制振ダンパーを比較 メーカーや制震の方法による違いはあるの?
耐震に加えてさらに地震宅策をしようと検討する際、候補に挙がってくる方法の一つが制震(制振)です。制振ダンパーついて調べ始めると、いくつものメーカーがあって迷われることと思います。木造住宅に適した制振ダンパーを選ぶ為、制振ダンパーの種類と地震対策としての効果の高さの比較、制振ダンパーのメーカーを確認していきしょう。
目次
制振ダンパーの種類と地震対策としての効果の高さ
耐震に加えてさらなる地震宅策には、制震と免震が挙げられます。その2つを比較すると、免震は効果は高いのですが費用が嵩みます。それならば、免震より費用が抑えられる上に、効果が高いと言われている制震で対策しようと考え、制振ダンパーについて調べ始めると高層ビル用の制振ダンパーの情報が多く出てきます。その為、その高額さに驚かれるかと思いますが、木造住宅用の制振ダンパーはそれほど高額ではありません。
そして、制振ダンパーの高層ビルに対する効果と木造住宅に対する効果も違います。ここでは3階建てまでの木造住宅に適応する制振ダンパーについて確認していきます。3階建てまでの木造住宅に適応する制振ダンパーには、オイルダンパー、粘弾性ダンパー、ダンパーの3種類があります。それぞれ構造も効果の高さも費用も異なります。
オイルダンパー
シリンダーのような筒状の容器の中に注入されたオイルが揺れを吸収する制振ダンパーです。揺れを受けるとピストンが作動して、筒状の容器に開けられた穴からオイルが移動してオイルの溜まっている場所のバランスが変わり、圧力が生まれます。この圧力によって地震の揺れを吸収する仕組みです。
オイルが通る穴の大きさや形状、オイルの粘着度合いによって、ピストンの作動状態が変わる為、効果の高さが変わる為、綿密な設定が求められます。
オイルダンパーが他の2種類の制振ダンパーと比較して優れている点は、微小な揺れであっても大きな揺れであっても、揺れの程度に応じてピストンの作動状態が変わり、どの程度の地震に対しても効果を発揮するということです。
ただ、複雑な構造であることから免震装置ほどではありませんが、他の2種類の制振ダンパーと比較すると費用がかかります。また、オイル漏れに対するメンテナンスが必要になる期間は製品により異なるため確認する必要があります。
粘弾性ダンパー
ゴムやシリコンなどを使い、素材の持つ弾力性によって地震の揺れを吸収する制振ダンパーです。素材の配合によって効果の高さが変わる為、多くのメーカーによって様々な試みがなされています。
オイルダンパーほどの複雑な構造ではない為、鋼材ダンパーほどではありませんが、オイルダンパーよりは低価格です。ただ、素材の性質上、地震の揺れ以外に、温度の影響を受けてしまう懸念があります。
ゴムを例に挙げると冷えると固くなり暖まると柔らかくなるという性質があります。その結果、季節によって制震の効果が変わることがあるのです。素材によってその効果の変わり方の割合は変わりますが、温度変化の影響を受けない素材は今のところありません。また温度変化のしやすさは劣化にも繋がる為、耐久性という面から考えても弱みになってしまっています。
鋼材ダンパー
外部からかかる圧力に対して金属の持つ柔軟な性質を利用した制振ダンパーです。地震の揺れからの圧力を金属が折り曲げられることによって発生する熱に変え、吸収するというシンプルな構造です。複雑な構造ではない為、3種類の中で最も低価格で、特にメンテナンスの必要もありません。
ただ、金属は繰り返し折り曲げられると、金属が吸収できるエネルギーの限界を超えてしまい、最終的には折れてしまいます。その為、耐久性は高くはありません。また、ある程度以上の圧力が加わらないと折り曲げが始まらないので、小さな揺れには効果が出ません。
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制振ダンパーのメーカー
制振ダンパーの種類別にメーカーを見て行きましょう。
オイルダンパーのメーカー
オイルダンパーのメーカーは複数ありますが、その中のいくつかのメーカーをあげていきます。
トキワシステム 「αDamperExII」
1999年設立の制振ダンパーの老舗メーカーです。名古屋の国立研究機関から技術開発の要請を受け、木造住宅の耐震・制震性を測定する「木造住宅専用の振動測定装置」を開発。その後も、多くの研究機関の実証データを蓄積し、自社の振動解析技術を活かし、日本の木造住宅の制震装置として高い性能を有している120年保証のメンテナンスフリーの制振ダンパーを開発、製造、販売しています。
『制震』工法は、地震時の地面からの揺れに対する体感は軽減しませんが、建物自体の揺れをよく吸収するため、建物の変形を大きく低減できます。
『免震』工法に比べて、施工効率が高く、低コストでの設置が可能で、『耐震』工法では、対応できない繰り返しの地震にも有力なのが『制震』工法なのです。そのため、『耐震』工法に加えた安心・高品質な工法として多くの方に選ばれています。
引用:トキワシステム
日本制震システム「MER SYSTEM」
ヤマハモーターハイドロリックシステムとの共同開発によって生まれた制振ダンパーを製造販売しているメーカーです。
オーディーエム 「DYNACONTI(ダイナコンティ)」
