
このように国や都道府県による津波への対策はその時々に合わせて更新されながら行われています。
ではもしも実際に津波が来たら、私達個人はどうすればよいのでしょうか。
とにかく逃げる
- 強い地震(震度4程度以上)を感じたとき
- 弱い地震であっても長い時間ゆっくりとした揺れを感じたとき
- 地震を体で感じなくても、「津波警報」等を見聞きしたとき
このようなときは直ちに海岸から離れ、早急に可能な限り高い場所へ避難しましょう。
避難誘導標識などを確認しながら、近くの安全な高台や津波避難タワー、津波避難ビルなどへ移動しましょう。
津波警報・注意報と取るべき対応
気象庁では、津波の高さに応じて大津波警報・津波警報・津波注意報を発表しています。
津波警報や津波注意報が発令された際は、私達は次のような行動を取る必要があります。
●津波警報(大津波警報・津波警報)
沿岸部や川沿いにいる人たちは、直ちに高い場所へ避難しなければなりません。
津波は第二波、第三波と襲ってくるため、津波警報が解除されるまでは絶対に安全な場所から離れず、もとの場所に戻らないようにしましょう。
可能な限りより高い場所を目指して避難しましょう。
●津波注意報
海の中にいる人は、直ちに海から上がり海岸から離れなければなりません。
津波注意報が解除されるまで、海に入ったり海岸へ近づくのはやめましょう。
個人でしておきたい津波対策の方法とは
万が一の津波に備えて、普段からしておきたい津波への対策方法があります。
事前対策をしておくことで、混乱を避けて正しい行動をとりやすくなります。
●「津波ハザードマップ」で避難場所の確認をしておく
「津波ハザードマップ」とは、シミュレーションにより求めた浸水範囲や避難場所・避難路などがわかりやすく書き込んである地図です。
事前に津波ハザードマップで避難方法や避難経路、避難場所等を確認しておくことで、万が一の津波に対しても迅速に避難することができます。
●「津波フラッグ」や「津波標識」の確認
津波の危険がある場所には津波に関する標識があったり、津波を知らせるフラッグなどがあります。
津波フラッグは、主に海水浴場等で視覚的に津波を知らせるための旗です。
津波標識には、「津波注意」「津波避難場所」「津波避難ビル」があります。
津波の危険がある場所に設置されているので、海の近くにいる際には必ず確認しておきましょう。
その他にも、津波の情報を得る方法として、道路に建てられている津波表示板や電光掲示板、警告灯などもあります。
避難方法だけでなく、これらの標識や津波情報伝達方法の存在も把握して避難時に役立てましょう。
●安否確認手段を家族で決めておく
日頃から、災害時の避難場所情報の共有や非常時の連絡方法、安否確認の方法や待ち合わせ場所などを家族で話し合って決めておきましょう。
津波に限らず、災害時には電話がつながりにくいなど通信状況が不安定になります。
「災害用伝言サービス」の利用方法なども確認しておくとよいでしょう。
●防災訓練に参加する
地域や職場などで行われている防災訓練への参加も、個人でできる事前対策方法のひとつです。
というのも、実際に行動を伴って訓練することでより実践的に身に付けることができるからです。
ハザードマップの活用や家族や個人でシミュレーションしておくことに加えて、訓練へ参加することで更に実際の避難をイメージしやすくなります。
●非常持ち出し品を準備しておく
もしも避難所で過ごさなければならなくなった際に備えて、避難所生活に必要な物をリュック等に準備して直ぐに持ち出せる場所においておくと良いでしょう。
<参考コラム>制震ダンパーで住宅の在宅避難を実現しよう
まとめ:災害には個人の対策や備えも大切
地震や津波などの自然災害はいつ起きるか分かりません。
国や自治体はさまざまな対策を講じてくれていますが、個人でもできる対策方法や準備を把握して行っておくこともとても大切です。
日頃からしっかりと準備をし、万が一の場合でも迅速に安全を確保できる行動をとれるようにしておくとよいでしょう。
個人でできる地震対策に新しい選択肢「αダンパーExⅡ」
津波発生の危険が想定されないような場所であっても、地震による建物の倒壊などの災害はなるべく防ぎたいものです。
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トキワシステムの制震ダンパー「αダンパーExⅡ」よくある質問
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