火山活動と地震は関連性がある?火山噴火で予想される被害と対策
ご存知の通り、日本には多くの火山があります。
つい最近も、阿蘇山の噴火がありました。
そこで気になってくるのが火山活動による被害や対策と、地震の多い現代における火山活動と地震との関係性です。
今回は日本の火山について、火山活動によってどの様な被害がもたらされると予想されているのか、火山活動への対策はどうすればよいのか、そして火山活動と地震にはどのような関係性があるのかについてお伝えします。
コラムのポイント
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日本は火山大国である。
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火山活動による被害への対策は事前確認をしておくことでかなり対応ができる。
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火山活動は地震とも関連性がある。
目次
日本に多数ある火山
日本は国土が狭いにもかかわらず、火山の数はとても多いことで知られています。
まずは日本の火山についてご説明します。
日本は火山大国
火山や火山活動について、「活火山」という言葉はよく耳にすると思います。
活火山とは、「概ね過去1万年以内に噴火した火山及び現在活発な噴気活動のある火山」のことです。
日本にはおよそ「111の活火山」があり、この数は世界の活火山の7%を占めています。
「休火山」「死火山」という分類はなくなった
ところで少し前まで、活火山と並んで「休火山」や「死火山」という名称を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
実は「休火山」や「死火山」という言葉は現在では使われていません。
かつては、現在も噴火や噴気活動などの火山活動を続けている火山を活火山、現在火山活動はしていないが過去に火山活動の記録が残っている火山を休火山、過去に火山活動の記録がない火山を死火山というように分類されていました。
ところが年代測定法の進歩によって過去の火山活動が明らかになったことで、火山は寿命がとても長く、噴火など過去の火山活動の有無だけで将来の噴火の可能性は判断しずらいということがわかり、このような分類は無意味だとされるようになりました。
したがって、最近では休火山や死火山という分類はされなくなっています。
火山活動によって想定される被害とは
では実際に噴火などの火山活動が起きたときに、想定される被害にはどのようなものがあるのでしょうか。
さまざまな想定される被害
①大きな噴石
噴火によって火口から吹き飛ばされる防災上警戒・注意すべき大きさの岩石のことを、「噴石」といいます。
噴石の中でも約20~30cm以上の、風の影響をほとんど受けずに弾道を描いて飛散するものを「大きな噴石」と呼びます。
大きな噴石による被害は生命に対する危険性が高いため、噴火警報による入山規制や避難が必要とされます。
②小さな噴石・火山灰
噴石の中でも直径数cm程度の、風の影響を受けて遠方まで流されて降る噴石を「小さな噴石」と呼びます。
火口付近では小さな噴石によって登山者等が死傷するケースもあります。
また、噴火時に火口から放出される固形物の中で直径約2mm未満の比較的小さいものを「火山灰」といいます。
火山灰は広範囲に拡散し、人体や農作物、交通機関や建物に被害を与えます。
③火砕流
噴火によって放出された高温の火山灰や岩石、火山ガス、空気、水蒸気等が混合状態で一体となり、地表に沿って流れる現象を火砕流と言います。
数百度といわれる高温の火砕流は時速百キロ以上で流れ出るため、付近に要ら場合は避けることが困難なため、事前の避難が必要です。
④火山泥流・土石流
は火山灰などの火山噴出物と土砂や樹木などが混合して地表を流れる現象を「火山泥流」もしくは「土石流」といいます。
両社の厳密な区別は難しいですが、一般的に、降雨に影響を受けて火山噴出物が流動することで発生する火山泥流のことを土石流と表現します。
時速数十kmものスピードでかなり離れた場所まで流れ、噴火の終息後も継続することがあるためとても危険です。
⑤融雪型火山泥流
主に積雪時の噴火でみられる現象で、火山活動によって火山を覆う雪や氷が融けることによって、火山噴出物と水が一体となって地表を流れ下りる現象です。
火山泥流や土石流と同様に時速数十kmに達することがあり、離れた場所まで流れるので事前の避難が必要です。
⑥溶岩流
噴火によって溶けた岩石が地表を流れ下る現象です。
速度は比較的遅いですが非常に高温の為、溶岩が通った場所は建物や道路、田畑等全て焼失してしまいます。
⑦火山ガス
「火山ガス」は、噴火などの火山活動によって地表に噴出する高温のガスのことをいい、「噴気」とも呼ばれます。
水、二酸化硫黄、硫化水素、二酸化炭素などが主成分のため、火山ガスを吸引すると気管支炎や硫化水素中毒等、人体に被害を及ぼす可能性があります。
⑧津波
噴火によって土石流が海に流入した場合や海底火山で大規模な噴火が発生した場合には、津波が発生する可能性もあります。
火山活動への対策
このように火山活動によって甚大な被害が想定されるため、国や自治体は災害対策本部を設置し、応急対策の推進や防災計画に基づいた応急対策の実施を行っています。