木造建物制振装置販売、構造金物、耐震補強金物などの建築資材卸、動的耐震検査住宅サポート業務などの事業をする会社です。
evoltz(エヴォルツ) 制振装置 S042
海外メーカーとの提携により制振ダンパーと鋼材ダンパーを開発、製造、販売している会社です。
粘弾性ダンパーのメーカー
粘弾性ダンパーのメーカーは複数ありますが、その中のいくつかのメーカーをあげていきます。
住友ゴム業株式会社 MIRAIE
独自のゴム技術を活かしてタイヤやスポーツ用品、制震ダンパーなど幅広く事業を展開している会社です。
三井ホームコンポーネント株式会社『VAX(バックス)』
戸建て注文住宅、分譲住宅、施設などの建築に幅ひろく営業している会社ですが、2014年に内壁枠組みに制振ダンパーと制振フレームからなる制振デバイスを組み込んだ「VAX」を開発しました。
富士工業株式会社『Kダンパー』
木造軸組用制震装置、耐震改修用制震装置、非常時給水タンクなどの住宅災害対策製品、資材や建材を開発、製造、販売している会社です。
鋼材ダンパー
鋼材ダンパーのメーカーは複数ありますが、その中のいくつかのメーカーをあげていきます。
アイ・エム・エー 制震システム『GVA(ジーバ)』
制震システムGVA[ジーバ]やX-WALL[エクスウォール]、SL-CUBE[エスエルキューブ]、ZEROシステム、AIシステムなどを開発、製造、販売している会社です。
サトウ 耐力制震壁オメガシステム
基礎や屋根、壁などの建材、耐力制震壁など建築関係の資材を開発製造、販売している会社です。
この他にも制振ダンパーを開発、製造、販売しているメーカーは多数あります。ここにあげたメーカーはほんの一例であり、推奨するメーカーという訳ではありません。
特徴別のメーカー比較
製品の効果の高さの他に取り付けの方法や、研究機関の実証データの公表などについての比較をしてみましょう。
後付けできる制振ダンパーのメーカー
後付けできる制振ダンパーは、リフォームの際に取り付けられますが、後付けできない制振ダンパーは新築時にしか取り付けができません。既存住宅に設置する場合は、形状、サイズのコンパクトさなどの特徴を考慮してください。
トキワシステム 制震ダンパー「αダンパーExⅡ」
日本制震システム「MER SYSTEM」
evoltz(エヴォルツ) 制振装置 S042
研究機関の実証データが公表されているメーカー
どのメーカーも自社開発時に様々な実験を繰り返し、実証データを出しています。さらにメーカーの中には、それ以外に大学などの研究機関での実証データを公表しているメーカーとしていないメーカーがあります。
消費者が地震対策の装置を選ぶ際に、実際に大地震に耐えられるかどうかを試すことはできません。その為、どの製品を選ぶかという判断基準の一つとして、第三者機関による研究データの公表は貴重です。
トキワシステム 制震ダンパー「αダンパーExⅡ」
制振ダンパーの数々の研究機関の実証データの公表されています。
まとめ
制振には3つの方法があり、それぞれの方法を用いた制振装置には複数のメーカーの製品があります。3つの方法の中で最も高い効果と耐久性があるオイルダンパーのメーカーも多数あります。それぞれのメーカーが実証試験を繰り返し、高い効果性を維持できるような製品に仕上げています。
オイルダンパーは1度設置した後は、長期間その効果が続くので、長年に渡り使い続ける制震装置です。数年ごとに交換するというタイプの装置ではありませんので、設置した後に安心できるメンテナンスフリーの製品を選ぶことが大切です。
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大切なあなたの家族を守りたい トキワシステムの制震ダンパー「αダンパーExⅡ」 ―KEEP YOUR SMILE―
いつ起きるかわからない地震。
恐ろしい地震から、誰もが家族や住宅を守りたいと願うものです。
トキワシステムの制震ダンパー「αダンパーExⅡ」は、耐震住宅の弱点を補いつつ建物の倒壊防止に効果を発揮します。
多くの研究機関で実証
「αダンパーExⅡ」は、東京工業大学・静岡大学・豊田工業高等専門学校・岐阜県立森林文化アカデミーなどの数多くの学術研究機関による性能試験をクリアして、その効果が認められています。
多数の導入実績
「αダンパーExⅡ」は、木造住宅用の油圧制震ダンパーとして信頼と実力No.1で、16,000棟以上の供給実績があります。これからもより多くのお住まいを地震や自然災害から守り続けていきます。
グッドデザイン賞を受賞
制震装置「αダンパーExⅡ」は、2021年度グッドデザイン賞(主催:公益社団法人日本デザイン振興会)を受賞いたしました。
低コストで高い効果
「αダンパーExⅡ」は、『免震』工法に比べて、施工効率が高く、低コストでの設置が可能です。『耐震』工法では、対応できない繰り返しの地震にも有力です。
120年製品保証のあるメンテナンスフリーの耐震性の優れた住宅に制震ダンパーをプラスして、より安心・安全な住宅を目指してみませんか?
技術力の高いトキワシステムが提供する安心・高品質な制震ダンパー 「αダンパーExⅡ」 であれば、住宅をしっかりとサポートします。
ご不明な点等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。