また、事前に警戒避難対策や降灰対策、泥流や土石流対策も行われています。
では万が一火山活動が起きたとき、私達はどのような対策や行動をとればよいのでしょうか。
気象庁が発表する噴火警報・予報・速報・噴火警戒レベルに留意する
もしも火山の噴火など火山活動による災害の恐れがある時や火山災害に遭遇しそうな時は、気象庁が発表している噴火警報・噴火予報・噴火速報・噴火警戒レベルに留意しておく必要があります。
①噴火警報・予報・噴火警戒レベル
噴火警報は、噴火に伴って生命に危険を及ぼす火山現象の発生が予想される場合や危険が及ぶ範囲の拡大が予想される場合に、「警戒が必要な範囲」が明確に発表されるものです。
噴火予報は、火山活動の状況が静穏であったり噴火警報には及ばないレベルと予想される場合に発表されるものです。
噴火警戒レベルを運用している火山では、火山活動の状況に応じて「警戒が必要な範囲」と防災機関や住民等の「とるべき防災対応」が5段階に区分された「噴火警戒レベル」も発表されます。
②噴火速報
噴火速報は、噴火の発生事実を迅速に発表する情報です。
登山者や周辺住民が身を守る行動を迅速に取ることができるよう、火山が噴火したことを端的にいち早く伝えます。
迅速な情報伝達のため、火山名と噴火した時間のみが速報として発表されます。
一人ひとりができる対策
気象庁が発表する警報や速報に留意することはもちろんですが、万が一の火山活動に備えてあらかじめ事前にできる対策を行っておくことも大切です。
①事前にできる事
・火山防災マップで噴火警戒レベルに対応する危険な場所を確認しておく
・あらかじめ避難場所や避難経路を確認しておく
・緊急持ち出しを準備しておく
<参考コラム>9月1日は防災の日【災害に対する家庭での備えを忘れずに】
②迅速な避難
火山の噴火など火山活動による災害に対しては、事前の迅速な避難がとても重要になってきます。
噴火の恐れがある場合、「警戒が必要な範囲」から事前に避難することが必要です。
市町村から避難等の指示があった場合、従うようにしましょう。
また、避難時には火山灰から身を守るため、コンタクトクレンズの使用を控えて眼鏡にしたり、防塵マスクの着用、長袖長ズボンで皮膚を守ったり、自転車や自動車の運転をなるべく控えるなどの点に注意しましょう。
火山活動と地震の関連性
かつてから火山活動と地震は関連性があるといわれています。
どのような関連性があるのかみてみましょう。
プレートの動きと火山活動と地震
地球の表面には厚さ数10~100kmの岩盤のような「プレート」が約14~15枚あり、年に数cmという速さで移動しています。
2つのプレートの境目では、一方のプレートがもう片方のプレートの下に沈みこんだりし手摩擦が起こり、これらによって地震が起こります。
また、このようなプレート間の摩擦によって岩石が溶とけてマグマとなり、火山から地表に吹きだすいわゆる噴火が起きるといわれています。
実際に世界の震源分布とプレート図と世界の火山分布図は似た点が多く、 地震や火山活動はプレートの動きと非常に関連性があることがわかります。
<参考コラム>南海トラフ地震の発生時期を予想【いつ頃起こる?】
火山性地震
地震の中には、「火山性地震」とよばれるものもあります。
「火山性地震」とは、火山の噴火に伴う地震や、噴火がなくともマグマの動きなどの火山内部で起きている火山活動に関連して起きる地震のことをいいます。
噴火に伴う地震では、爆発的な噴火によって発生する「爆発地震」がよく知られています。
一方、内部の火山活動による地震は、地震周期が短く震源地の深い揺れや地震周期が長く震源地の浅い揺れなどが特徴としてあり、一般的に噴火の前に観測される場合がほとんどです。
地震が火山活動を誘発
地震によって火山活動が誘発され、活発化されることはあるといわれています。
過去の事例として、1707年に起きた「宝永地震(東海・東南海・南海地震:M8.4)」の49日後に、「富士山」が噴火したことが挙げられます。
また、世界でも、1991年に起きた「フィリピン・ピナツボ火山」の噴火の前年に、約100km離れたバギオ付近を震源とする「フィリピン地震(M7.8)」が発生しており、この地震に誘発されたと考えられています。
地震が火山活動を誘発するメカニズムはまだ明らかになってはいませんが、2021年には東北大学で「大地震による火山噴火の誘発メカニズムを解明」したとする研究成果が発表されるなど、研究が進められています。
5.まとめ:火山活動でも地震でも事前の対策が大切
噴火による火砕流や噴石、火山灰など火山活動による被害は恐ろしいものがあります。
また、火山性地震や地震による火山活動の誘発の可能性など、地震との関連性も気になります。
いずれにしても、事前に災害に関する対策を行っておくことで、万が一の自体が起きても慌てることなく行動することができるのではないでしょうか。
火山防災マップや避難経路、避難場所などを確認し、連絡系統などを把握しておくとよいでしょう。
6.個人でできる地震対策に新しい選択肢「αダンパーExⅡ」
どんな災害を想定した場合でも、なるべく被害を最小限に抑えたいものです。
一人ひとりの心がけや対策を行うだけでも、その差が出てきます。
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